新人教育の王道、OJTに潜む落とし穴と実施のポイント

カテゴリ:新人研修

2016年3月25日(金)

新人教育の王道、OJTに潜む落とし穴と実施のポイント

人の教育は大変難しい分野であると同時に、それはまるで宝を見つけたり、才能を育てたりするのと同様の価値ある楽しみな作業でもあります。スポーツの世界でも、芸術の世界でも後輩を育てるのは先輩の努めでもあり、名誉でもあります。私たちのほとんどは、そのようなプロスポーツや芸術の分野で生計を立てているわけではないと思いますが、企業で人を教える、特に新人社員を教育する機会はチャレンジであると同時に、取り組みがいのある仕事となっています。

新人教育の分野でよく「OJT」という言葉を耳にすることがあると思います。なんとなくイメージで理解している人が多いと思いますが、これはOn the job trainingの略で、簡単に言うと机上の研修ではなく、実際に仕事をこなしながら学んでもらうトレーニングのことです。

新人教育の面で有用とされるこのOJTですが、どんなポイントに気をつけて実施することによって、会社にとっての重要な戦力を育てあげることができるでしょうか。

最初の段階で何を理解しているか

OJTが始まるまでに、新人 社員はすでに多くのことを学んでいることが多いです。机上の研修を先行してきっちりおこなう企業も多いですし、その仕事に関してなんらかの知識がある程度入っている状態で、OJTに臨むケースがほとんどでしょう。

しかし、OJTが始まった時点で、これからやる仕事のことをどれほど理解できているかは人によってかなり差があるでしょう。そのため、新人教育にあたる人はその人がOJTの最初の段階で何を理解しているのか、また理解できていないのかを少し洞察する必要があります。それをしなければ、OJTは進んでいるのに当人の理解度がついてきていないという結果になりかねません。

基本的な知識やルールを実践で役立てる

OJTが始まる段階で、色々とすでに学んでいることを簡単に復習している新人社員も多いかもしれません。しかし、実際に仕事の場でOJTが開始されると、知っている知識と現場の作業がまだうまく結びつかないということが往々にしてあります。これは不思議なことではなく、誰でも最初はそうだったはずです。

そのため、すでに取り入れた基本的な知識やルールを、実際の仕事の現場で当てはめられるように上手にフォローする必要があります。多くの場合、思い起こさせること、反復させること、焦らないように安心させることによってOJTの初期の段階はスムーズに進んでゆくはずです。

問題を解決する力

机上の勉強の時とは違い、実際の仕事の場では色々な問題や疑問が起こってくるものです。さらに、自分自身のミスから派生した難しい状況なども生じるかもしれません。新人教育の面で重要なのはミスをしないように教えることよりも、その都度問題を解決してゆけるように教育することです。

最初からミスをあまりに恐れるようにプレッシャーを与えてしまうと、結果としてミスを犯すようになり、思考力を働かせて仕事をするよう育てることが難しくなります。

人間関係の構築

知識の欠如や作業や判断のミスがあった時ほど、OJTの教育を生きたものにする良い機会です。なにかしらの問題がおきたとき、人と人との関係はマイナスにもプラスにも変化します。OJTで学んでいる新人社員は、これから長きに渡り同僚となる人材であることを思い起こしましょう。それでOJTの段階でよくコミュニケーションを取り、問題やミスが発生したときにも信頼して相談してもらえる関係を作り上げることが大切です

成長を確認する

OJTの目的は、なんとなく現場に慣れてもらうことではありません。知識面、技術面、コミュニケーションの面でしっかりと仕事を遂行していける人間に教育することが目的です。OJTの最中にただ単に設定されている事柄をこなしていく、あるいはOJTのために定められた時間を消化していくだけでなく、その新人社員の成長を確認するように意識しましょう。どんな点が変わりましたか?最初の段階と比べてどんな面で成長が見られるでしょうか?こうした点を見るためには、教える側が純粋な関心を新人社員に対して抱いている必要があります。

こうして見てみますと、OJTは限られた時間の中でやるべきことがたくさん詰まっていることが理解できます。しかし、この集中すべき期間を有効に使えるならば、OJT終了後早い段階でその新人社員は即戦力として現場で活躍することが期待できるかもしれません。OJTが終了したにも関わらず、著しい知識の欠如やパフォーマンスの低さを見せる場合、必ずしも当人の力不足が問題とは限りません。教える側のOJTへの取り組み方がマンネリ化していると、当初の目的が達成されずに時間が過ぎてゆく恐れがあるのです。

まとめ

OJTを担当した先輩や上司と、その新人社員がその後も特別親しい関係になっていくのはよく見られる光景です。このように、OJTは知識や技術だけでなく職場で最も大切とも言える人間同士の信頼を築くものとなります。

組まれたカリキュラムをただこなすという状態に陥ると、OJTで与えるべき教育が行き届かないという落とし穴がありますので、くれぐれも一人ずつの人間と向き合って、良い成果を得られるように取り組んでゆきましょう。

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