管理職が絶対にしてはならない4つのこと
2016年10月27日(木)
2023年10月28日(土)
管理職になると、上司からの指示や指令に加えて、部下を持つことによって下からも圧力がかかる、まさにサンドウィッチ状態になってしまいがちです。管理職は良く言えば上と下との橋渡しを担う役割として責任の伴うやりがいのある仕事ですが、悪く言うと圧力で押し潰されてしまいやすくストレスも多い役どころと言えます。部下への気遣いも忘れてはならず、人間関係も難しくなりがちです。
では、管理職として部下に行ってはならない言動とは、具体的にどのような言動なのでしょうか。責任ある立場の管理職が避けるべきなのは、以下のような言動だと言えます。
- 【部下に責任を押し付けること】責任逃れとなり、部下の信頼を損なう
- 【理不尽な叱り方】自分の論理の押し付けになり、部下の信頼を損なう
- 【不明瞭な指示】部下の失敗や理不尽な叱り方をもたらす
- 【言動の不一致】部下の混乱や不信感の原因となる
具体的に見ていきましょう。
責任の押し付け
まず管理職として取ってはならない言動は、責任の押し付けです。仕事のミスは自身の評価にもつながるため、できれば自分のミスということは強調せずに事を終わらせてしまいたいと考えてしまうものです。しかし責任を部下に押し付けてしまうのは明らかな責任放棄であり、部下からの信頼を損なうきっかけとなります。責任逃れはやめましょう。
例えば部下の一人がミスをおかしたとします。その責任の一部は確かに張本人にあるものの、監督不行き届きとして上司である管理職の人にも責任はあります。このとき「おまえのせいで…」と自分の非を認めず叱責してしまうのはいけません。責任範囲の認識が不足しており、上司としての責任感がないと受け取られてしまいます。
大切なのはミスで開いてしまった穴をいかに埋められるか、ということになるので、建設的な改善策を模索できるように話し合いをしていく必要があります。部下の能力を信頼しているのであれば、なおさら傷口に塩を塗るような叱責は必要ありません。部下が失敗を失敗として認識して自分で反省しているのであれば、余計な注意はしない方が信頼をより厚いものにすることができるでしょう。
理不尽な叱り方
次に、理不尽な叱り方は部下からの信頼をなくしてしまう原因となるので注意したいところです。論理的に考えてどちらが悪いかを明確にしなければならないという考え方は、人間関係においてはあまりよろしくありません。人付き合いの中には曖昧な方が上手くいくこともある、ということを覚えておくべきだと言えるでしょう。
理不尽な叱責がなぜ理不尽になってしまうのかと言えば、それは上司という権限を利用して自身の考える身勝手な論理を相手に押し付けてしまうことに起因しています。
自分の考え方に異を唱えていることに腹が立ってしまうこともありますが、相手には相手の考え方があるものです。完璧に理解できないまでも両者の歩み寄りをしていくことが円滑に仕事をしていく上では必要不可欠となり、そのためにはコミュニケーションをしっかりと取っていかなければなりません。
場合によってはパワハラなどハラスメントと受け取られたりうつ病など労災や部下の退職の原因となったりして、法律上の責任を問われる可能性もあります。無理な量の業務を命じておいてサービス残業させるなどもってのほかです。重い責任を負うことになります。部下を持つ管理職ともなれば、自分の言動を客観視する能力や、部下との信頼関係を醸成する能力も求められるというわけですね。
不明瞭な指示
管理職の人はでき得る限り不明瞭な指示を避けるようにする必要があります。不明瞭な指示は誤解を招くだけでなく、仕事上の失敗の原因になることにもつながるためです。さらに不明瞭な指示をしてしまうと、何よりも上記で解説した理不尽な叱責にもつながるため、あらかじめ芽を摘んでかなければなりません。
自分では的確な指示が出せたと満足していたとしても、部下には考えが伝わりきっていなかったという話はよくあります。そうした場合でも、部下が失敗してしまうと「なぜそんなことも分からないんだ」と叱責してしまいがちです。部下からしてみれば、なぜ叱責されなければならないのか理解できず、不満が募るばかりです。よって、元凶とも言える不明瞭な指示は避け、できるだけ単純明快に、誰にでも分かるように説明を加えるべきなのです。
言動の不一致
最後に言動の不一致についてです。これは人として信頼を損なうことになるため言わずもがなかもしれませんが、案外できていない人が多いのも事実です。例えば管理職として失敗をしたくない、逃げ道を用意しておきたいから不明瞭な指示を出す、その指示を誤認識した部下が失敗をおかす、管理職の人が部下を叱責する、この一連の流れは上司として信頼を失ってしまう王道のパターンと言えます。
加えて、中には管理職の更に上の立場の人間に対しては良く見られるために良い顔をしておき、部下に対しては全く別の顔というような人もいます。このように仮面を常に付け変えて行動をしているような人は、それは信頼をなくして当然です。言っていることとしていることの違いが著しいと、部下としても言葉と行動のどちらを信頼して良いか分からず、また不明瞭な指示から負の連鎖に陥ってしまうことにもつながるため注意が必要となります。
理想の上司像とは?
部下から見た理想の上司とは、信頼に足る人物で思いやりがあり、パートナーとして仕事を上手に回してくれる人物です。企業として成果を上げることが大きな目標となり、その次に自分がいる部の目標が、更に次には個人個人の目標があるものです。理想の上司とはそれぞれの目標を明確に部下に伝えることができ、部下達の士気を高めてやる気を引き出してくれる人物と言うことができます。
管理職としてしてはならないことは、たいていこの道から逸れた言動をすることなので、現在管理職の方は、まずは土台である目標から再確認していくことをお勧めします。
この記事の監修者
株式会社社員教育研究所 編集部
1967年に設立した老舗の社員研修会社。自社で研修施設も保有し、新入社員から経営者まで50年以上教育を行ってきた実績がある。30万以上の修了生を輩出している管理者養成基礎コースは2021年3月に1000期を迎え、今もなお愛され続けている。この他にも様々なお客様からのご要望にお応えできるよう、オンライン研修やカスタマイズ研修、英会話、子供の教育など様々な形で研修を展開している。