企業としてメンタルヘルス対策は必要不可欠
2018年8月25日(土)
現在では多くの企業が社員へのメンタルヘルス対策を行っていますが、どうして必要なのかと疑問に感じている方も多いのではないでしょうか。企業としてメンタルヘルス対策は絶対的に必要と言えますが、ここではその理由やどのような研修、教育でフォローしていくのかについてお話したいと思います。経営者の方、社員のメンタルヘルス対策を検討している企業関係者の方はぜひ目を通してください。
現代人は疲れている
現代に生きる方々は何らかのストレスを抱えていると言われ、そのストレスの原因が仕事によるもの、という方も多いです。毎日仕事に追われ帰宅するのが深夜、自宅でのんびり過ごすこともできずに翌日また早朝から満員電車に揺られながら出社する、という日々が続けば、誰でも精神に支障をきたしかねません。また、職場での人間関係に疲れ、そのストレスから体調を崩してしまうという方が増えているのも事実です。仕事によるストレスで体調まで崩してしまっては企業としても大問題ですし、何とか未然に防ぐ方法を考えなくてはなりません。
最悪自殺者を出してしまうことも
先ほどお話したように多くの現代人は疲れており、日々バリバリと仕事をこなしているビジネスマンに限って実はメンタル面での負荷がかかっている、ということも珍しくありません。
特に責任感が強くまじめな方ほどストレスを発散することなく自分の中に溜め込んでしまう傾向があります。最悪の場合、思い詰めたあまり自ら死を選ぶということも実際に起きています。
そのような状況では企業に問題があるとみられる可能性が高まります。何よりも貴重な戦力を失ってしまうこととなります。このようなことを未然に防ぐためにも、企業にとってメンタルヘルス対策は絶対的に必要なのです。
研修でストレス耐性の強い人材育成
誰にでもストレスが溜まることはありますが、人によってはストレス耐性が低く、些細なことでも溜め込んでしまう場合があります。これは個人差がありますが、いずれにせよストレスをすぐに感じてしまう従業員が多くを占めている企業ではビジネスも順調には進まないでしょう。
では、具体的に企業がどのようなアプローチをできるのかということですが、研修を実施することでストレス耐性の強い人材を作ることは可能です。
ストレス対処能力を高める考え方
Sense of Coherenceという考え方があるのですが、これは困難を乗り越える力のことを指しています。ある医療社会学者が解明した考え方で、過酷な環境下から心身ともに健康なまま生還した人の共通点を体系化したものだと言われています。Sense of Coherenceでは把握可能感、処理可能感、有意味感といった三つで構成されており、これらの感覚が強い人ほど良好なメンタルヘルス対策が可能といわれているのです。
つまり、企業が行うメンタルヘルス対策の研修では、社員のこうした三つの要素を高めてあげることが重要といえます。
専門家の意見も必要
従業員へのメンタルヘルス対策は、現代社会に存在するすべての企業で必要だと考えられますが、先ほどご紹介したような研修は一企業が簡単に行えるようなものではありません。企業経営者や人事担当者は心理学に詳しい専門家でもありませんし、こうした研修を実施したいと考えても、自分たちでそれを体系化することは大変困難と言えるでしょう。
そのため、企業のメンタルヘルス対策としての研修や教育は、専門家に協力を仰ぐのがもっともベストな考えと言えます。メンタルヘルス対策に関する研修や教育を行っている機関もありますから、スペシャリストの手を借りて社員のフォローを行うのが、もっとも現実的かつベストな方法ではないでしょうか。
自社で高度なメンタルヘルス対策をしようとしても自己流になりがちですし、最悪の場合にはもっと社員を苦しめてしまうことにもなりかねません。
社員がイキイキと働ける対策を
そもそも、社員が常にストレスを感じてしまうような職場環境には問題があります。できることならまったくストレスを感じないような環境を整えるのが理想です。多くの企業がそのように考えているでしょうが、実際問題そのようなことは不可能に等しいでしょう。
どんなに職場環境を改善したとしても、人間同士のやり取りは絶対に存在し、ストレスを感じてしまうシーンは無限大に考えられます。それを理解したうえですべての社員がイキイキと働けるような環境を整備することが大切であり、社員をフォローできる体制も必要となってきます。企業の宝でもある人材に本来の力を発揮してもらうためにも、メンタルヘルス対策は必要なのです。