朝礼や終礼で得られる組織活性化と成功事例
2016年6月29日(水)
朝活という言葉がよく聞かれるようになって久しいですが、世の中の成功している人は朝早起きし、朝の時間を有効に用いている人が多いというのも有名な話です。様々な職場では始業の際に朝礼を行い、さらに最後には終礼で仕事を終えているようですが、マンネリ化や、朝礼や終礼自体を煩わしく感じる人は少なくないようです。一方で朝礼や終礼を効果的なものにすることによって職場に活気と業務の効率の向上をもたらしている企業がたくさんあるのも事実です。どのようにすれば朝礼や終礼のひと時を有意義で効果的なものとすることができるのでしょうか。
コミュニケーションの場として
職場においてのコミュニケーションの大切さは頻繁に語られていることだと思いますが、マンツーマンでの対人関係だけでなく、朝礼や終礼の時間のように大人数でおこなうコミュニケーションも非常に重要なファクターとなってきます。実際朝礼や終礼の時は必要な情報を伝える必要がどうしてもあります。箇条書きで情報を伝達するだけでは朝礼はマンネリ化しがちですが、同時に日々の業務に関する重要事項を伝えなければならないのも事実です。
特に朝礼に関しては、忙しい始業前の時間帯に、絶対伝えなければいけない業務情報を伝達しながらも、単なる早口の情報伝達で終わらないためにどのような点を心掛ければよいのでしょうか。
伝達情報の優先順位を考える
職場によっては朝礼で伝える業務の情報が多い場合もあるでしょう。そのような場合まだしっかり起きていない頭に一気に大量の情報を伝えても覚えていられるわけがありません。それで伝えるべき情報の優先順位を考えるようにしましょう。すべてを同じレベルで伝えようとせず、優先順位の高いものを初めに持ってきて、重要なものであれば、口頭で伝えると同時に資料や社内のPCなどでも確認できるようにしておくべきです。
毎日共有すべき情報がさほど変化しない職場などでは新たな情報を伝える必要がそれほどないため、もっと社員同士のコミュニケーションに重点を置いて朝礼をおこなうことができるでしょうが、例えばコールセンター業務のように日替わりで情報の変化がある職場ではどうしても朝礼がバタバタしたものになりがちです。社員の朝礼への注意を高めるために、伝達の仕方に工夫をすることが大切です。
モチベーションを高める場として
一方朝礼や終礼、あるいはそのどちらかを日々の業務に関するニュースで終わらせるのではなく、社員のモチベーションを高めるために利用している企業も多くあります。特に中小企業のように社長や重要ポジションに就いている社員が直接朝礼を仕切ることができる規模の会社ではこうした傾向が見られます。
モチベーションを高めるために色々な方法が試されています。叱咤激励する方法もありますが、朝から説教されていると感じたり、プレッシャーをかけられたりしていると感じて始業前に心がトーンダウンしてしまう人もいるでしょう。またそれぞれの一日の目標を言わせるという方法をとる人もいますが、毎日これを続けるとあっという間にネタ切れになり、朝礼で目標を言うためだけの目標作りになってしまいがちです。では朝礼で社員たちのモチベーションを高めるためにどんなことをおこなえるでしょうか。
ポジティブな言葉で一日を始め、一日を終わる
人がやる気を起こす時というのはどのような時でしょうか。基本的には褒められた時です。他人から厳しいことを言われてそれを発奮材料にして頑張るという人もいますが、それは少数派のハートの強い人たちでしょう。多くの人は人から褒められ自尊心が高まることによって気持ちも上昇し、やる気が起きるものです。それで朝礼や終礼でかける言葉をポジティブなものにするよう務めることが重要です。
業務内容や社内の問題で物事がうまくいっていないときに社員を褒めるというのは確かに難しいことかもしれません。時には厳しいことを言わなければならないこともあるでしょう。しかし基本的にポジティブな言葉をかけるよう努力するならば朝礼や終礼によって社員の労働意欲を刺激し、モチベーションを駆り立てることができるはずです。それぞれの頑張っている点を具体的にあげて褒めることは非常に良い方法です。日本人の文化ではそのような褒め方をすること自体少し恥ずかしく感じるかもしれませんが、効果的な朝礼をおこなうためにぜひ試していただきたい方法です。
学ぶ場としての朝礼・終礼
営業に携わるような部署では朝礼で、トークの練習を毎日誰か1人が実演するというような会社もあるようです。新人にやらせて問題点を指摘したくなるかもしれませんが、むしろ効果的なのは先輩たちが模範を見せることによって、朝礼を学ぶ場として新人に提供することです。
朝礼・終礼の効果を侮らない
朝礼や終礼というのは多くの場合5分~15分ほどの時間があてられます。これは決して短い数字ではなく、一ヶ月単位にすればかなりの時間になります。もしこの時間を無駄に過ごしてしまうとしたら会社にとって、また個人にとって大きな損失となるでしょう。効率の良い情報伝達を心掛けること、ポジティブな言葉を用いて社員の心の状態を前向きにすること、できれば参加するすべての社員にとって少しの学びの場となるよう工夫することによって業務効率の向上に役立つ朝礼・終礼を作り上げていきましょう。
この記事の監修者
株式会社社員教育研究所 編集部
1967年に設立した老舗の社員研修会社。自社で研修施設も保有し、新入社員から経営者まで50年以上教育を行ってきた実績がある。30万以上の修了生を輩出している管理者養成基礎コースは2021年3月に1000期を迎え、今もなお愛され続けている。この他にも様々なお客様からのご要望にお応えできるよう、オンライン研修やカスタマイズ研修、英会話、子供の教育など様々な形で研修を展開している。