研修の狙いと効果を語る 社内の対談をご紹介いたします。
意識の変革を求めてさらに行動をプラスする研修
学生から社会人への意識変革
- ――「Go!フレッシュマン現代の行動学コース」の内容についてお聞きします。
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上村 一言で言うと、学生から社会人への意識の切り替えです。「意識」と「行動」の切り替えへの動機づけをセミナー形式で参加者全員が考えながら行っていきます。
講師として、重きを置くのは「礼儀」「礼節」「人に対する接し方」です。今後、社会人として成長していくために必要な基本部分を十分に学んで頂きたいと思っております。
営業 まずは2泊3日の合宿研修型のセミナーであるということです。少人数制の班単位で研修を進めていきますので、協調性や粘り強さが培われます。そして、コースの特性でもある「学生から社会人への意識の切り替え」ができ、社会人としてのプロ意識を持って頂く基本的なことをキチンと身につけて頂いています。
元橋 新人育成を目的にしたコースですが、社会人としての基本的マナーや心得を研修するセミナーですので、新入社員の方のみならず、中途採用の方、社会人として2、3年を過した一般社員の方、時には管理職の方にも参加して頂いております。
- ――対象者は、来春卒業される高校、専門学校、大学等の新卒の方だけではないのですね?
- 元橋 勿論、新入社員に一番必要性の高いセミナーであることは確かです。学生気分を社会人の気持ちに切り替えることは非常に大切です。しかし、新入社員教育を全く行っていない企業もあります。入社して数年たっても社会人としての基本に迷いのある方もおられると思います。そのような方にも、この「Go!フレッシュマン現代の行動学コース」は非常に有意義だと思います。
当コースが重要視する項目
- ――「Go!フレッシュマン現代の行動学コース」は6つの項目で行われています。「成長の条件」「礼儀の科学」「上司の役割」「要領・けじめの研究」「仕事の受け方・進め方」「電話対応訓練」その中で上村講師が特に重要視しているのはどの項目でしょう?
- 上村 全て重要ですが、この6つの項目については総論と各論という見方にすると分かりやすいと思います。研修全体を総括する意味では「成長の条件」がこの研修で全体像を示す総論の位置づけになります。成長していくためにはどのような要素が必要か。大きく4つの柱を私共は設けております。
①「一般素養、社会常識」
②「人間関係能力」
③「仕事会社での知識」
④「実際に発揮するための能力」
この4つを社会人として成長するために必要な4本の柱「成長の条件」として研修を通じて確認していきます。
- ――そうしますと、あとの5つの項目は各論となりますね。
- 上村 その通りです。仕事に関する知識や能力を具体的に取り上げて学んでいきます。
しかし「要領・けじめの研究」だけは少し位置づけが違います。要領が良い方は効率的だと見られがちですが、効率を優先するために面倒なことを避けがちです。社会人として成長するためには、遠回りに見えても何事にも懸命に取り組むことが大切です。下手な要領は使うべきではありません。
また、けじめを持ち、仕事をするということは、自分自身に責任を持つということです。自分が決めた目標に関して、自己の責任で行っていくということです。社会では、けじめのない人間は責任能力も乏しいと見られてしまいます。
比較の対象となる訓練コースについて
- ――それでは「Go!フレッシュマン現代の行動学コース」と対比する訓練コースは何でしょうか?
- 元橋 「フレッシュマン颯爽研修」が比較の対象になります。
日数も「フレッシュマン颯爽研修」は8日間コースですが「Go!フレッシュマン現代の行動学コース」は3日間と日程も負担が少なくなっています。
営業 「Go!フレッシュマン現代の行動学コース」は私共、独自の「会議式リーディング方式」というものをフルに活用して、まずは新入社員の方に知識面を修得して頂きます。次に行動で表すにはどのようにすれば良いのか、考えてできるようにトレーニングを加えていくコースです。
「フレッシュマン颯爽研修」の訓練に比べると2泊3日と日程は短いですが、一人一人の知識を会得していく過程に講師の指導があり、受講者には明確な変化が生まれるようです。しかし、どんなに講師の方に「これが良いですよ」と言われても、まずはそれをキチンと受け入れて、自分が納得しなければなかなか身につかないものです。
そこで、私共は一方的に発信していくスタイルではなく、質問形式でどんどん発言を促していきます。その積み重ねが大切になります。先ほど上村講師が「けじめ」の重要性についてお話されていましたが、一人一人が自分の口から発した言葉に対してキチンと責任を持つことで、納得感が高まっていきます。そのあたりの手順を上手に取り込んで進めていく研修だと私は捉えています。
元橋 今の説明はコースの説明として非常に分かりやすいと思います。しかし、他コースとの比較となると、トレーニングとセミナーの違いについて言及する必要があるかと思います。
トレーニングとセミナーの違い
- ――その点についてはどのように考えていらっしゃいますか?
- 上村 人間関係において大切なのは「礼儀・礼節」だと考えております。それを習慣化するためには行動を繰り返して行う訓練、つまりトレーニングが大切になります。では、本来ならば8日間で体得して頂きたいことを、より短い時間の中でどのように会得して頂くかと考えると、行動前の「意識の切り替え」と「会議式リーディング方式」で自ら気づき意識を改革する、そして会社に戻り、習慣化して頂くまでがセミナーだと思います。
元橋 「Go!フレッシュマン現代の行動学コース」の場合は知識面を深く掘り下げて、そこから意識の変革を求めて、さらに行動をプラスしようという、短い日数のわりには非常に中身の濃い研修であることだけは確かです。これは少し欲張りです。本当に欲張った訓練ですけれども、時間が取れない方々に対しては、この3日間だけの体験は是非、必要な研修だろうと思います。従って、時間が取れる方々には、やはり8日間の「フレッシュマン颯爽研修」に参加して、ビジネスマンとしての体系を整えたシステムを体験することをお勧めします。これは中身の項目数から言っても全然違いますから、そうしたことの差が出てくると思います。
- ――3日間で習得するとなると受講生も大変ですね。
- 元橋 そうです。しかし、礼儀・礼節の基本態度は学んで頂きたいですね。「挨拶ができる」「良い返事ができる」「キビキビとした行動ができる」このようなことは社会人として最低限の必要条件ですから。
セミナー受講後の効果について
- ――実際にセミナー受講後の効果はどうなのでしょうか?
- 営業 受講後というより、受講中から一日ごとに変化が見えますね。例えば、少しずつ大きな声が出せるようになり、他の人に気遣いができるようになります。
派遣責任者様から、研修に参加して「表情が明るくなった」「元気が出た」というお話を頂きます。研修をやり終えた達成感が、自信につながり顔の表情も変えるのです。
実際に受講された方とお話した時、自分がこんなに大きな声が出せたので驚いたとおしゃってました。自分の意思を相手に伝えるためには、態度・姿勢が大切だと身を持って体験できて、参加して良かったとおっしゃっていました。
- ――嬉しい言葉ですね。
- 営業 社会人として、一番大事な基礎的な部分を築いて頂くお手伝いを私共はこの3日間で行っているのだなというのは実感として強く感じます。
元橋 そうですね。小さな声でぼそぼそ話していた方が、研修を受けることにより非常にハキハキと自分の考えを伝えるようになります。そのようにハキハキと話し、キビキビとした動作全てが良い形での挨拶につながり、同じ研修を受けた方同士に一体性が出てきます。チームワークが良く取れるようになるのです。例えば、セミナー終了後、会社の色々な行事に対してセミナー体験者達が集中して取り組み、非常に力強い仲間の輪ができます。ひとつの目的に向かって推進していく力にもなりますね。
- ――受講された方が同じ価値観を共有できるということでしょうか?
- 上村 価値観もそうですが、共通体験も大きいと思います。セミナーの最後に団体審査を行いますが、一人でも手抜きをすると全員が不合格になります。全員でより高いところ、より一生懸命なレベルを目指すためには、踏み込んだ人間関係を作らなければなりません。2、3時間という短い時間ですが、本気でコミュニケーションを図り必死に頑張ると、私共から「合格」という形で評価を得た時、受講生から自然と涙があふれることもあります。「達成感」と「一体感」この二つの要素が絡み合い心に残るのです。
- ――素晴らしい体験ですね。
- 上村 そうです。その体験が、今後のビジネスシーンの根底を支えるベースになると思います。
居心地のよい人間関係をつくるために
セミナーの効果を維持するためには
- ――それでは「Go!フレッシュマン現代の行動学コース」受講後の効果を維持していくためにはどうすれば良いのでしょうか。
- 上村 新入社員の場合、春先の研修から三ヶ月後内に、あるいは半年後、一年という形でのフォローアップが必要かと思います。入社して三ヶ月、半年の過ごした時間がございますから、入社前と現状の比較ができますし、同じテーマを行っても全く違う答えが出ます。フォローアップとして一日でも結構ですから、受講生を集めて企業様で時間を頂けると嬉しいですね。訓練の思い出しと効果的なステップアップができると考えております。
元橋 フォロー研修という形を数ヶ月後に行えるよう、始めから計画を立てスケジュールを組んで頂くと一番良いですね。
- ――営業さんはいかがでしょうか?
- 営業 私も上村講師がおっしゃったように、対象者、新入社員の方々に対しては「半年長くても一年以内のフォローアップ研修の機会を是非与えてあげてください」と派遣責任者様にはお話をします。
新入社員研修を導入する、もしくは採用して頂くにあたっては「実際に職場では受け入れ態勢がどうなっていますか」ということもまずお聞きしています。新入社員の方に対して、お世話係のような先輩社員をある程度の期間、専属にマンツーマンで指導していくという企業様も増えているのですが、果たしてその方々がキチンと基本的なことができていらっしゃるのか、もしくは、その部門の上司・先輩がキチンとフォローできる状況なのかどうかというのもをお伺いするわけです。
というのも新入社員研修の時間と予算を組んで頂いても、受け入れ態勢がある程度整っていなければ、せっかく習得したものを持続していくのが難しい面もあるからです。
効果を維持するための環境づくり
- ――効果の維持には周りの環境も大切なのですね。
- 元橋 これはどの研修にも言えることですね。
上村 先日、デモンストレーションセミナーで実際に「Go!フレッシュマン現代の行動学コース」を担当させて頂いた時に、ある企業の社長が「これを新入社員が受講すると戻ってきた時に会社の中で反発を生む」とおしゃっていました。新入社員にこれを参加させるなら、その前にまず 管理職から行わなければいけない。やはり、社長さんのクラスが物事の本質をキチンと見抜かれると思います。
元橋 これも色々なところでお話しているテーマです。新入社員教育を行った後、それを職場でどのように活かしていくかというのは、もう社内の受け入れ側の問題です。管理職から順番に基本体験が、基本的な部分だけでもできていれば会社は目覚しく成長します。教育は新入社員だけでいいとする考え方は間違っていると思います。従って「受け皿はできていますか」というのは、当然、私共から声をかけなければならない点です。新入社員育成には「受け皿教育」が大切なのです。短い日数の出張研修でも良いですし、管理職の方々が 基本的な礼儀訓練、挨拶訓練をキチンと行って頂くと、それだけで新入社員がとても行いやすくなる。職場が活性化されるのです。
これまでの受講者の傾向
- ――さて、これまでセミナーを受講される方をご覧になり、傾向などはございますか?
- 上村 そうですね。「嫌いな人はいない」とおっしゃる方が増えているように思えます。特に大卒の方に多いですね。
- ――それは、どういうことでしょう?
- 上村 親しくなりたいなと、あるいは親しい人という人はいるのですが、その相対するのは普通であれば「嫌い」ということで、あるいは「親しくなれそうにない」という感覚なのですが、今は「嫌い」がなくて「どうでもいい」になっているのです。自分とは親しくなれそうもない人に、無関心ですね。研修中、同じ会社の方々同士の内輪で話しをしても、18、9歳の方に自らの意思で声をかけて寄っていくということをしない。それでいて「自分に合う人とはピッタリ合うんだ。嫌いな人はいない。だから、自分は人間関係能力があるのだ」という結論に至る方が多く見られました。
- ――合わない人を切り捨てることが円滑な人間関係だと勘違いしているのですね。
- 上村 つまり、親しい人とはよく話をするのですが、そうではない人とは極端に話をしないですね。
元橋 現代の子どもたちは兄弟も少ないし、家庭の中でも学校の中でも人間関係を学ぶ機会が少ないですね。人間教育の基本をキチンと身につけていない方というのは、職場で人間関係が崩れるのです。これは 対人関係の基本をおろそかに子どもを育ててしまった代償だと思います。従って「おはようございます」「宜しくお願いします」「ありがとうございます」「はい、かしこまりました」というような基本的なアクションが体験できるだけで、社会人として立派に成長していく糸口が見出されるのです。
上村 仕事に関して責任感のある新入社員の方も、集団の中に入った時に「お互い様」という簡単な関係に気づかなくて自分一人で全てを背負って潰れてしまう。自分が未熟であることにプライドが邪魔して職場での人間関係が築けないのです。
- ――日常生活でコミュニケーション能力を鍛えてこなかったということでしょうか?
- 元橋 そう思います。子どもの頃に間違ったことをしたら、叱られたとか、注意してくれる人がいたとか、そういう体験が最近の若い方にはないですね。職場で上司からピシッとやられるとすぐに「じゃあ、辞めます」と。辞めれば解決すると短絡的に思ってしまう。一番楽な、安易な解決法を求めすぎる人が増えているように思います。
セミナー受講後の理想形
- ――上村講師は、セミナー受講後、受講された方がどのように変化して頂きたいという理想形はございますか?
- 上村 セミナーの6つの柱の一つ「成長の条件」のテーマとつながるのですが、やはりまずは自分自身を「まだだな」「できていないな」と認識して頂きたいのです。そして、自分自身の理想像や目標、あるべき姿としての自分の成長や将来のイメージを高く持って頂きたいです。これだけできるという自分に満足するのではなく「まだまだだ」と思うこと。その思考に切り替えてこそ、そこからの伸びしろとして可能性があります。自らを厳しく見つめ、高い理想を目指すことが自分の向上心につながる、そんな前向きな思考に切り替えて頂きたいですね。
派遣責任者様から受ける要望とは
- ――最後に「Go!フレッシュマン現代の行動学コース」に派遣を考えている派遣責任者様からはどのような要望が多いのでしょうか?
- 営業 やはり、どこに出しても恥ずかしくない基本的なことをキチンと身につけて欲しいとおっしゃいます。「ビジネスマナーというよりしつけて欲しい」とハッキリと表現されるお客様も実は非常に多くいらっしゃいますね。それから、新入社員の方々が一番不安に感じていることはお客様や電話の対応です。今は家庭でお客様にお茶を出すという機会も少なくなり、中には携帯電話の普及で、家の電話にかかってくる見ず知らずの人とやりとりする経験が全くない方も珍しくありません。とにかく、本当にできて当たり前のことを教えて欲しいという要望が非常に多いですね。
元橋 皆様そうだと思います。特に新入社員を私共の研修コースに出そうという 企業様は初めから「新人は何もできていないのだ」ということは分かっていらっしゃいます。
上村 講師の立場から言わせて頂くと、新入社員の方に社会に出て働くとは何かという動機づけをすることは、企業にとっても得るものが大きいと思いますね。
元橋 実際に入社した新入社員が簡単に会社を辞めてしまう、あるいは定着率が非常に良くないなどのケースは、一般企業にたくさんあるわけです。私は「基本的な教育をすることによりかなり解消できます」ということをいつも言っております。基本的な教育とは「礼儀、挨拶」なのです。「おはようございます」「宜しくお願いします」と言えるような訓練を最初にしておくと、それだけで会う人、見る人に「こんにちは」「宜しくお願いします」と言えるようになります。心を開いて声が出れば、それはもう居心地が良い人間関係ができるわけです。
従って、職場に定着する。結局、基本教育がキチンとできている会社というのは新入社員の定着率が大変良いです。私共のお客様は全国にたくさんおりますけれども、そのお客様の中で私もよく訪問する企業で定着率を心配して聞きますけれども、大半は「良くなってとても喜んでいます」という言葉を聞きますね。
- ――礼儀を知ることで、自信が持てるようになるのですね。
- 元橋 そうです。仕事の基本は人間関係の自信なのです。パソコンとは関係ができているけど、人が相手だとどう対応していいか分らない新入社員が多くなっています。
上司に「どうしてる?少し仕事慣れたかい?」なんて言われても「どうしよう…」素直に何でも思っていることがパッと言えないのです。「そんなことが言えないぐらいだったら少し慣れればいいよ」と周りには映っても、それが大きなプレッシャーになって、次の日に会社に行くのに気が重くなる。「どうしよう。今日もまた何か聞かれたらどうしよう」そのうち「やっぱり自分には無理だな」と結論を出してしまいます。従って、やはり人間関係能力を高めるということは非常に大事なことなのです。
––本日はありがとうございました。
【GO!フレッシュマン現代の行動学】
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