チェンジリーダーとは?企業変革を導くために求められる能力と育成・研修の重要性

更新日:2025年11月20日(木)

チェンジリーダーとは?企業変革を導くために求められる能力と育成・研修の重要性

企業を取り巻く環境が激しく変化している現代社会。この変化を機会と捉え、組織を導き、新たな価値を創造する存在こそが「チェンジリーダー」です。変革の波に乗り遅れないため、すべての企業にその存在が求められています。

本記事では、チェンジリーダーの定義から、求められる役割や能力、そして潜在能力を開花させるための育成・研修のポイントまでを徹底的に解説していきます。

▼この記事でわかること

  • 現代の変化に対応するには、変化を恐れず挑戦する“チェンジリーダー”の存在が不可欠
  • チェンジリーダーの役割は、廃棄と改善・新しい芽の育成・イノベーション推進の3つに集約される
  • 必要な能力は、状況把握力・ビジョン構築力・情熱と品格の3つが柱となる
  • 経済・技術・人口構造など社会変化をチャンスに変える視点が求められる
  • 組織変革を成功させるには、体系的な研修によるチェンジリーダー育成が重要

チェンジリーダーとは

チェンジリーダーの必要性を唱えた一人にP・F・ドラッカーがいます。ドラッカーは、その著書『明日を支配するもの』の中で、チェンジリーダーを次のように定義しています。

「チェンジリーダーとは、変化を機会としてとらえる者のことである。変化を求め、機会とすべき変化を識別し、それらの変化を意味あるものとする者である。」

変化の時代というのは、チャンスをもたらす時代でもあります。ただし、そのチャンスを享受するには条件があります。有能なチェンジリーダーに率いられた組織があるということです。

現代においては変化というのは常態です。変化はリスクにあふれていて楽ではなく、悪戦苦闘をさせられるからです。しかし、この変化に果敢に立ち向かい自ら変革の担い手になるチェンジリーダーが求められています。近代進化論の祖であるチャールズ・ダーウィンはこう言っています。

「最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き残るのでもない。唯一生き残ることができるのは変化できる者である。」

チェンジリーダーが行うべき主要な三つの仕事として次のものが挙げられます。

あらゆる分野で廃棄と改善を進める

製品、サービス、プロセス、顧客、用途など事業に関わるあらゆることについて根本から点検し、廃棄すべきものは思い切って捨てるという意思決定を行います。さらに改善すべき事項を見つけ出し、改善をし続けることが重要であります。

次世代の新しい芽を見つけ育てる

組織における問題点だけでなく、次世代に向けて新しい芽となるものをいち早く発見し、育てていかなければなりません。売上や利益で予想以上の成果があがりつつあるものや、研究開発や顧客情報で成長の可能性のある芽を発見し、その詳細な要因を探り、事業拡大の可能性のあるものについて検討し、実行に移していきます。

組織の隅々にまでイノベーションを可能にする

組織の隅々に至るまで、小さなイノベーションを可能にするような仕組みを作り、実践していきます。いきなり大きなイノベーションを起こすのではなく、パイロットスタディで試してみることも成功への確率を高めることになります。

チェンジリーダーの必要性

チェンジリーダーが求められる背景には、経済・社会を取り巻く次のような構造変化の状況があります。

技術革新のスピードアップ

技術革新、とりわけIT化の波はあらゆる産業に変化を求めるものとなっています。チェンジリーダーはITが及ぼすさまざまな影響と対応策を考えなければなりません。技術状況の把握に関しては社内情報とともに社外の情報を得ることが必要なことは言うまでもないことです。

国際競争の激化

製造業でいうならば、研究開発拠点に始まって、製造現場、販売先、調達先、間接部門の立地など至るまで、国内で完結するという従来の常識から離れて、グローバルな視点で調整をしていくことが重要です。こうした国際競争・グローバル化を牽引するチェンジリーダーが求められています。

人口構造の変化

先進各国においては少子高齢化が進んでいます。これは市場として、事業運営として見た時に大きな影響を及ぼす構造変化です。この事態からチャンスの芽をチェンジリーダーは見つけ出していかなければなりません。

上記の掲げた代表的な構造変化により、日本企業においてはさまざまな産業のライフサイクルが成熟化しつつあります。企業としては、既存顧客との関係を深めていき、新商品や新サービスの開発によって顧客に新たな提案を行うことで需要開拓を行っていかなければなりません。それと同時に、既存顧客だけでなく新規顧客の開拓や、海外進出により取引の拡大を図っていかなければなりません。この課題にチェンジリーダーは挑戦をしていくという役割を担うことになります。

チェンジリーダーの必要能力

経済・社会の急激な構造変化の中で、チェンジリーダーは変化を機会としてとらえて組織をリードしていかなければなりません。ここで求められるチェンジリーダーの能力は次の三つに集約できます。

状況把握能力

自らが関わる組織のさまざまな分野について現状を把握し、問題点を洗い出し、新しい成長の芽を見つける能力が必要です。それには業務に関する深い経験と知識だけでなく、全く別の視点から改善と改革のアイデアを打ち出す能力が求められます。謙虚に組織内外の各層の意見を聴き出し、整理し、助言を与える能力を指します。

ビジョンとコンセプトの構築能力

組織が過去の延長線上に動いていくのではなく、構造変化の中で新しい方向に向かう必要性を説くために、どこに向かうべきなのか、なぜその方向に向かうのかを理由づけ、整理し、意味あるコンセプトとしてまとめ上げる能力が必要です。さらに、そのことをわかりやすく組織構成員や外部関係者に自らの言葉で説明するコミュニケーション能力が求められることになります。

情熱・豪胆さと品格

ビジョンやコンセプトを誰よりも情熱をもって実践に移し、豪胆さをもって廃棄と改善を行い、品格を保ちつつ組織の信用を勝ち取る力をチェンジリーダーは持たなければなりません。

組織のトップ自体がチェンジリーダーにならなくてはいけないのは言うまでもないが、その組織の各部門においてもトップの支援のもとでチェンジリーダーが配置されなければなりません。誰でもチェンジリーダーになりうる潜在力は有しているのです。その潜在力を顕在化させる工夫を組織の中で実践していかなければなりません。チェンジリーダー育成のために時間をかけて投資という意識で、社内や社外で教育の場を設けていくことが必要です。

特に、前述した3つの能力は、体系的かつ継続的なプログラムによって初めて磨かれます。変化を乗りこなし、組織を牽引するリーダーのマインドセットとスキルを効率的に習得するには、外部の専門機関による研修の活用が最も効果的なのです。

チェンジリーダーを育成!社員教育研究所おすすめ研修

ここでは、チェンジリーダーを育成するために効果的な社員教育研究所の研修を一部ご紹介します。

情熱コース

中堅社員を対象とした合宿研修です。自らを振り返り、組織への貢献意識を高め、リーダーシップを強化することを目指します。管理職を志向しない層の意欲も引き出し、企業変革の原動力となる中堅社員の熱意と行動力を育みます。

「情熱コース」の詳細はこちら

ハイブリッド・リーダー研修

管理職・リーダー候補向けに“意識改革”に特化した研修です。従来の管理職研修ではカバーしきれない「変化を機会と捉え、組織を牽引するマインド」を養成。チェンジリーダーに不可欠な高い意識と実行力を集中的に鍛えます。

「ハイブリッド・リーダー研修」の詳細はこちら

組織力向上研修

変化の激しい環境で、組織全体を変革のムードに乗せるチェンジリーダーには、個人のスキルだけでなく“組織の仕組みづくり”も必須なため、まさに育成に適した研修です。

「組織力向上研修」の詳細はこちら

リーダーの戦略。

「問題発見・解決力」と「目標達成・管理力」の2大スキルを体系的に鍛えます。実際の業務課題をもとに目標設定から成果創出までを体系的に学びます

「リーダーの戦略」の詳細はこちら

その他の社員教育研究所研修はこちら

チェンジリーダー育成が企業の未来を左右する

チェンジリーダーは、激動の時代において変化を機会に変え、組織を持続的に成長させるための鍵となる存在です。その育成には、本記事で解説した通り、体系的な能力開発と教育への「投資」が不可欠です。

組織の未来を託す社員の潜在能力を最大限に引き出し、企業変革を成功に導く社員教育(研修)なら、実績豊富な社員教育研究所にぜひお任せください。

FAQ

チェンジリーダーとは何ですか?

チェンジリーダーは現状維持ではなく「変化を機会」としてとらえ、組織を新たな方向に導くリーダーです。変革を推進する点が特徴です。

チェンジリーダーに最も必要な能力は?

状況を正確に把握し、未来へのビジョンを明確に描ける力です。加えて、情熱と品格をもって実践する姿勢が欠かせません。

チェンジリーダーはどのように育成できますか?

潜在能力を持つ社員に対し、時間をかけた「投資」という意識で、上記3つの能力を磨くための体系的かつ継続的なプログラムや外部専門機関による研修を活用することが効果的です。



この記事の監修者

株式会社 社員教育研究所 編集部

株式会社社員教育研究所 編集部

1967年に設立した老舗の社員研修会社。自社で研修施設も保有し、新入社員から経営者まで50年以上教育を行ってきた実績がある。30万以上の修了生を輩出している管理者養成基礎コースは2021年3月に1000期を迎え、今もなお愛され続けている。この他にも様々なお客様からのご要望にお応えできるよう、オンライン研修やカスタマイズ研修、英会話、子供の教育など様々な形で研修を展開している。

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