導入企業様インタビュー vol.3株式会社 アカイ様
高い技術力をキープしながら 人材育成に力を入れ時代の変化に対応する
40年以上にわたり、高い技術力でリニューアル工事のプロ集団として成長、発展されている株式会社 アカイ様。近年、技術力はもちろんのこと、人材育成にも力を入れられております。青木社長は管理者養成学校のほぼ全コースにご参加いただいており、そこで学ばれた管理者養成学校イズムを現在も社員の皆様に継承されています。
創業者と管理者養成学校との出会い
創業者青木 徳郎氏は1974年大手建設会社で得られた技術力を基に、リニューアル工事を専門とする株式会社アカイを設立されました。当時の建設会社は新規施工をメインとする会社が多く、リニューアル工事をメインとされる建設会社は少なかったそうです。そこで高い技術力を持つ人を多く集めることで、順調に規模を拡大されていきました。
しかし1993年バブルが崩壊し、直接的に影響を受ける建設業界の景気は下がっていきます。株式会社アカイも例外ではありませんでした。
そこで「営業力を強化しなければ」と社長自身が管理者養成学校、セールス特訓に参加されます。ここで訓練に感動され、その後2002年までに特設社長コース、管理者養成基礎コース、上級訓練、指導力開発訓練とほぼすべての訓練に参加されました。
青木社長は新卒で管理者養成基礎コースへ
青木社長は高校時代からアルバイトとして仕事を手伝われていました。そのまま2003年4月に株式会社 アカイへ入社。青木社長が株式会社 アカイの新卒第一号でした。入社1ヶ月後、お父様より「管理者養成学校へ行け」の言葉で入校されます。その時の心境はそれほど驚きも不安もなかったそうです。それまでにお父様が繰り返し入校されていること、一緒にお兄様も入校されるということで、「自分の順番がきた」ぐらいの感覚だったそうです。ただし、入校後は戸惑われたそうです。そもそも新卒なのに管理者向けの内容がメインの管理者養成基礎コースだったため、内容についていくのが精一杯。しかし、見事に13日間、補講なしで修了され、今もそれが自信となっているとのことでした。13日間で卒業できた理由をお伺いすると、「新卒だったため管理者としての悩みがなく、審査項目などがすんなり入ってきた。それが一番の理由。」とお話しいただきました。
管理者養成基礎コースで学んだ積極性
管理者養成基礎コースで強く残っているものは主体的に仕事をする意識、積極性とお話しいただきました。管理者養成基礎コースから会社に戻っても、新卒は自分だけ。周りには年上、ベテランの技術者の皆さん。このままでは仕事を覚えることができないということで、「仕事を教えてほしい」とベテランの技術者の中に自ら飛び込んでいかれます。そもそも、今まで新卒がおらず、職人気質で「仕事は背中を見て覚えろ」の世界の中、青木社長のようにベテランの中に飛び込む積極性がある若手社員は少ないのではないでしょうか。さらには若手社員が少なく、若手社員を育てる環境が少ないことを身をもって知り、「自分がこの会社を変えなければ・・・」と強い想いを持ったのも管理者養成基礎コースに参加したからこそとお話しされてました。
そこから毎年、ゴールデンウイークを利用してセールス特訓、上級訓練、指導力開発訓練とお父様と同じように、ほぼすべての訓練に参加されました。管理者養成学校の訓練にこれだけ多く参加された親子は他にはいらっしゃいません。
社長就任、しかし問題も・・・
2010年、青木社長29歳のとき社長に就任されます。先代は会長として会社を見守られることになりました。社長になって初めての仕事は大卒の採用。また鹿児島の高校を回り、高卒の採用にも奔走されます。当時、高卒採用した方は現在も工事部に在職されています。しかし、せっかく入社した新入社員の多くはすぐに辞めてしまいました。原因として会社全体、特にベテランの技術者に若手社員を育てるという文化がなかったことだそうです。ベテランの技術者ほど、さらに自分の技術力を上げることに労力をかけ、部下育成に対して意識が薄かったのでなはいかと分析されてました。当時、会社としてベテランの技術者の皆さんに「新入社員を育てることが会社全体の発展につながる」という目的意識を持たせることができなかったと反省されてました。
リーマンショック、円高不況が大きく影響
2010年社長就任後、新入社員獲得、営業活動をされてましたが、実際に会社を指揮・運営されているのは会長だったそうです。リーマンショック、円高不況の影響もあり、売り上げが下がる中、青木社長は決算書すら見ることができなかったそうです。また、青木社長自身が様々な訓練を受ける度に「このままでいいのか」、「今のやり方はあっているのか」という疑問が芽生えていきます。このような会長と社長の価値観・意識のズレは社員の中にも伝播していきます。結果、社員の会社批判、売り上げが高い社員の離職と悪循環に陥ってしまいました。営業力が低下し、それに伴いさらに売り上げも低下していきました。そんな中、心労がたたり会長であるお父様は倒れてしまいます。しかし社員が残っている以上、会社は続けなければならない・・・。いつも強気で前向きだったお父様は「あとは任せた」と青木社長に言葉を残します。
社員と一体になって、会社立て直し
会社の資金繰りを全く知らないまま、会長が引退し、すべてを任された青木社長は途方に暮れます。何から手を付けていいのか、社員に安心して働いてもらうにはどうすればいいのか。そんなとき頭に浮かぶのは行動力基本動作10ヶ条 第8条「いかなる困難に直面しても目的を放棄せず、時が深更に及ぼうとも最後までやり遂げる不退転の強い意志を持て。」この言葉を頭の中で何回も繰り返したそうです。そして、まず行動に移られたのは残っている社員全員へ今の現状を招いてしまったことに対する謝罪だったそうです。そこから「青木のための会社から社員のためのアカイに」と、いろいろな改革に着手されていきます。決算書の公開、福利厚生の見直し、給与体系の見直しなど会社の根本となる部分を徹底的に見直しされたことで会社の雰囲気が変わったそうです。さらには新たな人事評価制度の導入、社員アンケートを実施し、課題・問題があれば委員会を立ち上げ、その問題に対する改善策を社員同士で話し合う機会を増やしたそうです。
管理者の研修に良い影響が
社内の雰囲気が変わることにより、研修に対する意識にも変化があったようです。今まではほとんどの管理者に対し「研修に参加してください」と個別に声をかけられていたようですが、最近は「研修に参加したい」と管理者が申し出るケースが増えたそうです。青木社長によると「人前で話す事を含め表現力の無さを痛感した社員が、どうやったら表現力が付けられるか、と相談し、研修参加を申し出てきました。管理者の声としては、研修参加を指示した時は嫌々で及び腰だった者たちが先日の組織力向上研修では、『研修参加して本当に良かった。もっと早くに参加したかったくらいです』と言う者もいました。その他の社員も研修後の面談では、研修に肯定的で、組織の課題について積極的に意見してくれていました。多忙な社員が3日間時間を割く事で、実務に相当負担がかかった中、全員参加し、全員が学ぶ事を肯定的に捉えた事が、私は嬉しかったです。」とお話しいただきました。
新入社員研修は時代に合わせて
コロナ禍前は新入社員全員、弊社新入社員向け研修「フレッシュマン颯爽研修(旧:ビジネス成功の条件、女子戦力化訓練)」にご参加いただいておりました。今は弊社新入社員向け研修「Go!フレッシュマン現代の行動学(通学コース)」にご派遣いただいております。これは入社される新入社員の変化に合わせてコースを変えられたとのことでした。「コロナ禍前の新入社員はとりあえず、やってみせて、そこからいろいろなことを学ぶことができた。しかし、コロナ禍後の新入社員にはなぜやるのか、どうしてやるのかをしっかり理解させて、まずは知識を学ばせたい。その後、社内で育てていく風土も出来上がりつつある。よって、訓練コースからセミナーコースへの移行した」とお話しされていました。これも社内で新入社員を育てようという意識が高まり、教育システムが確立された結果ではないでしょうか。
青木社長にとって鷲雄会とは
弊社ユーザーの経営者の皆様の集まり鷲雄会は青木社長にとって「気付きと刺激を与えてくれる貴重な場」ということでした。「他の会員の皆様も社員教育研究所で研修を受けたという共通点を持たれているので、前向きで明るく優しいことはもちろんのこと、経営、教育に関して真剣に取り組まれており、自分自身の課題に気付くことができ、さらには改善につながる場です。いろいろな業種、素晴らしい経営をされている先輩の方々も多く、当社も少しでも他の会員様のように立派な経営ができるように学ばせていただいております。」とお話しいただきました。青木社長はここ数年すべての勉強会、懇親会にご参加いただいており、皆勤賞を毎年受賞されています。
社員教育研究所の研修に社員を派遣して
多くの社員を訓練・セミナーにご派遣いただいた後、社内で大切にされていることを伺いました。「礼儀礼節など一般素養を大切にする」、「協働、チームワークを大切にする」、「整理整頓の徹底」と当たり前のことを再確認し、社内で大切にしているとのことでした。具体的には、社内評価制度の中に一般素養に関するものが約半分を占めていることからも礼儀礼節を重視されていることがわかります。またチームワークを大切にし続けた結果、10年前と比較して約3倍もの大きな工事にも対応できるようになったとのことです。また、整理整頓の徹底では清掃訓練同様にトイレ、洗面台の使用後汚れの拭き上げ、傘をきちんと並べる、使用後必ずテーブルを拭くなど徹底されているそうです。このようなことを繰り返すことで社員の「気づく力」の向上、効率性を意識する習慣が身に付いたそうです。さらには訓練・セミナーを通して学んだことを共通言語として、社内コミュニケーションを活性化させ、より高効率組織を作り上げたいとお話しされてました。
それらを踏まえ、私ども社員教育研究所に期待されることとして、研修ベースは継承しつつも、今後さらに高いクオリティの研修を継続、提供していただきたいとのことでした。さらには「派遣したいときにいつでも受け入れられる環境整備がユーザーにとって一番ありがたい」とお話しいただきました。すぐに社内で検討させていただきます。ありがとうございました。
取材を終えて
インタビュー初めには「うちなんか、特段話すことはありませんよ」とおっしゃられましたが、話を聞けば聞くほど、会社経営の難しさや社員のことを常に考えいらっしゃる青木社長の想いが伝わってきました。また、株式会社アカイ様の歴史の中で、ほんの少しではありますが、株式会社 社員教育研究所、管理者養成学校が関われたことに感謝しかありません。最後にほぼすべての訓練にご参加いただいた青木社長だからこそ見える、株式会社 社員教育研究所、管理者養成学校に対して屈託のないご意見をいただき、誠にありがとうございました。
株式会社 アカイ様 会社概要
会社名
株式会社 アカイ
本社所在地
神奈川県川崎市宮前区宮崎2-6-10
宮崎台ガーデンオフィス1階
資本金
2000万円
設立
1974年12月12日
代表者
代表取締役 青木 通德
事業内容
内部リニューアル工事の施工、外部リニューアル、大規模修繕工事の施工、耐震補強工事の施工
ウェブサイト
監修
株式会社社員教育研究所 編集部
1967年に設立した老舗の社員研修会社。自社で研修施設も保有し、新入社員から経営者まで50年以上教育を行ってきた実績がある。30万以上の修了生を輩出している管理者養成基礎コースは2021年3月に1000期を迎え、今もなお愛され続けている。この他にも様々なお客様からのご要望にお応えできるよう、オンライン研修やカスタマイズ研修、英会話、子供の教育など様々な形で研修を展開している。
渡辺 和彦