マネージャーに求められる素質・資質とは

2015年10月20日(火)

マネージャーに求められる素質・資質とは

マネジメントとは?

マネジメントとは、様々な資源、資産、リスクなどを管理し、経営上の効果を最適化しようとする手法を意味します。マネジメントされるべき対象は「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」の4つで、経営管理論では、企業はこれら4つのリソース(資源)を「有効に活用することで経営効率を最大化させる」とされています。この中でも、「ヒト」は最も重要な経営資源といえますが、有効に活用する手法は簡単ではありません。

20世紀初頭までに広まった科学的管理法をはじめとする経営管理論は、生産面を重視した理論でしたが、「ヒト」を「モノ」のように扱うよう風潮があり、批判を浴びました。その後、「ホーソン工場実験(*1)」など、人間の持つ心理面や行動面を重視した人間関係論が生まれ、今日に至っています。

*1 ホーソン工場実験:
様々な実験結果により「労働者の作業能率は、客観的な職場環境よりも職場における人間関係や目標意識に左右されるのではないか、という仮説が導き出された実験。

マネージャーの必要性

組織の役割とは、1+1を2で終わらせるのではなく、それ以上のものにするということです。例えば、サッカーにおいては、監督というマネジメントをする者がいて、チームは機能します。監督がいなければ、各々が勝手に攻守をし、チームとして機能しなくなります。オーケストラも指揮者の行動、ビジョン、指導を通じて、各パートが統合された生きた音楽となります。指揮者がいなくなったら、バラバラになってしまい、音楽として機能しなくなってしまいます。

これは企業の生産活動についても当てはまります。どんなに優秀なメンバーを揃えても、それぞれが好き勝手なことをしてしまうと、チームは機能せず、生産性も高まりません。マネージャーは、サッカーの監督・オーケストラの指揮者のように、個々を結びつけ、総合的に個の和以上の成果を出すように導かなければなりません。 

さらに昨今では、多様なメンバーが集まってきています。特にゆとり世代など最近の世代は個性が豊かになっています。かつては、皆が同じテレビを見て、同じ音楽を聴いてという画一的な育ち方をしていましたが、ゆとり世代を中心とした現在の若い世代は社会的背景の変化にともない、各々の価値観が多様化しています。

マネージャーは各人の特徴を掴みながら、各々の強みと弱みをミックスして、最大の成果を出すよう導いていかなければなりません。

マネージャーが心掛けるべき重要な事とは?

昨今ではマネジメントだけをするという人は減少しており、自分の業務をしながらマネジメントをするというプレイングマネージャーは少なくありません。

ここで問題になるのが、マネジメント者になってもプレイヤーだった時と同じ仕事をしてしまうことです。マネージャーとプレイヤーでは仕事が違います。しかし、マネージャーの仕事というのは目に見える成果が出にくいものです。また、コミュニケーションをとったり、相談に乗ったり雑談をしたりなど、仕事とは感じない業務も多くなります。そもそもマネジメントをする側に立った人は、業務に精通しており、熟練度も高い人です。部下の仕事のスピードや質に不満を持ってしまいます。効率性を意識して、自分がやったほうがいいと感じてしまいがちです。結果的に部下の仕事を取り上げてしまうのです。

そうすることにより、①自分が仕事をやった気になってしまう②部下が一向に育たないという2つの弊害が生じてしまいます。確かに、自分でやったほうが早いかもしれません。しかしそれでは部下は育たず、マネージャーがいつまでも忙しい状態になってしまいます。そのため我慢してでも部下にやらせることが大切になってきます。

ここで心がけるべき重要なことがあります。それはマネージャーの仕事は大きく分けて2つあるということです。

1つ目は、マネジメントをしているセクションが最大の成果を出せるようにすることです。この点はマネジメントする側の人は常に意識されていると思います。

2つ目は、部下を育てることです。多くのマネージャーはこの「部下育成」を後回しにしてしまう傾向にあります。特に繁忙期などは、仕事の遅い部下に任せるよりは自分でやってしまいがちです。もちろん、部下の強み・弱みを考慮した仕事を与えていく方法はいいと思います。しかし、弱い部分でも最低限これだけはできるようになってほしいという一定のレベルはあるはずです。仕事を任せてそのハードルを超えるようにさせないと、マネージャーにとっても、部下にとってもお互いに不幸になってしまいます。

マネジメントは意識して学ばないといけない

スポーツの世界で「名選手名監督に非ず」と言われるように、ビジネスの世界でも「優秀なプレイヤーは優秀なマネージャーに非ず」ということをよく聞きます。つまり、プレイヤーとして成功していた方でもマネージャーになった途端に、輝きを失ってしまうことが少なくないのです。

そこで、プレイヤーとマネージャーの違いを理解した上で、「マネージャーの役割」を意識して身につけておく必要があります。当然、通常業務をしているだけでは身につくものではありません。これを身につけさせるために、会社は社員研修のような「意識的にマネジメントを学ぶ場」を提供する必要があるでしょう。


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