新卒研修の内容はどうする?気を付けるべきこととは?

カテゴリ:新入社員研修セールス・営業力研修

更新日:2025年10月20日(月)

新卒研修の内容はどうする?気を付けるべきこととは?

毎年開催される新卒研修。恒例とは言え、内容について頭を悩ませることも多いのではないでしょうか。単にスキルアップを目指すだけではなく、初めて顔を合わせた面々とコミュニケーションをとりながら社風を掴むためには、どういった点に注意してプログラムを組み立てたらよいのでしょうか。

春は出会いの季節と言われています。大学を卒業したばかりの新社会人の入社を楽しみにしている方もいらっしゃるでしょう。一方で、研修担当の方にとってはやや気が重いと感じる季節かもしれません。

毎年さまざまな研修を企画実施しているけれど、いまひとつ好評価が得られないと悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。どうしたら研修期間を有意義に過ごせるか、新入社員の求める研修を行えるかは人事担当者の誰もが抱える悩みです。今回は研修の内容を考えるにあたって大切なことを紹介していきます。

▼この記事でわかること

  • 新卒研修は新入社員のニーズに合った内容が重要。受講者の意見を取り入れる場を設ける効果的
  • 研修は育成の目的を明確にし、実務に直結する内容にすることが必要
  • 個々の適性や研修への馴染み具合に応じてフォローや選択肢を用意すべき
  • 研修は新人だけでなく、先輩社員や会社全体で支える体制を整えることも重要
  • 新卒研修担当者向けの研修や専門機関との連携により、より実践的かつ効果的な研修設計が可能

新卒社員の研修内容を決める際に意識したいこと

はじめに、新卒社員の研修内容を決める際に意識したいことを、以下の4つの視点で見ていきます。

  • その研修は新卒社員が求めていることなのか?
  • その研修で人材が育成できるか?
  • 新入社員それぞれの適性を見極めながら対応しよう
  • いかに会社が一丸になって研修を行えるか

その新卒研修は社員が求めていることなのか?

まず新人研修に大切なことは、ニーズに合っているかということです。会社の方針にもよるでしょうが、研修はそれなりの期間を取って実施されることがほとんどです。本来なら会社で実務に充てるべき時間を割いて研修を行わなくてはいけません。そんな中で最近の新人社員は、研修に際してネガティブなイメージを抱いていることも少なくないのです。

確かに楽しい取り組みが行われているけれど、本当に仕事に役立つのだろうか、と疑問を抱くこともあるようです。研修で時間を過ごしているくらいなら、仕事をしていた方がよかった、と思われるようではいけません。

また、時には研修期間中に会社の方針に疑問を感じ、退社を考える新人社員もいます。そうした事態を防ぐためにも、まずは新人社員が何を会社に求めているのかを調査することが欠かせません。

たとえば新入社員を集めて研修の内容をプレゼンテーションしつつ、修正すべきところなどをコメントしてほしい、という、受講側の意見を取り入れるためのミーティングを設定するのも一案です。こうした場を通して新入社員とのコミュニケーションを図ることができますし、自由に意見が言える会社であるという印象を与えることにもつながります。

その他、採用担当の社員と話し合って、今年度の新入社員の傾向などを聞き、プログラムの相談をしてみるのもいいでしょう。新入社員についてその時点で一番知見を持っているのは、採用担当者です。意見はさまざまな方面から聞くようにすべきです。

また、新入社員だけでなく、時には経営陣とも議論することが必要になるでしょう。新入社員にとって受けのよい研修が、必ずしも経営に役立つものとは限らないからです。よかれと思って企画した研修内容が、実は経営面では役立つものでなかった、というのでは本末転倒です。研修プログラムを組み立てた時点で、資料を経営陣に見せて対応するのもひとつの手でしょう。

その研修で人材が育成できるか?

そもそも何のために研修を行うかと言えば、新入社員が会社に馴染めるようにするためです。研修を通して、会社の求めるスキルの向上や、社員同士のコミュニケーションを活発に取ることで、実務に役立てたりと、目的はさまざまです。いずれにせよ研修を通して社員の成長を見込めるようでなければ、わざわざ実施する意味はないでしょう。従って、この研修によってどういうスキルが身に付くかを明確にする必要があります。

もっとも、限られた研修期間で会社が想定するスキルを獲得できるはずはありません。中には研修途中で求められるスキルの高さに臆し、モチベーションを下げてしまう社員も出てくるでしょう。そのため、研修でできることは限られていると見極めることも時には大切になります。社員に求めるスキルアップを最小限に設定しつつ、もしついていけない社員がいたら、フォローすることも必要になるでしょう。研修で行うことは地固めであって、それ以降のスキル向上は仕事をしながら行ってもらうという方針でも十分です。

新入社員それぞれの適性を見極めながら対応しよう

新人研修は、会社が企画する研修をすべての新入社員が一緒に行う場合がほとんどです。しかしながら、中には研修に馴染めず徐々に遅れてしまう社員も少なくありません。それによって離職率が増えるというケースもあるのです。

そこで、こうした状況を防ぐためには個別に面談を行うようにしましょう。研修に対して不安がないか、改善してもらいたいところはないかということを話し合うことで、状況が分かり問題点が明確になります。同時に、研修期間中にどういったサポートを行えばいいかも明らかになってくるでしょう。

また、研修内容をふたつに分けて用意するというのも改善策のひとつです。一方はスキル重視の研修、もう一方はコミュニケーション重視の研修、と設定することで差別化もできるでしょう。もちろん費用の問題などでこうした対応が行えない企業もあるでしょう。その際は事前にふたつの選択肢を用意し、どちらに参加したいかアンケートを行い、多数派の案を採用することで、より社員の求める研修を行えるようになります。

いかに会社が一丸になって研修を行えるか

最後に気を付けるべきことは、新人社員以外の研修に対する参加意識です。新人研修を実施するにあたり、新人だけで研修を行うか、先輩社員も参加して研修を行うかという点で会社の方針が分かれる傾向にあります。確かに新人だけで研修を行えば、新入社員同士の連帯意識は強まるでしょう。しかし、その一方で特定の集団の連帯意識だけが強まっても、他の社員とのコミュニケーションは補えない欠点があります。

研修を終え、改めて出社したとき、それまで過ごした時間とのギャップを感じてしまい、うまく会社に馴染めないのでは意味がありません。そのため、研修はできる限り先輩社員も参加しながら実施するのが望ましいでしょう。

しかし、研修中は業務が停止されますから、経営にリスクが生じることは避けられません。そのため、こうしたリスクを補って余りある研修を行えるかは重要になります。

もし先輩社員の長期間の参加が難しいのなら、新人が企画するイベントに先輩社員が観衆として参加することもひとつのアイディアです。そうすれば互いの人となりを知ることにもつながりますから、研修期間以後のコミュニケーションも円滑になるでしょう。

会社全体で研修をバックアップする際に何よりも求められるのは、連帯意識を持てるようになることです。研修を通して各々のモチベーションが高まれば、全体の生産性も上がっていくようになるでしょう。いかにしてこうした研修を行えるかを決めるのも研修課の役割なのです。

研修内容を考えるための研修も行われている?

ここまで研修の企画にあたり気を付けるべき点を紹介してきました。もっとも、一人または少人数で研修の資料を作るのは大変なことでしょう。「自分ではよい企画ができたつもりだけど、本当に受講者に役立ち喜んでもらえるだろうか」と不安になってくることもあるはずです。

誰かに相談しながらこの研修はどうか、ということを考えるのも大切になってきます。近年ではどうしたらよい研修を行えるかを議論するためのセミナーなども行われています。そうした講座に参加しながら、じっくりと時間をかけて企画を組み立てれば、きっと実りある研修が企画できるようになるでしょう。

【厳選】新卒研修担当者の受講をおすすめ!社員教育研究所の3つの研修

新卒研修を担当する方にとって、指導力やコミュニケーション力は欠かせません。そこで、研修担当者向けのプログラムや専門機関との連携を活用することで、より実践的かつ効果的な研修設計が可能となり、新入社員の成長をしっかりサポートできます。
ここでは、社員教育研究所が提供する研修の中から、新卒研修担当者に特におすすめの3つのコースを厳選してご紹介します。

指導力開発訓練

リーダーとしての本質と部下や後輩を効果的に育てるための指導力を徹底的に鍛え上げます。「仕事の正しい与え方」や「やる気を引き出す褒め方・注意の仕方」を、ロールプレイングを通じて実践的に習得できます。反発や反抗に臆せず、粘り強く説得し、成長に導く指導者としての自信を養いたい担当者におすすめです。

「指導力開発訓練」の詳細はこちら

リーダーの条件

リーダーとして必要な判断力・問題解決力・コミュニケーション力を重点的に学ぶ研修です。自分の強み・弱みを振り返り、部下やチームメンバーのやる気を引き出す方法を実践的に習得します。

新卒研修の現場で即戦力となるリーダー像を理解し、育成計画に活かせます。

「リーダーの条件」の詳細はこちら

MMS ヒューマンスキルコース

部下育成指導力とCS(顧客満足)向上関係力という、新卒育成とお客様対応の双方に不可欠なヒューマンスキルを磨きます

部下のやる気を引き出す指示・フィードバック法や、顧客対応の基本スキルをロールプレイングで学習。新卒研修担当者が、実践的なコミュニケーション力と信頼関係構築力を効率的に身に付けることができます。

「MMS ヒューマンスキルコース」の詳細はこちら

新卒研修の内容を工夫して、成長のスタートラインに!

新卒研修は、単にスキルを教える場ではなく、新入社員が会社に馴染み、成長のスタートラインに立つための重要な機会です。そのためには、新人のニーズや適性を丁寧に把握し、実務に役立つ内容を見極めること、さらに研修を会社全体で支える体制を整えることが欠かせません。

また、研修の企画や運営は、経験豊富な専門機関と連携することで、より実践的かつ効果的に進められます。新卒研修の設計・運用でお悩みの際は、まずは「社員教育研究所」にご相談ください。最適な研修プランをご提案し、社員の成長をしっかりサポートいたします。

FAQ

新卒研修の内容を決める際に、特に意識すべきことは何ですか?

新入社員が研修に何を求めているかというニーズの把握、研修による人材育成の明確な目標設定、個別適性に合わせた対応、会社全体で一丸となって行う体制づくりの4つの視点が大切です。

新卒社員のモチベーションを下げないためには、どのような点に配慮すべきですか?

研修が地固めであることを伝えることや、求められるスキルに臆している社員へのきめ細かなフォローが必要です。また、個別面談や研修内容の選択肢提供で不安を取り除くことも重要です。

研修を会社全体で支えるメリットは何ですか?

新人だけでなく先輩社員も関わることで連帯意識が高まり、研修後のコミュニケーションや業務適応がスムーズになります。



この記事の監修者

株式会社 社員教育研究所 編集部

株式会社社員教育研究所 編集部

1967年に設立した老舗の社員研修会社。自社で研修施設も保有し、新入社員から経営者まで50年以上教育を行ってきた実績がある。30万以上の修了生を輩出している管理者養成基礎コースは2021年3月に1000期を迎え、今もなお愛され続けている。この他にも様々なお客様からのご要望にお応えできるよう、オンライン研修やカスタマイズ研修、英会話、子供の教育など様々な形で研修を展開している。

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