中堅社員が果たす役割とは?伸び悩む理由と育成する方法

2022年11月30日(水)

中堅社員が果たす役割とは?伸び悩む理由と育成する方法

企業にとって、優秀な中堅社員を増やしていくことは重要です。中堅社員の能力と充実度は、そのまま企業の力を表します。しかし、実際には中堅社員の育成に苦慮している企業が多いのではないでしょうか。この記事では、中堅社員が担うべき役割を明確にするとともに、能力不足の中堅社員が生まれてしまう理由、中堅社員を育成する方法について解説します。中堅社員の能力や数を不安視している管理職や人事部の方は、ぜひ参考にしてください。

中堅社員が担う主な役割

会社の中核として仕事を行う

中堅層の社員は会社の中心として高い成果をあげることが期待されています。経験を重ねて身に付けたビジネススキルを業務で発揮し、社内で活躍することが求められているのです。上司として後輩や部下を束ね、チームのリーダーを任されるようになるようになる人もいます。

新入社員として入社してからしばらくは会社のサポートを受けながら成長していくのが一般的です。しかし、3年目以降など入社から一定期間がすぎると、ビジネスマンとしての成長以上に明確な貢献が求められるようになっていきます。企業に利益をもたらすため、さまざまな面で主体的に行動しなければなりません。

新入社員を育成する

自分の業務をこなしていく一方で、新入社員の育成を行うことも求められます。実務の最中は自身が新人のロールモデルとなれるように意識しながら積極的に行動しなければなりません。周囲のメンバーが業務のモデルケースとして参考にできる働き方を目指す必要があります。

マネージャーとして、新入社員の教育や評価を行っていくことも大切な役割です。中堅社員が主導して、新入社員研修などを企画することもあります。OJTなどで部下の指導を担当することも少なくありません。

新人の悩みを率先して聞き、相談に応じていく立場でもあります。そのため、新人と積極的にコミュニケーションをとっていかなければなりません。相手が気軽に話せるように、信頼関係を構築する必要があります。

現場と管理職との調整をする

中堅社員は現場と管理職をつなぐ調整役を果たします。具体的な役割のひとつが、現場の社員と管理職の認識を共有させることです。

組織の経営層や管理職が描いている今後のビジョンは、現場には伝わりづらいケースがあります。現場が何をすればいいのか理解できるように、わかりやすく組織のビジョンを伝えることは中堅社員の重要な役割です。

また、現場の状況を管理職に伝える役割も担っています。業務の最前線で活躍する現場からのフィードバックは、企業を成長させていくために重要な情報です。現場からフィードバックを反映させ素早く課題解決していくためにも、つなぎ役として中堅社員の活躍が期待されています。

期待する役割を果たせない中堅社員が出てきてしまう理由

中堅社員のなかには求められる役割を果たせない社員が出てくることがあります。

中堅社員は自分1人で業務を遂行できる立ち位置として認識されているため、指導を受けるような機会は少ないでしょう。しかし、役割を果たすために必要なスキルを身に付ける機会を経験できない人もいます。

上記のような役割を果たせない中堅社員が出てくる理由として、以下のようなものが挙げられます。

十分なスキルアップができていない

代表的な理由として考えられるのが、十分なスキルアップができていないことです。入社以降の経験により日常業務をこなすスキルは十分に備わっていますが、反面、自分の担当以外の業務の知識や技術が身に付けいていないケースが考えられます。

もっとも、職場では役割分担をしたうえで日常業務に追われているため、担当以外の業務を率先して設けるケースは少ないでしょう。ある程度リソースにバッファがないかぎりは、中堅社員に業務の幅を広げる機会を与えることはできません。こうした理由から多くの企業では、担当業務で必要とされないスキルを身に付ける経験を持てない中堅社員が続出しています。

会社の中核であるという自覚を持てない

意識面の問題も散見されます。中堅社員は会社の中核であるという自覚を持ち、自ら会社に貢献するために取り組んでいかなければなりません。しかし、実際には新人や若手社員時代の気分が抜けていない中堅社員がいることも事実です。

社員を新人から中堅に変化させるためには、後輩を育成する機会を提供する必要があります。しかし、多くの現場では育成の機会を中堅社員に与えることができません。このことから、人材育成の経験を積むことができずに中堅社員としての自覚が得られないのです。

中堅社員を育成できる人材がいない

育成体制の不備も優秀な中堅社員が不足する理由として挙げられます。多くの企業では、中堅社員を育成できる人材が不足しているのです。

入社から一定の年数が経過した社員は、業務の範囲で必要スキルは身に付けいています。しかし、さらに会社に貢献するスキルを身に付けるためには、特別な指導が必要です。一方で、中堅社員に指導を行うべき役職の人材も、自身の業務に追われていることや経験不足から、求められている指導を実践できずにいます。

無理に中堅社員の育成を内製化しようとして失敗するケースも少なくありません。効果的に中堅社員を育成するためには、外部の中堅社員研修サービスを利用することも検討して、足りていないスキルや知識の習得を目指す必要があります。

期待する役割を果たせる中堅社員を育成する方法

現状を把握する

まずは、成長を期待している中堅社員自身に現状を把握してもらうことが大切です。会社のなかで、自分たちが中心的な存在である自覚を持たせる必要があります。具体的には、単なる業務の能力だけではなく、自分たちの意思決定が会社の利益に影響することを理解してもらうのが大切です。

会社のなかで果たすべき役割をはっきりと認識してもらいましょう。新入社員と比較して大きく成長していない場合は、意識改革や能力開発が求められます。「中堅社員としての活躍を期待している」という会社側からの明確な要求を示すことで、「成長しよう」というモチベーションアップの効果が生まれてくるかもしれません。

キャリアの展望を示す

中堅社員以降のキャリアプランを示すことも重要です。現在の管理層や経営層などの具体例を示してキャリアを見通せるようにすることで、自発的に成長していく意欲を植え付けることができます。

将来的な自分の姿を想像しやすい具体例を示すことが重要です。資料提供やセミナーなどの施策を実施してもよいでしょう。適宜メンタリングを行い、成長意欲の豊富な社員に対して目的を示してあげることも大切です。

新しいことにチャレンジさせる

優秀な中堅社員を育成するために、積極的に新しい業務を担当させましょう。同じ業務をずっと担当していると仕事に慣れてしまい、新鮮な気持ちで仕事ができなくなっていきます。単純な作業だけではなく利益に直結する業務を担当させることで、企業へのエンゲージメントが高まるかもしれません。また、部下を持たせるなど、責任を伴う仕事を任せて中堅社員の成長を促すのもおすすめです。

「会社に貢献してくれる中堅社員を育成しよう」

中堅社員は現場の最前線で業務を行う立場であり、後の戦力となる新入社員を育成していく立場でもあります。優秀な中堅社員を増やすことは、会社にとって極めて重要といえるでしょう。まずは、自社の中堅社員が十分な能力や知識を有しているか、またその数は十分かどうか、状況を見直してみてください。中堅社員の育成に着手する場合は、この記事の内容を参考にしていただければ幸いです。



この記事の監修者

株式会社 社員教育研究所 編集部

株式会社社員教育研究所 編集部

1967年に設立した老舗の社員研修会社。自社で研修施設も保有し、新入社員から経営者まで50年以上教育を行ってきた実績がある。30万以上の修了生を輩出している管理者養成基礎コースは2021年3月に1000期を迎え、今もなお愛され続けている。この他にも様々なお客様からのご要望にお応えできるよう、オンライン研修やカスタマイズ研修、英会話、子供の教育など様々な形で研修を展開している。

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