新入社員を育てるために重要な「フィードバック」とは

カテゴリ:新入社員研修ロジカルシンキング研修

2016年4月12日(火)

新入社員を育てるために重要な「フィードバック」とは

「部下を怒るのが難しくなった」「怒るとすぐ新人がやめてしまう」そんな声を聞くことが増えてきた昨今ですが、人間性や社会性の変化、ジェネレーションギャップを嘆いていてもはじまりません。

企業という枠組みの中で働いているわたしたちの社会では、常に人の流れがあります。新入社員を育てるために以前とやり方を変える必要があるとしても、そこには取り組むだけの価値があると言えます。

部下を怒ったり注意したりするということは、ある物事の事実を踏まえて、それに伴うマイナスの情報を伝えたと分析することもできます。遠まわしな言い方になりましたが、そのように起こった現実に関して、プラスにせよマイナスにせよなにかの観察を述べることを「フィードバック」と呼びます。

もしも自分より若い新入社員たちの態度や感覚が、自分の世代と違うと感じることが多いならば、なおのこと適切なフィードバックを心掛ける必要があります。良いフィードバックができれば、後輩社員を上手に育て、良好な人間関係を築くことができるでしょう。

相手の人間性を重んじる

ミスをした人を怒鳴ったりイヤミを言ったりすることも、教える技術の一つだと言う人がいるかもしれません。「ぼくたちの時代はそういう厳しいことを言われて学んだ」、というセリフも聞いたことがあるのではないでしょうか。

確かにそういう部分もあるかもしれません。かなり体育会系の職場では怒号が毎日鳴り響いており、それが当たり前でむしろ活気につながっているという企業もあるでしょう。自分のいる職場と仲間の場合、それでうまくいっているのであればなにも悩む必要はないかもしれません。

しかし、実際にそうした怒り方やフィードバックの仕方をして、後輩との関係が難しくなったり、せっかく育ってきた新人が会社を辞めてしまったりしているのであれば、やはりフィードバックの方法に調整を加える必要があります。

多くのケースで必要なのは、教える側が相手の人間性を重んじることです。世代が違う、考え方や感じ方がかなり違う新人社員の人間性を重んじて適切なフィードバックをするためには、上司の側にセルフコントロールが求められることでしょう。

わかりやすく伝える話術

良いフィードバックの大前提は、わかりやすく伝えることです。なにかの情報をフィードバックしても、なにを言っているのかいまいちポイントがはっきりしないようだとほとんど意味を成しません。

多くの場合、少しゆっくり話すこと、主語や述語をしっかりしてきちんとした日本語で話すこと、大きな声で話すことで解決されるでしょう。ダラダラと長く伝えるよりも簡潔な言葉で伝えるほうが物事の真意が伝わりやすいものです。

具体的で適切な褒め言葉

フィードバックで非常な重要な点は褒め言葉です。フィードバックとはなにもミスや注意点を突くことだけを意味するのではありません。むしろ、褒め言葉のフィードバックを積極的に増やすことができれば、新人社員を育てる面で大きな成果を得られるに違いありません。

この場合も「良かった」とか「あれで大丈夫」などの言葉ではなく、より具体的に良かった部分を引き合いに出すようにしましょう。「君が○○してくれたおかげでこんな風にうまくいった」、「君がこの点でこんな風に頑張ってくれているおかげでこんな良い結果が出ているよ」など、相手の思考に評価される行動や情報がインプットされるように心がけましょう。

感覚の違いを乗り越える

最初にも触れたように、人の感覚の違いというものは根深いものがあります。フィードバックをする場合には、これが良い人間関係を保つ上で障壁となることがよくあります。特にその中でも、年代の違いによる感覚の違いはぬぐい難いものでしょう。

しかし、適切なフィードバックをおこなう場合、自分が持っている「普通」や「良い」の感覚を相手に押し付けてしまうとうまくいかないことが多いでしょう。こうした問題を乗り越えるためにも、柔軟なコミュニケーションを日頃から意識する必要があります。

模範を見せる

さて、自分自身もフィードバックを受ける機会があると思います。もちろん、部下や新人からフィードバックを受けるということも有り得るのですが、日本の社会風土からしてそうした機会は少ないかもしれません。自分が上司からフィードバックを受けたときに、それを部下に対して模範を示す機会と捉えましょう。

上司からのネガティブなフィードバックに対して自分自身がマイナスな態度をとっていれば、それは新人や後輩に対する良い模範とはなりません。フィードバックにどう反応するか手本を示すようにしましょう。

まとめ

新入社員を含め、後輩を育てるのは骨の折れる作業です。しかし、会社というものが存続する限りこれは必要な教育であり、人間同士の関係を良いものにして気持ちよく仕事をしていくためにも必要なことです。

適切なフィードバックを心掛けるならば、やがて良い結果を得ることができるはずです。良いフィードバックの結果がすぐに出なくても、諦めないようにしましょう。

人の身体が急に成長したり変化したりしないのと同じように、人の内面や意識も一朝一夕では変わりません。新入社員が二年目を迎える時、あるいはより重い責任を社内で担う時のために、粘り強く良いフィードバックを繰り返していきましょう。


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