研修の狙いと効果を語る 社内の対談をご紹介いたします。

セールス特訓

自社商品の知識とそれを分かりやすく伝える説明力

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「営業」という職種に必要なもの

――当社の営業マン同行の際「この営業マンは商品を売りそうだ」「話が上手だ」とお感じになるのは、具体的にどのような営業マンでしょうか?
元橋 当社の訓練そのものをよく知っている社員ですね。そのような社員は、お客様と話しても自信がある話し方をします。従って、当社の商品をよく知っていることが第一です。これが中途半端だと、なかなか思うように相手に通じません。
――それはどこの企業の営業マンの方にも言えることですね?
元橋 そうです。うわべだけの知識ではなく、中身を熟知する。そうすれば、お客様は安心して話し合いができるわけです。
――それでは、昔と比較して、現在、営業に関して、このようなスキル・能力が必要、というものはありますでしょうか?
講師 業種によっては特殊な知識がいるかもしれないのですが、特にこのようなスキル・能力が必要というのはないと思います。

 しかし、お客様の要望に変化は見られます。昔は良い営業の条件に「よく顔を出してくれる」というご意見が多かったのですが、最近は「ニーズを聞き出すのが上手い」という方が増えてきています。このように聞くと、質問が上手な人が良いと誤解しがちですが、そうではありません。

 ニーズとは、お客様からの質問です。営業マンが自社や商品のことを分かりやすく説明することで、初めてお客様は内容について質問することができます。知識がたくさんあることは重要ですが、その知識を分かりやすく伝えることができる「説明力」が必要です。従って、訓練ではこの「説明力」を上げることに力を入れて行っております。

元橋 私はその「説明力」に加え、質問に切り返す「提案力」も必要だと思います。
――他に必要なものはありますか?
元橋 お客様が何を欲しているのかを感じる「感受性」や「感性」は必要だと思います。
――それでは「感受性」や「感性」を磨く方法としてはどのようなものがありますか?
元橋 私も色々な講演で「感性」について話しますけども、1~2時間話しただけで身につくものではありません。そこで私は、短い時間で習得するために「五感性の活用」という話しをよくしております。「視覚」「聴覚」「嗅覚」「味覚」「触覚」の五感に、鋭さを増すこと。大事なものを見逃さない、聞き逃さない、このように「五感」全てを磨くことが早いのではないでしょうか。

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特に重要視する訓練項目

――「セールス特訓コース」は9つの項目から行われていますが、この中で特に重要視されている項目はございますか?
講師 全て重要な項目ですが、強いてあげるのであれば「電話アポ」「反対克服話法」「決め手」「クロージング」でしょうか。これらの項目は最初と最後なのです。お客様との面談数を増やすための手段としては「電話アポ」というのは非常に効果があります。アポ取りの技術や電話での話し方などをまずは力を入れて行っています。そして重要なのは、最後の契約書にハンコを押していただく「クロージング力」です。ここは、契約が取れたか取れなかったか、要するに100点か0点です。「電話アポ」も同じです。アポが取れたか取れなかったか、100点か0点です。つまり、最初と最後の2つの部分は特に力を入れて行っております。
――「反対克服話法」「決め手」という点についてはいかがでしょうか?
講師 「クロージング」の一部が「反対克服話法」であり「決め手」とご理解ください。お客様の断り文句を克服するセリフをいかにして作っていくか、もしくは、相手を納得させる、決断させるセリフをどのように作り上げていくかということについて「反対克服話法」は「決め手」です。つまり「クロージング」の一部分です。

元橋 反対克服の力を持つということは、営業マンが武器を持つことと一緒なのです。

営業 セールスが上手くなるための本などによくありますね。しかし、本を読んだだけでは、これは絶対身につきません。

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ロールプレイは11日間のうちの6割

――実際にロールプレイを行いながら進めていくというのが、私共の「セールス特訓コース」で行う方法ですね。
講師 はい。キチンと分かりやすく説明する、もしくは、セリフが言えるようになる、完全に体に染み込むぐらいまで練習をする。これには大変時間がかかります。繰り返し、繰り返し練習をします。理論・理屈を教えるだけであれば、1日か2日あれば、それで済んでしまいます。
――そのようにして体に覚えこませるわけですね。
講師 野球にしろ、ゴルフにしろ、とにかく何回も何回もバットやクラブを振って、ボールを打たない限り、なかなか上達はしません。それと同じ要領です。カーブがきたらこう打つとか、ラフからはこう打つとか、理屈だけならいいのです。しかし、実際に打てるようになるには、自分でバットなりクラブなりを持って振らない限りはなかなか上手くなりません。つまり、そのような練習を繰り返し行うということです。
――11日間の訓練の中で「クロージング」のロールプレイは、どのぐらい時間を割いて行われるのでしょうか?
講師 セリフの練習、いわゆるロールプレイ関係であれば、6割はあります。その他「テープ学習」「ビデオ」「40キロ夜間行進」「駅頭歌唱」「朝礼」「散歩訓練」です。

日常の「営業活動」から変えていく

――「セールス特訓コース」の受講者は、物を売るということに対して、どのような考え方、心構えで入校されるのでしょうか。
講師 受講者は大体6通りの方に分かれると思います。ある程度数字が上がると、満足して仕事をしなくなる方。常に誰かが何かをしてくれるという甘えのある方。ひと言断られると諦めの早い方。ひたむきに仕事はしているけれども、自信がない方。気合は十分ですが、一生懸命さが空回りしている方。数は少ないですが、非常に優秀な方。訓練生の方の現状というのは、そのどこかに当てはまります。

 優秀な方は別としまして、最初の5つの方の色々な問題点は、スキルや心、精神的な部分の弱さなどがありますけれども、そこをいかに強くしていくかというのが、私共の訓練での仕事です。
――具体的にはどのような形で指導をされているのでしょうか。
講師 パンフレットにも「営業活動の現状と目標」という、行動をチェックする項目がありますけれども、例えば、現在、訪問件数は1日何件なのか。見込み客を月平均何件獲得しているのか。商品知識は1日どのくらい勉強しているのか。具体的に数字で書き出していただきます。

 現状のままでは良くないはずですから、更に数字を上げていくために例えば、訪問件数、電話の本数、商品知識の勉強は1日どのぐらいすれば良いかというように、本来あるべき姿と現状の自分の姿を数字で表し、足りなかった部分を自覚していただきます。それを目標にして、達成するためにはどのように行動すれば良いのかという具体的な手段・方法を「セールス5則」へ文章化して、それをお土産として持ち帰っていただく。そして、そのまま実行していただければ必ず数字、決定数アップ、業績アップに繋がるというシステムになっています。

「ABC方式」による訓練の効用

――私共の研修方式「ABC方式」は「セールス特訓コース」においてはどのように活用されていますか?
講師 行えるところは、全ての場面ですね。訓練そのものは「会議式リーディング方式」で行っています。「ABC方式」とは、まずAさんに商品の説明をしていただく。そしてそのトークをBさんCさんにさらに良くしていただく。つまり、他の人の知恵や感性を借りながら、どんどん話しを良くしていく訓練です。

元橋 これは「聴く力」がつくのです。人の話しを聴いてないと、その話しをもっと良くしようということはできません。従って、自分が話しをする前に、人の話を聴くという力がついてきます。これが「ABC方式」の長所です。
――実際の訓練で感じたことはございますか?
営業 実際の訓練の場で感じることは、その業界の人は「これはこうなんだ」という思い込みがあるのです。しかし、それを私達素人が聞いていると、非常に分かり辛いところがあるのです。「それをこのように表現すると分かる」などと訓練中から常に話しをします。すると、訓練中の「ABC方式」でトークの内容がより良くなります。

講師 訓練を行っていますと、不動産、自動車販売、パソコン販売など色々な業界の方が受講されていますが、異業種間の「ABC方式」は非常に面白いです。例えば、不動産会社のAさんが自社の商品説明をします。しかし、違う業界の自動車販売のBさんや、パソコン販売のCさんの方が、不動産の説明が上手だったりするのです。違う業界の方は、知識が乏しいため、ポイントを絞り、説明しますから、聞いている方は分かりやすいのです。しかし、本家は知識がありすぎて、あれもこれも言おうとしてしまう。結局、ポイントが絞れずに、分からなくなる傾向があります。

泥臭いことを行い続ける情熱と陰で自分を磨くことがポイント

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受講後の具体的効果について

――「セールス特訓コース」受講後、お客様や派遣責任者様から聞いた具体的な効果やエピソード等があればお願いします。
営業 「セールス特訓コース」受講後、離職率が低くなったという話しは聞いたことがあります。営業マンというのは、比較的出入りの激しい業種だと思います。

 しかし、営業の基本ができて、お客様と接することが楽しい、売れなくても「今度は絶対に売れるのだ」という諦めない心ができて「もうだめだ」と諦めるのではなく「もう少しやってみよう」「できないのであれば、2倍やろう」という気持ちになった社員が増えた、というお客様がいらっしゃいました。
――元橋校長はいかがでしょうか。
元橋 お客様から聞く話では、「訓練受講後、笑顔と自信を持ち、話しができるようになった、ということはものすごい変化だ。」という評価を、ずいぶんいただいております。それは当然、成績にも繋がるでしょう。

 また「とても良かった」という話は聞いております。企業の派遣責任者様も、トークの内容、決め手を打つ時の技術といったことはよく分からないのです。しかし、その人の行動に非常によく表れるようになるわけです。

 従って、朝礼時の形や声が変わった。その気持ちがお客様のところで表現されているということを考えると「とても大事な教育を受けることができました」と大変喜んでくださいます。

結果の前にプロセスが変わる

――数字という結果よりは、むしろそのプロセスや過程が変わって帰ってきたということでしょうか?
元橋 そうですね。やはり、 基本態度がきちんとできるようになっているということでしょう。それがやはり、売れる男になるための必須条件です。
――行動が変わると数字が変わる。その数字が変わらなくても、粘り強さが出てくるわけですね。
営業 「セールス特訓コース」に限らず、よく派遣先から聞くのですが「評価は自分がするのではないということを、訓練で凄く学びました」とおっしゃっていただけます。「私はこれだけやっているのだ。これで完璧なはずだ」と言っても、それを評価するのは自分ではなく、あくまでも相手。お客様であったり、上司であったり、先輩であったり。第三者が決めることなのだと気づいた、という訓練生が多いと聞きます。

 今までは天狗だったり、自分はできるのだと思い込んでいたりしたけれども、実はそうではない。そこに気づくことが、訓練の始まりでもあります。
――私はどうしても、あまり売れていない営業マンの方を、売れるようにするというイメージですが、実際はそうではなくて、売れている方はもうひとつ上のレベルに、より売れるようにするコースという認識ですね?
元橋 従って、このコースは、新人の営業マン教育を行うという目的ではないのです。本来は、営業部門のリーダー格の方々に、まず体験していただきたいと考えております。そこからひとつのモデルを上から下に浸透させていくということです。そうしますと、その部門の営業力は高まるわけです。

訓練の効果を維持させる秘訣

――「セールス特訓コース」受講後、効果を維持させていくにはどうすればよいのでしょうか?
講師 3種類あると私は捉えております。

 1つ目は、お土産として持って帰っていただく「セールス5則」をただ実行するだけではいけませんので、 上司の方にキチンとフォローしていただきたいのです。状況の報告を求める。もしくは、実行状況についてアドバイスをする。本人任せにするのではなく「セールス5則」の実行状況をチェックしながら、上司の方に是非フォロー、アドバイスをしていただきたい。

 2つ目は、同じ体験をした人の数を増やして欲しいのです。「セールス特訓コース」の場合は全員です。営業マンは個人プレーでその営業マンがどんなに素晴らしいアプローチやクロージングをしていても、他の方はそれを見て勉強するということができないのです。従って、営業マンの方は、全員、私共の訓練を受講していただき、底上げを図っていただきます。

 それから3つ目として、期待していることを形で示していただきたいのです。例えば、何かのリーダーに任命するとか、社長が訓練受講者に特命を出すなど「期待しているから頑張れよ」ということを、形で示すことを行っていただきたいと思っています。

元橋 体験した人の数が少ないと、周りはその人が外で行おうとすることが、全く分からないということがあります。やはり、皆様が同じ体験ができれば一番良いですね。その中でも特にこの点とこの点だけは皆様が必ず同じことを実行しようという、浸透が社内でしっかり行われていれば良いのです。それが「社内フォロー」です。毎日同じことを確認し合うということは大事です。

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訓練が目指す売れる営業とは

――この「セールス特訓コース」が、訓練を通じて目指す、売れる営業とは、どのような方でしょうか?
講師 売れる営業のポイントは2つあります。

 1つ目は、売れるまでとにかく諦めない気合と根性です。営業という職種はやはり泥臭い職種ですから、その泥臭いことをいかに並外れた情熱を持ち、行い続けられるかどうかです。例えば、ある 会社のデータによると、先方に面談していただくまでには5回の訪問が必要だという数値が出ています。そこで、営業マン全員の日報を全部チェックしたら、3回目までは行ったけれども、4回目は行っていない方は75%。4回目までは行ったけど、5回目に行っていない方は80%。5回目まで行った方は20%なのです。4回目までで諦めてしまっている方が80%という数字が出ていました。まずは会うことです。とにかく、会えるまで行き続ける。その気合と執念です。

 2つ目は、陰で一生懸命に努力する。もしくは、自分を磨いている方です。商品知識を勉強したり、トークの勉強をしている方です。人が見ていないところで、一生懸命自分を磨いている。「売れる営業」というのは、突き詰めていきますとこの2つでしょう。気合、執念、根性。あとは、陰で努力し、自分を磨くことが大事です。

元橋 訓練を通じて目指す「売れる営業」とは、やはり「自分が商品」だということを自覚すること。自分に磨きがかかってきた時に売れる営業になるのだと思います。
――自分を磨くとは、先ほど話しに出ました「陰の努力」ですね?
元橋 はい。自分を磨かないと相手は信用してくれません。営業の空気とは、相手が信用してくれるかどうかの問題です。そして、安心感というものが相手に伝わった時、相手は徐々に心を開いてくれるのです。

講師 やはり陰で努力している人は分かりますよ。努力している人は、動きが軽やかで、自信があります。それはやはりお客様から見ても分かるはずです。

元橋 それには自己表現も大事です。従って「笑顔訓練」「インタビュー訓練」と表現力を豊かにする訓練も行っております。

派遣先から期待されていること

――最後になりますが、「セールス特訓コース」に派遣を考えている方は、訓練に対してどのような期待をお持ちになっているのですか?
講師 ポイントは6つあります。

 1つ目は、ヒアリング。キチンとお客様の話を聴けるようにして欲しい、聴く力をつけて欲しい。

 2つ目は、お客様の言いなりになってしまっている。「値引き」と言われたら、すぐに「はい」と言う。要するに「反対克服」ができないのです。自分の言うべきこと、言いたいことが言えない。従って、何とかお客様に言うべきことを言えるようにして欲しい。

 3つ目は、お客様に断られると、すぐ足が遠退いてしまいますので、なんとか2回、3回と通えるようにして欲しい。

 4つ目は、 礼儀やマナーといった、営業の基本をキチンと身につけさせて欲しい。

 5つ目は、営業の幹部として、 部下の手本になるようにして欲しい。

 6つ目は、マンネリになってしまっているため、情熱や向上心をもう一度持ち上げて欲しい。このような6点が多いのが現状です。

元橋 細かいことになりますと、このような具体的な問題点がポイントになりますけど、まずはなんといっても「売れる営業マンにして欲しい」ということが一番の大きな期待です。

講師 はい。やはり結果的には数字が上がらないと。とにかく数字に結びつく形にしなければいけません。それだけに、訓練の効果が数字で出ます。従って、私共は必死です。「セールス特訓コース」は効果があるのか、ないのか。2ヵ月、3ヵ月後の数字でもってすぐに具体的に評価されますので、講師陣は訓練生と同じぐらいに取り組んでいます。

––本日はありがとうございました。

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売り上げ倍増を目指すため、営業力を強化する教育・訓練を行い、短期間でできる営業マン、売れるセールスマンを育成。単なる営業研修・セミナーではなく、営業マンに必要な能力を習得する為の営業研修・セミナーです。

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