良い企画書にするためには
カテゴリ:一般社員研修 ロジカルシンキング研修
2019年7月5日(金)
みなさんは、自分の企画書に満足しているでしょうか。おそらく、これ以上ないといえるほどに満足している人はそういないでしょう。それほどに、企画書の書き方というのは難しいのです。読む人見る人に伝わる、心に響く、そんな魅力的な企画書はどのように作れば良いのでしょうか。より良い企画書を作るためのポイントについて、ご紹介します。
企画書を作るときに意識すべき構成
企画書で特に重要となるのが、全体構成です。どれだけ実のある内容を書いていたとしても、構成にこだわれていなければ、読み手を引き込むような仕上がりにはなりません。とはいえ、そこまで難しく考える必要もないのが実際のところです。次の3点を覚えておけば、大まかな流れは作れます。
- 企画書の骨となるコンセプトづくり
- コンセプトを軸としたストーリー作成
- ストーリーをドキュメントに書き出す
逆にこれらを意識していない場合、ただただ情報を詰め込んだだけの書類となってしまいます。必要な内容が揃っていたとしても、読み手に何か響かせることはできないでしょう。こと、企画を通すための企画書なわけですから、読みにくいという段階で評価を落としてしまうのは理想的といえません。かならず、段階を分けてそれぞれにクオリティを意識しながら仕上げていきましょう。
コンセプト作成のポイント
コンセプトは、いわば企画書のメッセージ性といっても過言ではありません。社会においては、何かと異端なもの、奇をてらったものは排除される傾向にあります。特に協調性を重んじる日本人の場合は、その傾向が強いでしょう。ですが、企画書のコンセプトに関しては、あまりこぢんまりとしてはいけません。それどころか、少しばかりエッジを効かせたシャープで刺さる内容の方が、効果的となってきます。
ポイントとしては、読み手の目線に立ってしっかり固めることが挙げられます。このとき、FABE分析というフレームワークが効果的に働くでしょう。内容は、次の通りです。
- 提案書の概要説明「Feature」
- 提案の優位性「Advantage」
- 提案で顧客の得られるメリット「Benefit」
- 提案を裏付けるデータ、実績等「Evidence」
これら4つのアルファベット頭文字をとって、FABE分析と名付けられています。これらを順に記載することで、読みやすく刺さる企画書の軸ができます。もちろんコンセプト構成だけでなく、コンセプトそのもののインパクトも忘れてはなりません。
ストーリーを構成する際のコツ
ストーリーもまた、前項で作ったFABE分析を軸にまとめていきます。分析の要素を整理しながら、どのような構成にすればより刺さるのかを、考えていきましょう。以下のコツを、参考にしてみてください。
まずはFeatureで大まかな内容を伝えます。最初に結論を述べる形の構成であるため、ここで概要を伝えきるというのが重要となってきます。これにより、より深く知ってみたいという意欲を抱かせるのです。
次に、AとBにあたる優位性、メリットで自社商品やサービスにどのような魅力があるかを説明します。これらがなくては、クライアントはまず見向きもしないでしょう。その商品・サービスよりも良い物があれば、純粋にそちらを選べばいいだけだからです。既存商品や他社サービスと比べ、いかに魅力的であるかをまとめます。最後に、その魅力の根拠でまとめます。
ドキュメントは効率的に作成しよう
ドキュメントとは、いわゆるアウトプットです。作成した企画書をどのように出力するかを、考えていきます。シンプルなものとしては、FABEの分析をそのままスライド化するやり方が挙げられます。FABEの時点ですでに伝わりやすい構成となっているわけですから、そのままでも十分に刺さる効果が期待できるのです。
スライドページそれぞれのコツとしては、上部にメインメッセージを、そしてボディ部分にその根拠といった書き方が挙げられます。オーソドックスかつ誰もが理解しやすい形なので、効果的に機能することでしょう。
こんな企画書は避けよう
上記の構成がうまく反映されていても、まだ不十分であることが考えられます。いわゆる、悪い企画書を作ってしまっているケースです。これはつまり、内容面における不備からレベルを下げてしまうパターンといえるでしょう。主には、以下の例が挙げられます。
- 読み手の知りたいポイントが抜けている
- メリットばかりで注意すべきデメリットが描かれていない
- 具体的な内容がない
- 補足説明がなければ理解できないつくりである
- 回りくどく結論に至るまで時間がかかる
- 何を言いたいのか分からない
これらを防ぐためにも、今一度コンセプトやストーリー構成の重要性を見つめ直してみましょう。段階に分けて作れば、各段階に集中して作っていけるので、内容がぼやける心配も少なくなります。
伝わる企画書であなたの評価もアップ
良い企画書を作れる人材は、優秀であるといえるでしょう。相手の立場に立ち、気持ちをくみとり、いかにすれば意思や思いを伝えられるか理解している人物といえるためです。企画書提案がうまくいくと同時に、あなた個人の評価もアップするでしょう。ぜひ上記を参考に、評価を高めてみてはいかがでしょうか。