決断力を鍛える方法とは?部下の能力の見極め方や強化するポイント

カテゴリ:マネジメント

2022年1月31日(月)

決断力を鍛える方法とは?部下の能力の見極め方や強化するポイント

仕事上の重要な決定を先延ばしにしている部下はいないでしょうか。あるいは、物事の重要性や優先順位がわからず、意思決定に迷いが生じている部下がいるかもしれません。近年はリーダーシップのある人材が求められています。管理者にとっては、こうした部下に成長の機会を与え、明確な基準や価値観を持って決定できる人材に育成することが課題のひとつと言えるでしょう。こちらでは、部下に主体性のある働き方をしてもらうために大切な、「決断力」という能力についてお話しします。

決断力は鍛えられる?判断力との違い

●決断力とは?

決断力とは、物事に関して、責任を持って意思決定ができる能力の総称です。ビジネスにおける意思決定では、自らの経験や直観、思考などを駆使しつつ、確固たる根拠・覚悟にもとづいて決断することが重要視されています。こうした能力に長けている場合、「決断力がある」と評価できます。
決断力は経験値の蓄積や適切なトレーニング方法によって後天的に鍛えることが可能とされている能力です。一人ひとりが主体的に動く組織を作るため、管理者は部下の決断力を育成する必要があります。

●決断力と判断力との違い

決断力と同一視されやすいのが、判断力です。これらの能力にはどういった違いがあるのでしょうか。
判断力とは、物事を客観的な根拠にもとづいて決める能力のことを指します。「決断する」という点では決断力と同じです。しかし、決断力と判断力には決断の土台となる根拠に違いがあります。
判断力は、データや形式など、数値的な要素を判断材料にする傾向が強い能力です。現在進行形の物事を評価・整理し、判断する能力と言えます。
対して決断力は、物事を主観的な根拠も含めて決めるのが特徴です。客観的な根拠に加え、本人の経験や直感など、主観的な要素も判断材料に加えます。現在進行形の状況に加え、将来性まで加味して評価、判断する能力です。
経験や知識に依存する部分が大きい判断力に対し、決断力には性格や適正が絡んできます。そのため、決断力を伸ばすためには、部下のことを、パーソナリティーを含めて理解する必要があります。

部下の決断力を見極めるには?

●決断力がある部下の特徴

・自分の考えに確固たる自信がある
決断力に優れる部下は、データや成功体験など、複数の判断材料を持ち合わせており、自分なりの軸を持っています。思考だけでなく、言動がブレない傾向にある点も特徴です。このことから判断に迷いがなく、意思決定に時間をかけることがありません。こうした複数の裏付けから、自分の考えに確固たる自信を持っています。言いかえれば、軸や明確な思考があるからこそ、スピーディーに自信を持って決断できるのです。
・失敗を恐れない
他人の目や評価を気にせずに行動できる点も、決断力が高い部下の特徴です。何よりも、行動から得られる経験を重要だと考える傾向があります。そのため、新しいことや困難なことにも前向きに取り組みます。こうした積極性の背景にあるのは、「失敗を恐れない」という特性です。行動しても、必ず成功するわけではありません。しかし、決断力がある社員は「失敗からでも学べる」という強いイメージを持っています。失敗から得る学びを尊いと考えているため、不確実性が高い業務もチャンスだと考え、強気で挑戦していきます。
・意思決定に責任を持てる
責任について深く理解しているのも、決断力に優れる部下の特徴です。単に意思決定が速いだけでは決断力があるとは言えません。意思決定には必ず責任がつきまとうこと理解しています。そのため、意思決定によりネガティブな結果が出た場合も、その結果を言い訳せず素直に受け入れます。また、結果によって意思がブレないため、発言や行動に一貫性があるのも特徴です。こうした特性により周囲から高く評価され、多くの同僚や上司から信頼を得ています。

●決断力がない人の特徴

・自己肯定感が低い
決断力がない場合、自分の意思決定力に自信を持っていない傾向があります。このことから、失敗を恐れて不確実性の強い行動を躊躇するケースが多いようです。先のことを不必要に深く考えすぎてしまう傾向も見られます。こうした特性はすべて自己肯定感の低さによるものです。慎重さやリスク管理能力の高さは悪いことではありませんが、過剰に未来を不安視していると「決断力がない」と見なされます。
・判断軸を持っていない
明確な軸を持っていなければ、スピーディーに自信を持って判断できません。このように、判断軸を持ち合わせていない優柔不断なタイプも、決断力がない人の一例です。自分のなかに判断基準がないため、選択肢が多い場面ほど決断できなくなる傾向があります。また、回りの意見や考えに流されてしまうことが多い点も特徴です。このことにより、周囲から「一貫性がない」と評価されることが多い傾向があります。

・妥協できない
物事へのこだわりが強すぎて決断できないタイプも、決断力がない人の代表例です。完璧を求めるあまりに物事を実行に移せない傾向があります。基本的に「失敗すべきではない」「絶対に後悔したくない」という意志を持っているため、自分なりに納得できるプランができるまで動き出せないのです。つまり、完璧主義者に近い考え方を持っているタイプと言えます。完璧を求めることは悪いことではありませんが、この思考を理由に行動しない、あるいは自己否定を強めてしまう場合は明らかなデメリットとなります。

●部下の決断力を見極める方法

部下の決断力を確認する方法として代表的な例が適性検査です。適性検査とは、部下のパーソナリティーは知的能力を確認するための簡単な調査であり、結果は人事評価などに活用されます。
適性検査の結果から部下一人ひとりの特性を確認し、それぞれの決断力を見極めることが大切です。決断力が高い人材は主体的であり、多くの判断材料を持っています。また、自らの責任の下に意思決定する能力に長けています。適正調査の結果から、こうした特性・能力がある部下、ない部下を見極めてください。
ただし、適正調査の結果はあくまでも参考程度に利用するのに留めましょう。適正調査の結果が部下のパーソナリティーを性格に反映しているとは限りません。上司は可能な限り部下を直接観察して、本質的な決断力を見極めることが大切です。部下と話をする機会を設けて悩みや仕事に対する気持ちをヒアリングすることも大事です。

部下の決断力を鍛える3つのポイント

●現状維持のリスクと損失を理解させる

重要な局面では変化を恐れて現状維持を選択することもあります。しかし、現状維持が結果として損失を招く可能性も否定できません。向こう見ずな決断ではなく、明確な判断材料にもとづく決断であれば、失敗したとしても現状維持以上に得るものがあるはずです。現状維持のみを意識する、もしくは何もしないという決断に、どのようなリスクや損失が生じるのかを部下に伝えて、納得してもらうことが大切です。可能な限り具体的に解説しましょう。

●常にアンテナを張って情報収集させる

情報収集させることも、部下の決断力を育むための取り組みとしておすすめです。決断力を高めるには、判断材料を増やすことが不可欠です。また、知識不足による自信のなさを解消すると決断力の強化につながる可能性があります。
広い範囲の情報を知ることが望ましいため、部下には常にアンテナを張っておくように指導しましょう。各種メディアや周囲の人とのコミュニケーションにより情報収集を行うように促すことも重要です。自己啓発関連の書籍を読ませる、良習慣を積極的にシェアする、といった取り組みも具体例として挙げられます。

●ビジネス研修に参加させる

部下の決断力を高めたい場合、ビジネス研修に参加させるのも有効な方法です。現在は、さまざまなスキル・意識を身につけるためのビジネス研修サービスが実施されています。決断力に関するビジネス研修も少なくありません。
部下の決断力を鍛える方法は本人の性格や考え方によっても異なります。管理者の取り組みによって決断力を引き出すこともできますが、部下との相性によってはあまりうまくいかないこともあるでしょう。ビジネス研修では、社員教育の専門家に頼ることでより効果的に部下の決断力を鍛えられます。

●自身の決断力を高める

管理者として自らの決断力を高めることが、部下の決断力向上につながります。上司の決断力が高くなるとマネジメント能力も向上し、組織全体に良い影響を与えやすいでしょう。同じ環境のなかに決断力が高い人がいると、部下に好影響が出ることがあります。自身がお手本となり、決断力の高さや大切さを部下に示していくことが大切です。

決断力のある部下が企業を引っ張っていく

ビジネスは難しい決断の連続です。協調性を重んじる日本の社会では、多くの社員が明確な意思決定を避ける傾向があります。しかし、慎重、現状維持といった消極的な姿勢では組織の成長は期待できません。社員が決断力を高めて積極的に行動できるようになれば、失敗よりも大きな成功が待っています。企業を引っ張っていく人材を育成するため、部下の決断力を伸ばすとともに、自らも見本となれるような決断力を目指してください。



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