フリーライダー対策を研修で!生まない組織を作るマネジメントと社員の意識改革
更新日:2025年11月20日(木)

高い給与をもらっているのに仕事をしない上司、手柄を横取りする上司や同僚など、とかく話題となる、どこの職場にもいる、人の成果に「ただ乗り」するフリーライダー。なぜ職場内にこうしたフリーライダーが生まれてしまうのでしょうか。また、フリーライダーが生まれてしまった場合、会社としてどのような対応が必要なのでしょうか。本記事で解説していきます。
▼この記事でわかること
- フリーライダーは、職場(人)の成果にただ乗りする社員のことを指す
- 組織内でフリーライダーが生まれる背景には、評価制度や組織構造の問題がある
- フリーライダーは組織の活性化を妨げ、長期的には会社の成長に悪影響を及ぼす
- 具体的対策として、社員の行動を「見える化」し、360度評価などで公平性を保つ方法がある
- 管理職・一般社員向け研修で意識改革とスキル向上を行うことが、持続的な組織づくりに有効
フリーライダーとは何か
フリーライダーは本来、「ただ乗り」という意味を持ち、経済学で「公共財」という財やサービスを考える時に、よく扱われるテーマです。公共財の例としては、消防、警察、国防、放送などがあげられます。
例えばNHKのテレビ放送(番組)は、ある人が見たからといって、別の人が見られないことはありません(非競合的)。しかし、対価を払わない人が見ないようにすることは困難です(非排除的)。
つまり、公共財とは、非競合性(ある人の消費によって別の人が消費できる量が減らない)と非排除性(対価を支払わない人が消費することを排除することができない)の性質を持つ財のことを言います。
ここから派生して、高い給与をもらっているのに仕事をしない上司、手柄を横取りする上司や同僚など、人の成果に「ただ乗り」する人たちをフリーライダーと呼びます。
よくあるケースでは、部下が上司からあるテーマでプレゼン資料の作成を頼まれ、時間をかけて仕上げ提出すると、上司はその資料をそのまま使用し、役員クラスにプレゼンし、高評価を受け、それを自分の成果のように話をしてしまうというのがあります。部下としては、せめて感謝の言葉くらいはかけて欲しいところでしょう。
また、以下のような部下の苦情もよく耳にします。
「うちの上司は、朝出社するとパソコンの前に座ってネット三昧。たまに忙しそうにパソコンの前でキーを叩いているのを見ると、ただ単に、自分の趣味の英書をひたすらタイプし英語の勉強。あたかも忙しそうにメールを書いているように見えるが、実際は英語の勉強三昧。上(経営トップ)から何か依頼があると、『君、やっといて』と言われ、時間をかけて仕上げると、それをあたかも自分でやったように上(経営トップ)にプレゼンするんですよ。やってられませんよ。」
どうして組織内にフリーライダーが生まれるのか
上に挙げたケースは、現在日本の職場で実際に起こっていて、フリーライダーと呼ばれる人々の増殖が今問題になっています。
このような現象は、急に出てきたわけではありません。昔から、「給料泥棒」という言葉があるように、そうした社員はいましたし、ある程度の規模の会社組織になるとこうした社員が必ずいたのです。しかし、昔の会社はそれを受け入れ、それなりに機能していた面もあります。
高度成長がそうした人たちをもカバーしてきたのです。終身雇用が一般的だった昭和の時代は、そうした会社の「困った人々」を時間とコストをかけて教育し、人材として活躍できる場と機会を作ることができたのです。
また、組織構造がピラミッド型で管理職(高齢者)が少なく、毎年新入社員が入って来て、このピラミッド構造が長期にわたり維持できていたのです。そのため、バブル崩壊以前の日本では、職場のフリーライダー問題は深刻化せず、特に対処する必要もなかったと言えます。
しかし、現在は市場が激変し、状況が変わってしまっています。
高齢管理職者が多くなり、新入社員が毎年入る機会も少なくなり、こうしたピラミッド構造が崩れ始めてきました。その対策として、55歳役職定年制度というものが導入されたり、最悪の場合はリストラ(希望退職制度の履行)を実施したりして対応しています。しかし、それでもこのフリーライダー問題は依然として残っています。こうしたフリーライダーが組織に及ぼす悪影響を何とかしないと、組織の活性化に支障をきたすことになります。
フリーライダーが生まれてしまった時の対処方法
まず、組織の「見える化」です。組織が、そこに所属する社員が何をしているのかわからない、見えないというのを見えるようにする必要があります。
例えば営業であれば、「営業日報の作成とその活用」で、各営業部員が、今、どこの顧客を訪問し、どのような商談を行っていて、その成果が評価される仕組み作りが良い例です。
また、フリーライドすれば、後でツケが回ってくる組織風土を作ることも大切です。人事評価制度の中に「360度評価」を導入することも一つの対応策と言えます。
このように、良い意味でお互いを監視し、協力できる長期的な人間関係がフリーライダーを防ぐ機能になるのではないでしょうか。
フリーライダーを防ぐための組織づくりと社員教育(研修)の重要性
フリーライダーを防ぐためには、仕組みづくりと同時に、社員一人ひとりの意識改革が欠かせません。制度を整えるだけでは限界があり、「なぜチームで成果を出すのか」「自分の行動が組織全体にどう影響するのか」を理解する教育が必要です。
特に近年は、多様な働き方の広がりによって個々の仕事ぶりが見えにくくなっています。だからこそ、自律的に動ける社員の育成と、公正な評価を行えるマネジメント力の両立が重要なのです。
そこで、管理職層には公正な評価と「見える化」を徹底するマネジメントスキルや部下育成・指導力が、一般社員には自律的に成果を生み出すプロ意識とスキルが、これまで以上に強く求められています。
社員一人ひとりの意識と行動が変わることで、フリーライダーを生みにくい職場風土が形成されます。つまり、研修による意識改革を進めることが、持続的に強い組織づくりの鍵となるのです。
フリーライダー対策におすすめ!社員教育研究所の研修一覧
フリーライダーの発生を防ぎ、組織の活性化を促す鍵は、外部の専門的な知見を活用した社員教育です。ここでは、現代の組織課題に対応する研修を専門的に行っている社員教育研究所のプログラムを厳選してご紹介します。
▼管理職向け
- 管理者養成基礎コース:管理職・管理者としての意識改革を行い、マネジメント力を基礎から伸ばす
- リーダーの条件 通学コース:短期間で部下育成・指導力を高める
- 組織力向上研修:メンバーの主体性を引き出し、協調型リーダーを育てる
- 判断、決断 そして問題解決学:マネジメント層・管理職向けに「問題発見・目標達成」のスキルを強化
▼一般社員向け
- フレッシュマン颯爽研修:社会人としての心構え・意識改革に注力
- 行動力パワーアップ:自ら積極的に行動し、成果を出す力を養う
- ビジネス特別実践研修:実践的なビジネススキルを身につけ、日々の業務で成果を出す力を強化
- GO!フレッシュマン現代の行動学:現代の働き方に合わせ、主体的に行動する姿勢と能力を育成
フリーライダーを生まないために、意識と仕組みの継続的改革を
フリーライダー問題の解決は、一時的な制度変更ではなく、「組織の見える化」という仕組みと、社員一人ひとりの意識改革という両輪で進めることが鍵となります。
管理職には公正な評価と育成力、一般社員には主体的に成果を出す行動力が求められますが、こうした人材育成を体系的に支援できるのが社員教育研究所の研修です。
持続的に強い組織づくりを目指すなら、ぜひ実績豊富な社員教育研究所にお任せください。貴社の組織課題を根本から解決するため、社員教育のプロとしてしっかりサポートいたします。
FAQ
フリーライダーとは何ですか?根本的な原因はどこにありますか?
フリーライダーとは、職場で他人の成果にただ乗りする社員を指し、高給与でも仕事をしない、手柄を横取りする行為が典型例です。個々の仕事が「見えにくい」こと、そして社員の自律性やプロ意識の不足が根本的な原因となっています。
フリーライダー対策として有効な方法は何ですか?
組織の「見える化」や360度評価、人事制度の整備、社員教育による意識改革が有効です。
社員教育研究所の研修はフリーライダー対策にどう役立ちますか?
管理職向け研修では、公正な人事考課や部下指導のスキルを習得し、フリーライダーを生まないマネジメント力を強化。一般社員向け研修では、当事者意識やプロ意識を確立し、自律的に組織に貢献する社員へと意識改革を促します。
この記事の監修者
株式会社社員教育研究所 編集部
1967年に設立した老舗の社員研修会社。自社で研修施設も保有し、新入社員から経営者まで50年以上教育を行ってきた実績がある。30万以上の修了生を輩出している管理者養成基礎コースは2021年3月に1000期を迎え、今もなお愛され続けている。この他にも様々なお客様からのご要望にお応えできるよう、オンライン研修やカスタマイズ研修、英会話、子供の教育など様々な形で研修を展開している。









