主体性のある社員を育てるマネジメント術とは

カテゴリ:マネジメント

2015年10月20日(火)

主体性のある社員を育てるマネジメント術とは

「外発的動機づけ」より「内発的動機づけ」が大切

主体性のある社員に育てるには、昇給させたり、昇格していいポジションにつけたりする「外部的動機づけ」がいいと思われがちです。しかし、「外発的動機づけ」は効果がすぐ現れるという長所がある反面、何度も使えない、効果が長続きしないという劇薬のような特徴があります。昇給・昇格した瞬間は嬉しく感じるのですが、しばらく経つとありがたみが消えてしまうのです。

それよりも、好奇心や関心、仕事の楽しさなど自分自身によってもたらされる動機づけである「内発的動機づけ」を与えることに重点を置いたほうがいいのです。「内発的動機づけ」を与えるにはどうしたらいいかを考えていくことが大切になります

今の若者の帰属意識

今の若者の帰属意識は、主に2つのタイプに分かれます。

1つは、組織に対して素直で従順であり、上司には逆らわないタイプです。一見、会社への忠誠心があるタイプで良さそうに見えますが、実はこのタイプは「頑張らなくても給料をもらえる」と割り切っている「ぶら下がり社員」である可能性が高いです。会社には不満はあるものの、仕事を増やしたくない、だから、言われたことしかやらない傾向があります。ただ一方で、言われたことは文句を言わずにやってくれますし、勝手な行動もとりませんので、会社にとっては使いやすい存在ともいえるでしょう。

バブル崩壊までの終身雇用制度の時代ならば、ぶら下がり社員がいてもある程度成り立っていました。しかし、変化のスピードが激しくなった現在、会社も個人も変わっていかなければなりません。社員にも、ぶら下がり社員のような受け身の姿勢ではなく、攻めの姿勢を持っていってもらわなければなりません。

もう1つは、組織に対して素直に従わず、反抗するタイプです。理不尽なことに対してはおかしいと声をあげるため、一見組織への忠誠心はないように見えます。会社のことより自分のことを優先してしまうように見えるため、上司からのイメージも良くないかもしれません。しかし、このような部下は、企業の将来への危機感をつのらせているのです。自分のことだけを考えているわけではありません。会社のためを思って、意見を出しているのです。

会社としては、このタイプの社員を自分勝手な存在と誤認してしまいがちで、疎ましく感じてしまいます。場合によっては意見を全く受け入れず否定して、押さえつけてしまいます。結果、モチベーションを落としてしまい、言っても変わらないから何もしなくていいやという状態になってしまいます。「ぶら下がり社員」になってしまったり、最悪の場合は職場を去っていくという事態にもなりかねません。これは組織としては、非常にもったいないことです。

セルフリーダーシップの必要性

ぶら下がり社員に主体性を持ってもらう方法と、意見を出してくるタイプの社員が主体性を失わないようにするための注意点をお伝えしていきます。


(1)マネージャーが指示を出しすぎないようにする

言われたことしかしない社員になってしまっている要因の1つとして、マネージャーが必要以上に指示を出しすぎてしまっているというケースがあります。正確に伝えることは大切ですが、あまりにも細かい部分まで指示してしまうと、社員が自分で考えなくなってしまいます。確かに新入社員などの経験が浅いタイプには、細かい部分までの指示が必要になりますが、そうでなければ、大枠だけの指示でいいのです。

What(何をしてほしいのか)とWhy(なぜやってほしいのか)の大枠は伝える必要がありますが、How(どのように)などの手段は、部下に決めさせるのです。そうすることで、部下が主体的に考えるようになってきます。部下が自ら考えなくてはいけないような指示の仕方にするのです。

(2)主体的に動いているかどうかが評価の対象であると伝える

新しいことに挑戦して失敗した社員を責めないことです。同時に、新しい企画を考えたり、施策を提案したりする人を評価する仕組みを作り、目標も設定するようにしましょう。逆に、失敗を恐れて何もしないと、評価が低くなるような仕組みを作っていきましょう。

(3)プロジェクトリーダーに抜擢する

言われたことしかしない社員には、やらなければならない状態を作ることも大事です。具体的には新企画などのプロジェクトリーダーにしてしまうことです。ただそうはいっても、いきなり大きなプロジェクトのリーダーは荷が重いでしょう。セクションで進める小さなタスクのリーダーや会議の進行役、勉強会の講師などからはじめてみるのが良いからもしれません。

What(何をしてほしいのか)とWhy(なぜやってほしいのか)の大枠は伝える必要がありますが、How(どのように)などの手段は、部下に決めさせるのです。そうすることで、部下が主体的に考えるようになってきます。部下が自ら考えなくてはいけないような指示の仕方にするのです。


では、次に意見を出したり反抗したりするタイプの社員の主体性を失わせないようにするための注意点についてお伝えいたします。大切なのは①意見を否定しない②フィードバックをするという2点です。

出してきた意見は受け入れる必要はありませんが、受け止めましょう。否定しないことです。そのためには、否定しないように意識することです。具体的には「でも」「どうせ」「だからさあ」などの否定ワードを使わないような癖をつけておくことです。

次にフィードバックを必ずすることが大切です。このような社員に対して、否定しない物わかりのよいマネージャーを演じても、出してきた意見に対して何もフィードバックをしなければ、無視されたと考えてしまいます。

主体性のある社員に育てるために必要なこと

どちらのタイプの社員に対してであっても、主体性を持たせるには、コミュニケーションが大切になってきます。これは一朝一夕ではできるようにならないため、実際に意識して学ぶ場を作っておくことが必要です。主体性のある社員に育てることは売上増加にもつながり、販売促進の一種ともいえます。しかもその効果は社員が在籍する限り長きにわたり継続性のあるものですので、ぜひ、組織としてはこの部分に力を入れておきたいものです。

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