部下に正しく指示を伝えるためのポイント!
適切なフィードバックとは?
カテゴリ中堅社員研修 コミュニケーション研修
2019年1月26日(土)
部下へ指示をすることは、上司から働きかける一般的なコミュニケーションでしょう。しかし何気ない指示の仕方ひとつでも奥が深く、決して疎かにしてはなりません。意図をしっかり伝えなければ相手に伝わりませんが、細かく伝えすぎたり押し付けすぎると意欲をそいでしまうかもしれません。そんな中、効果的な指示の方法として、「フィードバック」という手法に注目が集まっています。フィードバックの詳細と、導入のコツについてまとめました。
部下への指示は難しい
何かをしなさい、もっとこうして欲しいなど、指示とは単純なものです。レベルは違いますが、指示は子供や幼児にも行うコミュニケーションなので、難しく考える必要はありません。ところが、本当の意味で正しい指示を与えたいとなると簡単ではありません。指示を出して意思を的確に伝え、理想のパフォーマンスで実現してもらうこと。さらには意欲を削がず、寧ろ後押しするような指示の仕方となると、専門的ともいえます。
指示の根本として、「伝える」でなく「伝わる」ことが大切になります。これらは似て非なるものであり、前者は指示として好ましくありません。簡単にいうと、前者の「伝える」は言葉にしているものの、伝えたつもりになっているだけなのです。これでは前述のような正しい指示を実現することができません。「伝わる」指示の出し方で、こちらの意志が通じて希望に沿った認識をしてもらえるよう工夫すべきです。
以前からある2種類の指示の出し方
指示には、昔から2種類の方法が使われてきました。コーチングとティーチングです。基本となるこのふたつの手法を理解しましょう。
まず特に古くからあるタイプといえる、ティーチングです。簡単にいうと、内容に限らずしっかりと伝達する方法です。耳の痛い内容、苦手な内容であっても、現状を把握してきちんと伝えます。言い聞かせるとも言い換えられる、やや厳しい方法でもあります。
そしてもうひとつが、2000年代から普及しだした、コーチングです。こちらは支援の意味合いが強いので、ティーチングよりソフトなニュアンスです。本人に指示するべき原因や現状を探り伝え、業務や行動を振り返らせ、今後の改善へ向けたプラン作りをサポートします。
効果的といわれるフィードバックについて
それでは、本題のフィードバックについてです。フィードバックとは、前述のティーチングとコーチングを合体させたような指示手法と表現できます。ティーチングでは強制のニュアンスが大きいため、コーチングが普及しました。ですがコーチングでは甘すぎるという問題点が指摘されています。そこで、両者の長所を合わせ実現した手法であるフィードバックが誕生したのです。
流れとしては、まず耳の痛いような内容でもしっかり指示を出し、現状を把握させます。そしてその認識ができた上で、みずからに業務や行動を振り返らせ、アクションプランづくりを実現させます。前述の通り、以前からある2種類の合わせ技といったところでしょう。
ですが、合わせることには大きな意義があります。厳しすぎる部分と甘すぎる部分を、双方で補い合えるためです。結果的に、効果的な指示の形となっているのです。
フィードバックのメリットとは
まず大まかな表現をすると、効率化が挙げられます。ティーチングとコーチングは、いわゆる剛と柔、強と弱のような関係性であるため、人に合わせて使い分けなければなりませんでした。ですが両方を備えたフィードバックなら、誰に対しても実行することが可能です。これにより、システム化が実現され、上司は負担を軽減することができます。
しっかりと指示伝達をしつつ、それにより受けたストレスをコーチングで補えることから、部下の意欲をそがないというメリットも大きいでしょう。にもかかわらず、伝えるべきことは伝えられるわけですから、一層効果的です。さらにコーチングでは、自主的な振り返りやアクションプラン作成もおこなうため、モチベーションを高める上でも有効です。それこそ、「伝える」に留まらずに「伝わる」指示が実現できます。
指示における注意点
指示するということは、相手に伝えるということです。フィードバックを駆使すれば、一層スムーズかつ的確に行えるでしょう。しかし、中にはそれでもなお理解が遅い部下もいるかもしれません。だからと言って、例えどれだけ熱がこもっても人格否定だけは避けてください。それでは、部下本人や組織全体のモチベーションを下げ、さらには数字にまで悪影響を及ぼすかもしれません。ここでも、「伝える」より「伝わる」の意識を忘れないようにしましょう。
バランスのとれたフィードバック手法が効率化を後押し
フィードバックは、いわば指示の手法をより効率化した完成形のような手法です。以前からあるティーチングとコーチングの効果的な部分をかけ合わせており、双方のメリットデメリットのバランスがとれています。上記の情報をもとにうまく活用して、円滑な人間関係に繋げられると良いでしょう。