研修の狙いと効果を語る 社内の対談をご紹介いたします。

リーダーの条件

良い人間関係を築いていくために

リーダーの条件

「人間関係」に関連した技術

――「ヒューマンスキル」の本当の意味とは何でしょうか。
元橋 「ヒューマンスキル」という言葉は、何となく使いやすくて皆さん使っているわけですが、かなり大きな意味合いを含んでいます。一言で言うと「人間関係」に関連した技術と言っていいでしょう。

 特に「管理者」や「リーダー」の人達においては、部下との関係を高めていくための技術、さらには部下を育成するためのテクニックであると考えています。
――企業が求めている「ヒューマンスキル」というものには、どんなものがありますか。
講師 部下や周りの方との信頼関係を築いていくコミュニケーションスキルが求められています。さらに、部下を動かして業績を上げていかなければいけません。人を動かすためのコミュニケーションスキルが求められています。

 具体的には、仕事を与える時、部下が内容や出来映えをイメージできるような伝え方と、良いところは当然伸ばしていきたいわけですので、伝え方と褒めるポイントです。慣れ合いや妥協をしていくのではなく、時には厳しいことや嫌なことが言えなければいけません。

 そして、それが相手に理解される、納得されるものでなければならないと思います。ですので、きちんとした注意の仕方、アドバイスの仕方というようなことが求められていると考えています。

元橋 リーダーの側から見ると「部下育成」ということが、非常に難しい問題になってきています。というのは、リーダーと部下との「人間関係」がなかなか築きにくい時代になっているということがあり「部下育成」というところまでいっていないのです。ですので、企業側が一番求めているものは、より良い「人間関係」を築いていくための能力やスキルです。

リーダーの条件

「リーダーの条件」コースとは

――それでは、今お話しされていた「ヒューマンスキル」を身につけるための「リーダーの条件」とはどのようなコースでしょう。
上村 コースの「ねらい」は、大きく分けて三つです。一つ目は「ヒューマンスキル」の重要性の認識を高めて頂くこと。二つ目は、リーダーとしての自覚や伝達力、表現力の向上を図って頂くこと。三つ目は、人を動かすコミュニケーションの技法を習得して頂くことです。そのために、2泊3日で計36時間の研修にどっぷり浸かって頂きます。

 研修テーマは「リーダーシップ」「コミュニケーション」「正しい仕事の与え方」「部下を褒める」「部下を注意する」などです。研修の進め方は、私共講師と質疑応答を繰り返していく「会議式リーディング方式」が5割、実践形式のロールプレイが5割を占めます。

業界によるニーズの傾向

――「リーダーの条件コース」に参加される方には、どのような業界の方が増えていますか。
講師 最近の傾向として、IT関連会社の方の参加が非常に多くなってきていると感じます。当然、テクニカルなスキルが大事ですけれども、仕事をしていく上で上下や横の協力関係や他部門との調整が益々求められているのだろうと思います。

 そのために、コミュニケーションが重要になるわけです。実際の職場では隣の人にもメールで連絡を済ませ、文字だけのやりとりで会話もほとんどないので「一声掛けてくれれば…」というわだかまりを感じているというお話しはよく聞きます。

 また、コミュニケーション不足から業務の把握や分担が正確にされず、同じようなシステムを別々の方が作っていて、後からそれが分かるということもあるようです。

 これらは一例に過ぎませんが、いずれにしても周囲とのコミュニケーションの重要性や必要性を感じていらっしゃるのではないでしょうか。

リーダーの条件

「リーダーの条件」コースの3本柱

――「リーダーの条件コース」と「指導力開発訓練コース」の違いを教えてください。
元橋 「リーダーの条件コース」は「注意する技術」、あるいは「褒める技術」、それから「仕事を与える一つのテクニック」の3本柱を身につけて頂きます。一方「指導力開発訓練コース」は、そこに「説得」が加わった4本柱です。もちろん「リーダーの条件コース」は3日間、「指導力開発訓練コース」は9日間ですので、訓練時間も3倍は違います。そうしますと「部下育成」について、より本質的な核心に迫ることができます。
――前回「指導力開発訓練コース」のお話しをお聞きしたのですが、「指導力開発訓練コース」と「リーダーの条件コース」の両方を受けるという方はいらっしゃいますか。
元橋 いらっしゃいます。内容的にはよく似ているのですが、本格的に「部下育成」というテーマで体験しようとすると、3日間のセミナーだけではやはり期間が足りないということで、改めて「指導力開発訓練コース」に入校される方がいます。

杭を打つ

――以前、校長が「杭を打つ」というお話しをされました。これは、「一歩学校を出てしまうと研修効果がどうしても下がっていってしまう」ということです。効果を持続するためにも、「リーダーの条件コース」は活用できる研修でしょうか。
元橋 そうですね。私共の「リーダーの条件コース」に対する商品としての位置づけと、企業側に対するアピールは「日にちが短いこと」「学校まで行かなくてもできる」という点です。ですので「杭を打つ」という意味合いでも、活用することはできます。

 また「部下育成」というテーマで、コミュニケーション能力強化の研修ができ、一方通行のセミナーではなく、会議式リーディング方式とロールプレイがあるという魅力があります。そういう点では、非常に取り掛かりやすいということで「リーダーの条件コース」の人気が大変高いということではないでしょうか。

研修効果を持続させるための方策

ヒアリングから得たニーズ

――それでは実際にお客様に「リーダーの条件コース」をご紹介する場合、及びお客様に対するヒアリングの中で、どのようなニーズがあるかをお聞かせ願いたいと思います。
営業 本来でしたら、セミナー講師の人にとっては少し焦点が違うという話になるかもしれませんが「訓練に出すのはどうも怖い。

 でも3日間くらいのセミナーだったら、自分のところの 社員も大丈夫かな」とお思いのお客様から「リーダーの条件コース」への派遣依頼を頂きます。また、受講後「明るくなった」「大きい声を出せるようになった」「動きが素早くなった」と、喜んで頂くお客様も決して少なくありません。

 本来「リーダーの条件コース」が一番力を入れている部分とは少しずれるかもしれませんが、実際にこれらの点も評価されていることは間違いありません。それから「スキル」という言葉と噛み合わないかもしれませんが「リーダーの条件コース」を受講すると、ある種のストレスに対して強くなり、プレッシャーに強くなるような側面から歓迎されているということがございます。

 例えば、社内会議などでほとんど発言しなかった人や周囲に遠慮して積極的に行動できなかった人が、言うべきことは発言する、あるいは、 自分から行動するという姿勢が出てくることです。今まではプレッシャーなどに負けていた人が、少しずつではありますが、変化が出てくるという点も評価頂いております。

リーダーの条件

ベースは「情意」の部分

――営業さんのお話を伺っていますと、スキル以前の「情意」という部分の問題でしょうか。
講師 「リーダーの条件コース」というのは、確かに「ヒューマンスキル」という技術に焦点を当てていますが、その技術習得の土台となるものは少なくとも「情意」の部分である積極性だとか、あるいは部下を育てなければいけないのだという 責任感です。

 つまりは、リーダー意識を一層向上してもらうことが前提です。その意識が伴わないところにいくらスキルを重ねたとしても、あまり効果が上がらないと考えられます。まず、ベースとしてものの考え方をしっかり持ち、高めて頂くことが大切です。

上村 実際、リーダーは職場においてメンバーに数多くのコミュニケーションを行っています。それは部下に対して直接かける言葉だけでなく、メンバーが日々目の当たりにするリーダーの姿勢・態度も大切なコミュニケーションとなります。
「情意」から表れる リーダー自身の姿勢・態度によって、リーダーの発言に対してのメンバーの捉え方も変わります。リーダーシップを発揮しようとするなら、その前提としての「情意」の部分も大切な要素になります。

ニーズは参加者によって異なる

――つまり、初級管理者の場合、スキルが足りない状況で「情意」の部分でリーダー意識を持たせるというニーズの方が高くなるのでしょうか。
上村 参加者をとりまく職場の環境にも因ります、また参加者自身の立場・能力などに因りさまざまです。
――少なくとも1年以上 リーダー職をやっている方は、多少なりとも「情意」の部分はクリアしていると思うのです。ただ、テクニックがないがゆえに伝えるべきことが伝えられないということはないのでしょうか。
上村 伝えるべきことを伝えられない原因にも、色々あると思います。スキルが不足していることもありますが、伝える内容や部下によっては、リーダーに心理的抵抗感が強く働き伝えられないなど現場ではさまざまなケースが出て参ります。

 ですので、研修前半は参加者ご自身のコミュニケーションの現状をさまざまな角度から振り返って頂き、悪い現状を具体的に捉え、その原因を掘り下げて考えて頂きます。そして、ご自身の課題を明確にした上で、研修後半はロールプレイを通じてその克服に向けてトレーニングして参ります。

 研修が進むにつれて、ご自身の課題の克服だけでなく、他の参加者の課題の克服に向けて参加者同士が互いに係わり合うようになり、他の参加者を指導する実践の場へと変化していきます。その相乗効果は、本当に圧巻です。

一番欠けているスキル

――「正しい 仕事の与え方」「注意する」「褒める」というのが出てくるのですが、受講生にはどのスキルが一番欠けていますか。
上村 一概には言えませんが、個人的には「仕事の与え方」において言葉足らずだなと感じることがあります。

 特に、「目的」や「動機づけ」を発言する際に「言わなくても分かっているだろう」とキチンと言葉にせず省略してしまうことが多いように感じます。もちろん分かってくれていればいいのですが、それは部下が判断することです。リーダーの独りよがりの信頼関係でなければ良いのですが。

リーダーの条件

質問し、聴くスキル

――具体的な解決策はどうすれば良いのでしょうか。
上村 まず、リーダーが部下に対し、仕事のレベルとしてどういうものを求めているかという完成図のイメージを持たせることが重要になります。また、仕事の進め方や納期など、押さえるべきポイントは双方で一致しておかなければなりません。更には、部下のやる気を高めるために一言、二言、声を掛けて頂きたいのです。

 一方、部下の経験や力量に応じて、 仕事の与え方は変わります。やり方として、一つは、部下の考えを引き出していく「質問型」のアプローチです。そのためには「質問をして聴く」というスキルが求められます。

 ただ、経験の浅い部下や初めての仕事では、リーダーが質問をしても部下が回答できなかったり、的を射なかったりすることがあります。そういう場合は、分かりやすく説明できる伝達力や表現力が求められます。

 このような観点から「リーダーの条件コース」では、2つの基本事例と参加者の仕事そのものを使った応用事例でロールプレイを行い、仕事の与え方の精度を上げていきます。

一定の考え方を持つ

――ところがその質問を作れない管理者がいらっしゃいますよね。
上村 私共は、日常会話の中でも質問を多く使っています。ですので、質問は作れます。ただ、質問にはいくつかパターンがあります。例えば「良いか悪いかの是非を問う質問」や「相手の考えを引き出す質問」があります。

 また、現状認識のための質問や目標を設定し、対策を具体化していくための質問などがあります。このような質問の意図や使い方が曖昧になっている方は、いざロールプレイでやろうとすると言葉にならなかったり、的を外した質問になったりする方はいらっしゃいます。

 そのような時は、講師からアドバイスをさせて頂きます。その上で、リーダーがその仕事に対して一定の考えを持っていないと良い質問はできません。そして、仕事を与える時は、一つも気を許せないというお互いにとって良い緊張感や関係性が生まれてくればと考えています。
――「リーダーの条件コース」受講後、効果の持続の為には何を行えば良いのでしょうか。
講師 まずは、会社組織の土壌作りが大切です。というのは、一人の方がリーダーシップを発揮してコミュニケーションを強化しようと頑張ったとしても、周りの方の共通認識がないと、それを続けていくことに大変な労力や時には苦痛が伴うと思いますので、まず同じような考え方を持っている土壌が必要であると考えます。

 次に、研修で高まった意識もやはり次第に薄れていきます。定期的にご本人もしくは上司の方を含めて、 行動目標などの見直しをしていくことです。そして、「フォロー研修」を適宜行っていくことが大切であると考えています。

――本日はありがとうございました。

【リーダーの条件】
部下育成、やる気の出させ方や褒め方を習得、部下を動かすリーダーを教育するビジネス講座「リーダーの条件」。
リーダーのマネージャースキルをトレーニングし、リーダーとして自覚を強化する自己啓発セミナー、リーダーシップセミナー・研修です。

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