社員研修を成功させるためのポイント
カテゴリ:人材育成
>2017年1月27日(金)
企業の中核を成すのは人材と言われています。資金力や経営ノウハウなども確かに重要ではありますが、そこで働く人々の力はそれ以上に重要です。長期間にわたって企業が成長し続けることが出来るか否かは、人材の能力にかかっていると言っても過言ではありません。
人材育成は個々の社員に任せることも出来ますが、現在では企業が研修を開催し、社員を参加させる形で行うケースが多くなっています。研修にはコストも時間もかかります。せっかくの社員研修を効率的に行うためには、どのようなポイントに注意すれば良いのでしょうか。
目的、目標を明確に設定する
社員研修を成功に導くためには、まず目的や目標を明確に設定することが重要となります。社員研修と言ってもその種類は様々で、対象となる社員や目的についてもそれぞれ異なります。全社員を対象とするのか、それとも部署ごとに違う内容の研修を行うのか、強制ではなく希望者を対象に開催するのかでプログラムや目標も変化します。また目的について言えば、何の研修をするのかを明確にすることにより、参加者に同じ意識を持たせ、効果を高めることが可能です。
社員研修の最終目標についても重要です。主催側は、どの程度のスキルを身に付けるようにする研修なのか、予め目標を設定しておきましょう。参加者が何に取り組めばよいのか目標が明確になるため、研修内容にもメリハリが出てくるはずです。
自社で行うか、研修会社を利用するか
社員研修の目的や目標が決まったら、次はその目標を達成するためのプロセス選びに移りましょう。研修は自社で行うか、もしくは研修会社のサービスを利用するという2種類に分けられます。
自社で研修を行うメリットは、目的であるスキルや知識の獲得と共に、社風を伝えることが出来る点です。ただし、ノウハウがある程度蓄積されていないと、円滑に実施できないというデメリットがあります。
逆に、研修会社を利用した場合では、社風など会社独自の感覚を伝えることが難しく、一時的なコストもかかることが難点ですが、その分、一般常識や必要な研修内容が細部に至るまで用意され、研修場所の設定も含め細かく準備がなされるというメリットがあります。
どちらが良いと一概に言うことは出来ませんが、研修会社のサービスの質も向上し、コストをかけずとも利用出来るようになってきており、費用や時間の削減という面から考えても優秀です。
準備は念入りに
自社で研修を行う際には、日付や時間に合わせて会場の準備を行わなければなりません。研修は一度に大人数が一か所に集まることになりますので、比較的大きめな会議室などを準備する場合が多いようです。自社オフィスを使用するのも良いですが、場所に余裕が無い場合には外部の貸し会議室を利用することを検討すると良いでしょう。ただし、研修会社のサービスを利用すれば、会場準備は必要ありません。
日時の設定は会場や通常業務の都合を考慮する必要があることに注意してください。業務時間内で研修を行うのか、それとも休日に参加してもらうのかも検討が必要です。新入社員研修であれば参加必須のため、営業時間中に行うことが通例ですが、その他の研修の場合には、業務に支障をきたす恐れがあるため、会社によっては休日を利用して行うケースもあります。
OJT研修の特徴と注意点
時間とお金を費やす一般的な研修方法のほか、近年多くの企業にて取り入れられているOJT研修を実施するのも選択肢のひとつです。
OJT研修は実践的な知識を身に付けることに繋がるメリットがあります。実務を遂行するにあたり必要となる、いわゆる「働き方」は、座学のみで身に付く訳ではなく、実践し少しずつ体得していくものです。また、微妙な判断が必要となるケースでは、どのように動けば良いのか伝えることも出来るため、OJT研修は意欲的な新入社員にとって非常に効果的な人材育成方法と言えます。
しかしながらOJT研修は、教える社員側に負担が掛かりがちというデメリットがあります。場合によっては重荷になってしまう可能性がありますので注意が必要です。
社員研修は人材育成の一環として行われ、どの企業もお金を掛けることになりますが、この時必要となる資金を「費用」と見るのか「投資」と見るのかは非常に重要です。研修を単なるコストとして見ると、ムダな費用はかけないと考え予算を削減してしまうものですが、これは理想の教育とは言えません。
人材育成は社員を成長させ、最終的には会社の利益を伸ばすための先行投資であり、会社をより大きく、より良いサービスを提供するために必要不可欠な取り組みとなります。企業体質を改善したいのであれば、まずは社員に投資をし、人材が事業をより良いものへと変えていくことが絶対的な条件となります。
社員研修を成功させるためには、目的や目標の設定、研修会社を利用するかどうか、日時や会場の準備がカギとなります。必要なスキルを身に付けてもらうためには何が必要なのか、よく考えた上で企画を進めて行きましょう。