後輩育成の際の心構えと具体的な方法|部下に信頼される上司

2020年3月5日(木)

2023年10月28日(土)

後輩育成の際の心構えと具体的な方法|部下に信頼される上司

企業を取り巻く環境は大きく変化しており、会社の内部の環境も大きく変わってきています。少子高齢化で人材が不足し、会社が人材確保に躍起になり、いかに離職を防ぐかに頭を悩ませる一方で、上司によるパワハラやセクハラが問題になることや世代間ギャップにより、ちょっとした注意ですぐに辞めてしまう新入社員も少なくありません。この記事では、中堅社員や管理職のスキルも試される後輩を育成するときの心構えと方法をご紹介します。以下の点が後輩育成のポイントとなります。

  • 適切なタイミングで褒める、叱ることが大切
  • 手本となる行動や前向きな姿勢など、育成する側も自分がどう見えているかに注意が必要
  • 上から目線に気をつける、自分の誤りを認めるなど後輩への謙虚さも求められる
  • 効果的な育成方法は、まず説明して自分がやって見せたら、実際にやらせてフィードバックすること

育成が上手い人もいれば下手な人・自信がない人もいるかもしれません。しかし適切な指導方法と大切なことがわかれば、あとはそれにのっとって進めるだけです。無理と決めつけず、上司・先輩として後輩のためにチャレンジしましょう。

後輩を育成するとき気をつけること

では、どのようなことに気をつけながら後輩指導をしていけば良いのでしょうか。ポイントとなる気をつけるべきコツについてご紹介します。

手本を示す

先輩自らが業務に対する真摯な姿勢を示し、部下が目指してほしい姿を、身をもって示すことが大切です。OJTのときだけなく、職場でのあらゆる行動を通じて部下の手本となることを心掛けましょう。

指導において言い方を工夫することは大切ではありますが、ただ言葉で伝えてもスムーズな理解は難しいものです。新入社員からすれば先輩もちゃんとできるのかと疑問を持つケースもあります。

前向きな姿勢を見せる

中堅社員や管理職といえど、職場への不満や業務のやり方への不満、組織に対する批判的な意見などをお持ちかもしれません。ですが、それを新入社員の前で見せてはいけません。

愚痴をこぼすことや後ろ向きな発言をすれば、部下のモチベーション低下につながり、離職に至らせるリスクさえあります。ポジティブな言動を徹底し、部下に「一緒に頑張りたい」という気持ちを起こさせることが大切です。

得意なことを褒める

部下の性格にもよりますが、やはり、できないことを叱ったりなじったりして成長を促すのではなく、褒めることで伸ばすことがポイントです。一人ひとりの部下の得意なことを見つけ出し、伸ばしてあげることでモチベーションも高まり、能力を発揮して成長していくことができるようになります。

部下の欠点や弱点を指摘して、課題ばかりを与えるのではなく、成果が出しやすい目標を与えることで自信が付き、苦手なことにも果敢にチャレンジする成果が生まれます。

注意すべきことはしっかり叱る

とはいえ褒めてばかりでもいけません。部下の成長を促し、サポートするにはメリハリが重要です。たとえば指導を聞かない、社会人にふさわしくない言葉遣いをするといった不真面目な態度や、遅刻などは叱る必要があります。

さらに業務での思わぬ失敗やトラブルを防ぐためにも、うまくいかなかったときや失敗したときには、どこに問題があったのか明確にして冷静に注意しましょう。伝え方によく注意して、あくまでも怒り散らしたり怒鳴ったりしてはいけません。突き放すような冷たい対応も禁物です。イライラしてしまったとしても、言葉に気をつけるのはもちろん態度で伝わらないよう注意することが大切です。

失敗した原因を憶測で話さず、事実に基づいて指摘し、適切なフィードバックを行って、次は成功できるようにフォローしましょう。また、人前で思い切り叱ることは避け、本人の立場に立った丁寧な対応を心掛けてください。ストレスを与えたり本人の自尊心を傷付けたりする可能性があるためです。厳しいだけのやり方で指導しないよう配慮が必要です。そうしないと理想と現実とのギャップで悩みを抱えてしまったり、ひどい場合にはノイローゼになってしまったりするなどメンタル上の問題となる可能性があります。

上から目線に気をつける

先輩面をして上から目線で指導を行うと、新入社員は付いてきません。嫌な先輩、相談しにくい、仕事がつまらない、会社が嫌だと離職につながるリスクさえ生まれてしまいます。「学生気分が抜けておらず甘い」と感じたとしても、社会人になりたてでビジネスのことがわからない間は仕方がありません。ある程度時間が必要です。

先輩が部下より知識や経験が豊富なのは明白な事実ですから、極端な自慢話を披露することや自分自身のやり方や価値観を強制するのは避けましょう。部下があなたに反抗心を持つ場合ややる気を失うリスクがあります。

自分の誤りは素直に認める

指導をしている過程で、うっかり指示をミスしたり、違うやり方を教えてしまった場合や、自分が教えたことを通じて顧客や取引先からお叱りを受けたりしたら、あなたはどう対処しますか。新人が悪い、自分が指導した通りにやらなかったからだとか、自分だったらもっとうまくやったなどと叱ることや新人のせいにしてはいけません。

自分自身にミスや勘違い、理解不足があったなら、素直に認めて、必要に応じて謝罪をしてください。先輩が謝ることは部下に屈したことにはなりません。ミスをきちんと認めて責任を取ってくれる、頼もしくて優しい先輩だと理解してもらえます。上司からの評価を気にして自分自身を守ろうと、新人や若手のせいにするなど保身に走ると、部下からも上司からも信頼を失います。

部下のミスは上司が責任を取る

当然のことながら、部下がミスをしたり、トラブルを起こしたりしたときは、上司が責任を取るのが基本です。一人前になるためには失敗やミスはつきものであり、その責任を上司が引き受けることで、失敗を恐れず果敢にチャレンジする力が生まれ、成長していくのです。

トラブルが生じた場合には、部下任せにせず、部下の力量やシチュエーションを考慮したうえで自らが第一線に出て解決する役割を担いましょう。

後輩の育成方法

具体的にどのような方法で仕事を教えていけば、一人前へと成長させることができるのでしょうか。後輩を育成するうえで基礎となる、仕事を教える方法についてご紹介します。育成計画のスケジュールやステップごとの目標設定が決まったら、育成の手法を詰める際の参考にしてみてください。

STEP1:動機づけをする

何のためにその仕事を任せるかといった目的と何をその人に求めるかといった目標を明確に伝えることが大切です。部下が仕事に対して目的意識を抱くことができ、やる気を高めて仕事に実践的に取り組むことができるからです。

STEP2:仕事の仕方を説明する

いきなり、やってみろ、自分の背中を見て技を盗めなど昔気質の教え方ではいけません。わかりやすい言葉で丁寧に仕事の手順を具体的に説明することから始めましょう。なぜ、その手順が必要なのか、何のために行う業務なのかを一つひとつ明確に伝えながら教えることで、仕事への理解が深まり、思わぬミスも防げます。

STEP3:仕事をやって見せる

説明して理解を得るインプットができたら、アウトプットをするにあたって、先輩自らが実践してみせることが大切です。インプットされた知識が、実際にやってみせることで明確になり、業務を遂行するイメージが持てて、新人も実践しやすくなります。

STEP4:仕事をやらせてみる

仕事の仕方を説明して、実際にやって見せたら、同じようにやってもらいましょう。もちろん、1回で成功するとは限りません。しっかりと実践する姿や手順に目を配り、うまくいった場合には褒め、うまくいかなかった場合にはどこに問題があったのか、丁寧にフィードバックを図りましょう。そのうえで、もう一度やらせてみて成功の結果が出せれば、自信ややる気につながり、次のステップへと進みやすくなります。

STEP5:仕事を評価する

一通りの業務をこなした場合や一定の研修が終わる度に、しっかりと評価をしてあげてください。フィードバックが得られないと、自分がうまくやれているのかもわからず、新人が何が正解か迷ってしまいます。何の評価も得られないと、自分は期待されていないと感じる場合や部下想いでない頼れない先輩と思われるケースも少なくありません。仕事に対する評価と考え方を伝えたうえで、若手の意見にも耳を傾け、早い段階でわからない点を解決するために質問を受ける時間を作ってコミュニケーションを深めてください。

「部下に信頼される上司になるために」

部下に信頼される上司になることは新人の離職防止や職場でのチームワークの生成、若手を一人前にするうえでも役立ちます。失敗の責任を取ってくれる頼もしい上司であれば、部下も果敢なチャレンジができ、成長につなげることができます。部下を尊重し、若手の立場に寄り添う丁寧な指導を心掛けましょう。時に褒め、注意すべき点はわかりやすく親身に教育することが大切です。



この記事の監修者

株式会社 社員教育研究所 編集部

株式会社社員教育研究所 編集部

1967年に設立した老舗の社員研修会社。自社で研修施設も保有し、新入社員から経営者まで50年以上教育を行ってきた実績がある。30万以上の修了生を輩出している管理者養成基礎コースは2021年3月に1000期を迎え、今もなお愛され続けている。この他にも様々なお客様からのご要望にお応えできるよう、オンライン研修やカスタマイズ研修、英会話、子供の教育など様々な形で研修を展開している。

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