上手な目標設定と管理方法について
2016年12月17日(土)
目標を設定することは成績や業績を高めるためによく用いられる手法で、ビジネスシーンにおいても重要な役割を担うことになります。
平社員の場合には自分自身の目標のみを考えて仕事に専念していられますが、管理職になると部下を持つため、個人的な目標設定だけでなく部下達の目標まで面倒をみなければなりません。
さて、この目標について、どのように設定していけば成功へとたどり着けるのでしょうか。
管理職は部下達の士気を高めるのも仕事
普通の社員と管理職の社員の大きな違いは、「部下を持っているかという点にあります。一般社員と違い、管理職は自分の業務をこなすだけでなく、部下達を束ねるという人事的な仕事もしなければなりません。
人事的な仕事とは人の管理ということであり、基本的には、部下がしっかりと仕事をしているかどうか管理監督を行う役割と、人材の育成を行う役割を担っているのです。部下達の士気を高め仕事への意欲をかき立てるのも管理職の仕事の一環、ということですね。
預かる部署の目標設定や管理は、この意欲を増幅させるための手段と位置付けることができます。
目標設定は低過ぎても高過ぎてもダメ
目標設定は、成績を数値化することで明確になるため、部下の士気ややる気を引き出すような良い薬になり得ます。しかし同時に、達成できないような無謀な目標であると、部下達のやる気を削いでしまう悪い薬にもなり得ます。
例えば前年以下という低い目標設定だった場合には、達成ができて当然であり努力をせずとも手が届いてしまいます。これでは仕事への意欲につながらないどころか、人材の育成という面から見ても部下の成長ができず、目標を設定する意味が無くなってしまいます。
それでは目標を高く設定すれば良いのかというと、そうではありません。あまりに高すぎる目標だと、これもまた「非現実的な目標だ」と考えてしまい意欲へとつながらないことが問題です。それどころか管理職の人は現状の認識が甘過ぎるという部下の不満を買うことにもつながり、人材を束ねることができなくなってしまいます。
掲げる目標は高すぎず、低すぎず、実現できるかどうか微妙なラインに設定しておく必要があるのです。
目標達成までのプロセスが重要
目標の高低と共に注意しなければならないのが、達成までにどんなプロセスを踏んだかという点です。例えば、マイナス5kgを目指してダイエットに取り組んだとします。結果のみにこだわり、期間中に食事の回数を著しく減らしていけば、確かに目標を達成することが可能でしょう。しかしながら、これでは不健康になってしまうため良い結果をもたらしたとは言えません。
同じことが仕事の目標設定にも言えます。目標が先行し過程がおろそかになってしまっては人材の成長ができません。どのように努力をしてきたかが最も重要になり、これが目標設定の意義でもあります
さらに、目標を設定されている本人がどう動くかで結果は大きく左右されるという点もダイエットと同じです。
部下に対して、トップの方針に沿った長期目標を与えるのは上司の仕事ですが、短期的な目標は自分で立てさせるようにしましょう。一週間や一日という短い単位で小さなタスクを積み上げさせることで、自分の能力も把握できるようになります。そうすることで、自力でも適切な目標設定とそれに向かった努力ができる人材へと成長するのです。
目標達成率と問題の改善が重要
目標を設定する、仕事をする、結果を出す、という一連のプロセスを経ることで目標が達成されることになりますが、中でも特に仕事をする過程が重要です。
目標に向かってひた走ることは大切ではありますが、仕事をしている最中に問題が発生するのは当然で、この問題に対してどのような解決策を講じられるかが重要となります。むしろ問題に対してどのようなアプローチができるかが人材の成長へとつながると言え、最重要の課題です。部下を管理している管理職は、道が逸れてしまわないように監督していくことが役割となります。
目標に対して達成率を定期的に算出し、必要に応じて短期目標の立て方を見直す、目標達成が難しいのであれば、何が目標の達成を阻害しているのかを明確にし、部下と共に障害を取り除き目標達成に近付く。簡単に言えば、これが管理職の行うべき目標設定とその管理です。
業績をあげることは重要ですが、結果のみに重点をおく目標設定や目標管理では過程がおろそかになってしまいます。適切な評価は必要ですが、目標達成までのプロセスを無視した結果主義、実力主義はあまり良い方法とは言えません。
大前提となるのが人材育成であり、目標を設定することは部下の問題解決能力を高めるために必要であることを意識してみてください。無理をして達成する目標ではさらなる成長へとつながりにくくなってしまいます。努力が苦痛にならないように、上司が上手に管理してあげることが大切なのです。