管理職が絶対にしてはならない4つのこと
更新日:2026年02月27日(金)

管理職になると、上司からの指示や指令に加えて、部下を持つことによって下からも圧力がかかる、まさにサンドウィッチ状態になってしまいがちです。管理職は良く言えば上と下との橋渡しを担う役割として責任の伴うやりがいのある仕事ですが、悪く言うと圧力で押し潰されてしまいやすくストレスも多い役どころと言えます。部下への気遣いも忘れてはならず、人間関係も難しくなりがちです。
では、管理職として部下に行ってはならない言動とは、具体的にどのような言動なのでしょうか。責任ある立場の管理職が避けるべきなのは、以下のような言動だと言えます。
- 【部下に責任を押し付けること】責任逃れとなり、部下の信頼を損なう
- 【理不尽な叱り方】自分の論理の押し付けになり、部下の信頼を損なう
- 【不明瞭な指示】部下の失敗や理不尽な叱り方をもたらす
- 【言動の不一致】部下の混乱や不信感の原因となる
具体的に見ていきましょう。
責任の押し付け
まず管理職として取ってはならない言動は、責任の押し付けです。仕事のミスは自身の評価にもつながるため、できれば自分のミスということは強調せずに事を終わらせてしまいたいと考えてしまうものです。しかし責任を部下に押し付けてしまうのは明らかな責任放棄であり、部下からの信頼を損なうきっかけとなります。責任逃れはやめましょう。
例えば部下の一人がミスをおかしたとします。その責任の一部は確かに張本人にあるものの、監督不行き届きとして上司である管理職の人にも責任はあります。このとき「おまえのせいで…」と自分の非を認めず叱責してしまうのはいけません。責任範囲の認識が不足しており、上司としての責任感がないと受け取られてしまいます。
大切なのはミスで開いてしまった穴をいかに埋められるか、ということになるので、建設的な改善策を模索できるように話し合いをしていく必要があります。部下の能力を信頼しているのであれば、なおさら傷口に塩を塗るような叱責は必要ありません。部下が失敗を失敗として認識して自分で反省しているのであれば、余計な注意はしない方が信頼をより厚いものにすることができるでしょう。
理不尽な叱り方
次に、理不尽な叱り方は部下からの信頼をなくしてしまう原因となるので注意したいところです。論理的に考えてどちらが悪いかを明確にしなければならないという考え方は、人間関係においてはあまりよろしくありません。人付き合いの中には曖昧な方が上手くいくこともある、ということを覚えておくべきだと言えるでしょう。
理不尽な叱責がなぜ理不尽になってしまうのかと言えば、それは上司という権限を利用して自身の考える身勝手な論理を相手に押し付けてしまうことに起因しています。
自分の考え方に異を唱えていることに腹が立ってしまうこともありますが、相手には相手の考え方があるものです。完璧に理解できないまでも両者の歩み寄りをしていくことが円滑に仕事をしていく上では必要不可欠となり、そのためにはコミュニケーションをしっかりと取っていかなければなりません。
場合によってはパワハラなどハラスメントと受け取られたりうつ病など労災や部下の退職の原因となったりして、法律上の責任を問われる可能性もあります。無理な量の業務を命じておいてサービス残業させるなどもってのほかです。重い責任を負うことになります。部下を持つ管理職ともなれば、自分の言動を客観視する能力や、部下との信頼関係を醸成する能力も求められるというわけですね。
不明瞭な指示
管理職の人はでき得る限り不明瞭な指示を避けるようにする必要があります。不明瞭な指示は誤解を招くだけでなく、仕事上の失敗の原因になることにもつながるためです。さらに不明瞭な指示をしてしまうと、何よりも上記で解説した理不尽な叱責にもつながるため、あらかじめ芽を摘んでかなければなりません。
自分では的確な指示が出せたと満足していたとしても、部下には考えが伝わりきっていなかったという話はよくあります。そうした場合でも、部下が失敗してしまうと「なぜそんなことも分からないんだ」と叱責してしまいがちです。部下からしてみれば、なぜ叱責されなければならないのか理解できず、不満が募るばかりです。よって、元凶とも言える不明瞭な指示は避け、できるだけ単純明快に、誰にでも分かるように説明を加えるべきなのです。
言動の不一致
最後に言動の不一致についてです。これは人として信頼を損なうことになるため言わずもがなかもしれませんが、案外できていない人が多いのも事実です。例えば管理職として失敗をしたくない、逃げ道を用意しておきたいから不明瞭な指示を出す、その指示を誤認識した部下が失敗をおかす、管理職の人が部下を叱責する、この一連の流れは上司として信頼を失ってしまう王道のパターンと言えます。
加えて、中には管理職の更に上の立場の人間に対しては良く見られるために良い顔をしておき、部下に対しては全く別の顔というような人もいます。このように仮面を常に付け変えて行動をしているような人は、それは信頼をなくして当然です。言っていることとしていることの違いが著しいと、部下としても言葉と行動のどちらを信頼して良いか分からず、また不明瞭な指示から負の連鎖に陥ってしまうことにもつながるため注意が必要となります。
理想の上司像とは?
部下から見た理想の上司とは、信頼に足る人物で思いやりがあり、パートナーとして仕事を上手に回してくれる人物です。企業として成果を上げることが大きな目標となり、その次に自分がいる部の目標が、更に次には個人個人の目標があるものです。理想の上司とはそれぞれの目標を明確に部下に伝えることができ、部下達の士気を高めてやる気を引き出してくれる人物と言うことができます。
管理職としてしてはならないことは、たいていこの道から逸れた言動をすることなので、現在管理職の方は、まずは土台である目標から再確認していくことをお勧めします。
理想の上司像を理解していても、現実の職場では思うように振る舞えず、結果として責任逃れにつながってしまう管理職も少なくありません。なぜ管理職は責任逃れをしてしまうのか、その背景と組織に与える影響について、もう少し掘り下げて見ていきましょう。
管理職が責任逃れをしてしまう心理的背景
評価や立場を守ろうとする意識
管理職が責任逃れをしてしまう背景には、自身の評価や立場を守りたいという心理が大きく影響しています。管理職は成果だけでなく失敗も可視化されやすく、一度のミスが昇進や信頼に影響することもあります。
その結果、本来向き合うべき課題よりも自己防衛を優先し、部下や環境のせいにしてしまうケースが生まれます。しかしこの姿勢は短期的には身を守れても、長期的には「管理職としてしてはならない行動」として組織全体の信頼を損なう原因になります。
責任の所在を曖昧にする文化
個人ではなく組織文化として責任の所在が曖昧な場合、管理職の責任逃れはより起こりやすくなります。従来のやり方に固執する文化や空気を読むことが優先される職場では、誰が判断したのかが不明確になりがちです。
その中で管理職が率先して責任を取らない姿勢を見せると、部下も同様に責任回避に走り、ミスの本質的な改善が行われなくなります。管理職がしてはならないのは、この悪循環を黙認することです。
責任逃れが組織全体に与える悪影響
部下の主体性と成長意欲を奪ってしまう
管理職が責任逃れをする職場では、部下は挑戦することを避けるようになります。失敗した際に守ってもらえない、もしくは責任を押し付けられると分かっていれば、無難な選択しかしなくなるのは当然です。
その結果、部下の成長スピードは鈍化し、組織全体の生産性も下がっていきます。管理職がしてはならないのは、短期的な自己保身のために、長期的な組織の成長機会を失わせることです。
信頼関係の崩壊は離職やトラブルを招く
責任逃れを繰り返す管理職の下では、部下との信頼関係が徐々に崩れていきます。表面的には従っているように見えても、内心では不満や不信感が蓄積されていき、やがて離職や対立として表面化します。
また、問題発生時に本音で相談されなくなることで、小さな兆候を見逃し、より大きなトラブルに発展することも少なくありません。管理職としてしてはならないのは、信頼を軽視する姿勢です。
責任ある管理職として求められる姿勢
自分の責任範囲を明確に言語化する重要性
責任逃れを防ぐために管理職が意識すべきなのは、自身の責任範囲を明確に言語化することです。部下に任せている業務であっても、最終的な判断や環境整備は管理職の役割であることを日頃から伝えておく必要があります。
あらかじめ責任の線引きを共有しておくことで、問題が起きた際にも感情的な対立を避け、冷静に改善策を検討できます。これは管理職がしてはならない行動を防ぐ有効な手段です。
失敗を引き受ける覚悟が信頼を生む
管理職に求められるのは、すべてを完璧にこなすことではなく、失敗が起きたときにどう向き合うかという姿勢です。部下の前で責任を引き受ける覚悟を示すことで、部下は安心して挑戦できるようになります。
その結果、組織には前向きな挑戦と改善の文化が根付きます。責任逃れをしない姿勢こそが、結果的に管理職自身の評価を高めることにつながるのです。
管理職の能力・スキルを磨く!社員教育研究所のおすすめ研修
責任逃れをしない姿勢や部下の信頼を得るマネジメントは、個人の性格や経験だけに任せるものではありません。管理職としての役割を正しく理解し、具体的な行動として落とし込むためには、実践的な学びが欠かせません。ここでは、管理職に求められる力を高める、実践的な弊社研修をご紹介します。
| 研修名 | 研修の特徴・ポイント |
|---|---|
| 管理者養成基礎コース |
部下への責任転嫁や不明瞭な指示を避け、行動力と一貫した言動を習得。 管理者としての意識を改革し、信頼されるリーダーシップを基礎から築きます。 |
| 指導力開発訓練 |
部下への理不尽な叱り方をなくし、正しい仕事の与え方や効果的な褒め方、注意の仕方を習得。 部下のやる気を引き出し、育成する指導力を高めます。 |
| ハイブリッド・リーダー研修 |
言動の不一致を防ぎ、ブレない信念と多様な価値観を受け入れる力を養成。 部下への積極的な支援を通じて、信頼されるリーダーシップを発揮します。 |
| 現代の管理学Ⅰ |
部下への責任転嫁や不明瞭な指示を改善。 目標の具体化、効果的なコミュニケーション、責任ある行動を学び、信頼されるマネジメントを実践的に学びます。 |
| リーダーの条件 |
理不尽な叱り方や不明瞭な指示を解消。 部下のやる気を高めるコミュニケーション、仕事の与え方、褒め方、注意の仕方を実践的に学びます。 |
| MMS ヒューマンスキルコース |
部下への不明瞭な指示や言動の不一致を改善。 的確な指示、モチベーション向上、信頼関係構築のスキルを習得し、部下育成指導力を高めます。 |
| リーダーの戦略 |
不明瞭な指示や判断ミスを防ぎ、問題発見解決力と目標達成管理力を強化。 即断即決力と論理的思考で、明確な方針と行動目標を定めます。 |
| 組織力向上研修 |
部下への一方的なコミュニケーションや責任転嫁を改善。 傾聴力と共感力を高め、双方向のコミュニケーションで良好な人間関係を築きます。 |
| 判断、決断 そして問題解決学 |
不明瞭な指示による問題発生を防止。 問題の定義から解決までの正しい手順を習得し、経営判断に不可欠な判断力と決断力を強化します。 |
FAQ
管理職が部下への責任押し付けを避けるにはどうすればいいですか?
部下のミスでも、管理職は監督責任があることを認識し、自身の非も認める姿勢が重要です。
ミスを建設的な改善の機会と捉え、部下と共に解決策を話し合うことで信頼関係を深められます。
理不尽な叱り方をしないためには、どんなことに気をつけるべきですか?
自分の論理を押し付けるのではなく、部下の意見にも耳を傾け、双方向のコミュニケーションを心がけましょう。
また、客観的に自身の言動を振り返り、ハラスメントと受け取られないよう注意が必要です。
不明瞭な指示が与える悪影響は何ですか?
曖昧な指示はミスを招くだけでなく、不当な叱責や混乱を生む原因になります。明確で具体的な指示を出すことが重要です。
この記事の監修者
株式会社社員教育研究所 編集部
1967年に設立した老舗の社員研修会社。自社で研修施設も保有し、新入社員から経営者まで50年以上教育を行ってきた実績がある。30万以上の修了生を輩出している管理者養成基礎コースは2021年3月に1000期を迎え、今もなお愛され続けている。この他にも様々なお客様からのご要望にお応えできるよう、オンライン研修やカスタマイズ研修、英会話、子供の教育など様々な形で研修を展開している。









