プレゼンテーション能力(プレゼン能力)の高め方
2018年7月14日(土)
2023年12月4日(金)
ビジネスにおいてプレゼンテーション能力(プレゼン能力)は欠かせません。プレゼンテーションのスキルが高ければ取引先やクライアントにこちら側の提案や魅力、メリットなどを明確にプレゼンでき、ビジネスチャンスをさらに広げる可能性につながるでしょう。
ここでは、相手に伝わるプレゼンテーション能力が身につく方法についていくつかご紹介します。大まかには、以下のようなことが言えます。
- プレゼン能力は準備に関わるスキルとコミュニケーション系のスキルに分けられる
- 相手のリサーチと準備、リハーサルを入念に行うだけでもプレゼン能力は高まる
- 準備は目的を念頭に置き、相手を理解することが前提となる
- 本番では、声の大きさ・スピード・間に注意しつつ全身で伝えることが大切
- プレゼン能力はコミュニケーション能力とも重なるため、コミュニケーションの研修を受講することも有効
プレゼン能力向上を目指している方はぜひ目を通してください。
そもそもよいプレゼンテーションとは
初めによいプレゼンテーションとはどんなものかについて考えますが、その前にそもそもプレゼンテーションとはどんなことかの確認をしておきましょう。プレゼンテーションとは、聞き手に情報を与えることで理解を得たり納得してもらうことです。ビジネスにおいては、納得してもらった結果として商品を購入してもらったり契約してもらったりすることが目的となります。一般に、資料やスライドを使いながら言葉で説明していきます。
よいプレゼンテーションとは、最終的な目的となる意図した行動を相手に起こしてもらえるプレゼンテーションです。聞き手が理解しやすい、興味を持って聞くことができるなどの特徴もありますが、それらは行動を起こしてもらうための副次的な特徴に過ぎません。あくまで相手が納得して行動を起こすのがよいプレゼンテーションです。
プレゼン能力の要素とは?
「プレゼン能力」とよく言われますが、プレゼン能力とは1つのスキルを指すというよりいくつかのスキルが組み合わさったものだと考える方が実態に即しています。プレゼン能力は、具体的には、次のようなスキルに細分化することができます。
- 説明の順序を決める構成力
- わかりやすい資料の作成力
- 伝わりやすい話し方
- 相手の理解度などを測る観察力
- 臨機応変な対応力
細分化されたスキルを見るとわかりますが、プレゼンテーションがうまいとされる人は本番のスキルが高いだけではありません。準備のスキルも高いのです。さらに、本番での話し方・観察力・対応力はコミュニケーション能力を細分化したものでもあります。コミュニケーション能力を鍛えることは、プレゼン能力の向上にもつながります。
では、それぞれの要素について解説していきます。
説明の順序を決める構成力
まずプレゼン能力の1つに、説明の順序や構成を決める力があります。相手が納得できるように情報を提供するためには、どのような順序で説明したらわかりやすいか論理的に練ることが必要です。
相手の予備知識がどの程度かなどを考慮しつつ、ていねいに説明するべきポイントやくどくならないようまとめるポイントなどを検討します。また興味が途切れないような緩急の付け方を心得ていると、より人を惹きつけるプレゼンテーションが可能です。
わかりやすい資料の作成力
わかりやすい資料を作るスキルもプレゼン能力の一部です。プレゼンテーションはスライドや配布資料などをもとに行うのが一般的です。わかりやすく納得度を高める資料を作れると、プレゼンの目的を達成しやすくなります。
そもそも説明していくうえでどんな資料があるとよいか判断できる力に始まり、見やすくデザインしたり、とくに見てほしいところに意識が行くようにレイアウトや強調をしたりするスキルが資料の作成力につながります。
伝わりやすい話し方
本番での伝わりやすい話し方もプレゼン能力の1つです。一般的には、このスキルがある人がプレゼンテーションのうまい人と思われているのではないでしょうか。
大きく明瞭な発声、ゆっくりめの話すスピードなどが基本です。さらにスピードや声の大きさでメリハリを付けられると、聞き手は飽きにくくなります。ジェスチャーを交えたり聞き手と目を合わせたりしながら話すことも、伝わりやすさを高めるコツです。さらに説明の言葉の選び方についても、専門用語に頼らず嚙み砕いた言葉で話すことが大切です。
相手の理解度などを測る観察力
本番中に相手の理解度を測る観察力もプレゼンテーションには必要です。聞き手の理解度を高めるための助けとなるからです。相手に納得してもらいこちらの望む行動を取ってもらうためには、話の内容を理解してもらわなくてはなりません。聞き手がよくわかっていないのに話を進めていっては、関心もなくなり理解もできません。
話しながら聞き手のようすを観察したり、必要に応じて質問したり逆に質問を受けたりしながら説明できると、聞き手は理解しながら話を聞くことができます。
臨機応変な対応力
本番で臨機応変に対応できる力もプレゼン能力の一部です。プレゼンテーションは準備が占める部分も多く、しっかり備えて本番に望めばクオリティの高いプレゼンテーションも実現可能です。しかし、不測の事態が起こることもあります。そういったときに臨機応変に対応できるとクオリティのブレがなくなります。
たとえば事前のリサーチと比べて実際の相手の理解度が低かったような場合、用意してきた説明では理解されないということもあるでしょう。そのようなとき、実際の理解度がわかった時点で噛み砕いた説明に切り替えたり、構成自体を変更したりできる対応力があると目的を達成しやすくなります。
プレゼン能力は後からでも身につく
プレゼン能力は才能ではなくあくまでスキル・技術なので、後からでも身につけることができます。軽く述べたようにプレゼンテーションは準備が占める割合も高いため、人前で話すのが苦手だったとしても準備のスキルを高めるだけでも伝わりやすさを高めることができます。
本番で必要なスキルも向上させることができます。たとえば、誰でもゆっくり話すことができます。本番でゆっくり話せなくなるのは緊張したりするせいに過ぎず、ゆっくり話す能力がないからではありません。訓練すれば人前でもゆっくり話せるようになります。ほかのスキルも同様に、練習次第で向上できます。
プレゼン能力の必要性
仕事でプレゼンテーションを任されたことがある、という方もおられるでしょうが、一口にプレゼンと言っても難しいものです。自分では上手に説明したつもりでも相手にしっかり正確に伝わらないこともありますし、後から散々な評価を聞かされてショックを受けた方もおられるのではないでしょうか。
冒頭でもお話したようにビジネスにおいてプレゼン能力は絶対に必要ですし、なくても何とかなるといったレベルの話ではありません。プレゼン能力が低ければ、ビジネスシーンにおいて他社から圧倒的な差をつけられてもおかしくない話なのです。逆に考えると、高度なプレゼン能力を身につけていれば、これほど強力な武器はないでしょう。
プレゼン能力が役立つ場面
プレゼン能力は、さまざまな場面で役立ちます。具体的には次のような例が挙げられます。
- 営業・コンペなどでの提案
- 取引での交渉
- 会議などでの報告・発表
- チーム内の報連相
- 上司へのアピール
それぞれについて見ていきましょう。
営業・コンペなどでの提案
まず、プレゼンテーション活用の場として営業やコンペなどでの提案が挙げられます。一般にプレゼンテーションと言ってイメージされるのもコンペではないでしょうか。自社の製品やサービスを購入したり契約してもらったりするために、自社製品のメリットや独自性などを伝えることが目的となります。
自社製品の特徴の中から聞き手のニーズに合致するところを探って、相手の課題を解決できることをアピールしなくてはなりません。売上に関わる重要な場面であり、プレゼン能力が役立ちます。「ビジネスにおいてプレゼン能力がなぜ必要か」の最も大きな答えだと言えるでしょう。
取引での交渉
取引や商談での交渉にもプレゼン能力が役立ちます。先方が検討や契約前提の段階に入ると、条件面などでお互いに交渉しなければならない場面が出てきます。交渉ごとは、説明を行うことで納得のうえ合意を目指すものです。プレゼンテーションはすでに述べたように、情報を与えることで意図した行動を取ってもらうことです。
交渉におけるお互いの妥協点を探ったり自社の希望を通したりすることも、ある意味ではプレゼンテーションです。納得を得る過程で、プレゼン能力が役立ちます。
会議などでの報告・発表
会議などでの報告や発表にもプレゼン能力が活用できます。確かに報告や発表は、必ずしも聞き手の行動を促すものではありません。事実や意見を伝えることそのものが目的となることも多くあります。しかし、その際もプレゼン能力があるとわかりやすく相手に説明することができます。
またよい報告や発表ができると評価も高まるので、間接的に自社や自分にとって有利になったり将来的にメリットが生まれるきっかけとなったりする可能性もあります。
チーム内の報連相
社内やチームで報連相を行うときにもプレゼン能力が役立ちます。コンパクトにわかりやすい説明が可能になるからです。
忙しい中で報連相を行うためには、手短に必要な事項を誤解のないよう伝える必要があります。その際にプレゼン能力があると、ダラダラといたずらに長くなることなく理解しやすい説明ができます。自分への評価も高まるほか、コンペでのプレゼンテーション担当に抜擢されるなど将来につながる可能性もあるでしょう。
上司へのアピール
面談やチームの会議など、さまざまな場面で上司にアピールするのにもプレゼン能力があると効果的です。自分の業績や努力を理解してもらいやすくなるからです。立ち話レベルの雑談でも自己PRの一環として役立つでしょう。
大勢の前で行うプレゼンテーションとは異なる面も多くありますが、話の構成を考えたり反応を見ながら臨機応変に対応したりするスキルは、上司へのアピールにも活用できます。くどくならない程度にこまめにアピールできれば、昇進など直接的な利益も期待できます。もちろん口ばかりにならないよう、普段の努力は必須です。
プレゼン能力が高い人に近づく準備のポイント
「プレゼン能力が高い人」と思われるため、あるいは近づくためには、入念な準備がポイントとなります。本番以外の努力だけでも、ある程度プレゼン能力を高めていくことが可能です。具体的には次のようなポイントがあります。
- 相手についてリサーチする
- 構成を練る
- 大まかな流れと原稿を覚える
- リハーサルと自己チェック
- 本番の注意点
1つずつ見ていきましょう。
相手についてリサーチする
まず、相手についてリサーチします。どのようなニーズや問題意識を持っているのか、どのような結果を期待しているのか、現在の理解度はどの程度かといったことを調べます。事前にヒアリングすることができればベストです。調べられないことは、類似の事例をもとに想定していきましょう。
詳細なリサーチと研究が、相手の理解や納得度を高める第一歩となります。初めにできるだけ多くの情報を集めましょう。
構成を練る
次に構成を練ります。相手の現状をスタート地点、取ってもらいたい行動をゴールとするなら、その間を埋める道がプレゼンテーションです。スタートからゴールに到達するにはどのような道筋が最適かを考えます。それによって構成が決まります。
構成に基づき、必要な資料の構想と具体的な原稿作りに移ります。いきなり台本を書き始めるのではなく、大まかな流れを作ってから原稿を作るようにします。わかりやすさに大きな差ができるからです。必要に応じて内容を調整しながら、最善の構想を原稿を作りましょう。
大まかな流れと原稿を覚える
全体の流れである構成と具体的な台本となる原稿ができたら、それぞれを覚えていきます。このとき、台本の丸暗記だけでなく全体の構成も覚えておくことが大切です。台本の丸暗記だけだと、1か所セリフを思い出せないところがあるとそれ以降も思い出せなくなるリスクがあります。しかし骨格となる構成も意識しておくとリカバーしやすくなります。
原稿を覚えるときには、実際に話すことをイメージしましょう。どこを強調したいかを考え、ゆっくりはっきり話すべきポイントなども確認していきます。
リハーサルと自己チェック
流れと原稿を覚えたら、本番の前にリハーサルしておきましょう。本番に近い形で行うことが望ましいと言えます。ネックになるポイントが見つけやすくなるからです。
時間の余裕があるかどうかにもよりますが、リハーサルを録画したり録音したりするのがおすすめです。動画や録音をチェックすると、実際にどのように見えるのか、聞こえるのかが客観的にわかります。多くの気づきが得られるので、不慣れなうちはとくに自己チェックを行うとよいでしょう。
本番の注意点
本番では準備した成果を発揮できるようにしましょう。最大の敵は緊張ですが、入念に準備することで緊張を減らすことができます。また内容にもよりますが、微笑むなどにこやかに話すことも心がけましょう。緊張していたとしてもそれが相手に伝わりにくく、相手もリラックスして聞くことができます。その結果、自分も緊張せず話せるようになります。
さらに、本番では想像以上に早口になってしまっていることが多くあります。「ゆっくり過ぎるかな?」と思うぐらいゆっくり話すのがポイントです。
相手の理解力を測りながら進めましょう。雰囲気ではわかりにくいなら、「ここまでわからないところはありませんか」など質問してしまいましょう。
プレゼン能力を高める5つの方法
先ずプレゼンテーションの本番をイメージしてみましょう。次のような場面を30秒間イメージしてください。【あなたは新商品をプレゼンするために、大事な取引先に出向きます。待ち受ける先方は社長以下重鎮がズラリ。緊張感が漂う重苦しい雰囲気の中でスライドを使って熱弁。すると最初は興味なさそうだった聞き手が次第に頷き出し、こわばった表情がほころび、そのうち身を乗り出し、プレゼンが終わった時はお互い笑顔で握手】
このように聞き手を魅了し、自分の伝えたいことに多くの人から賛同が得られるプレゼン能力を身につけるには、プレゼンの準備段階と本番で必須のスキルが求められます。自分のプレゼン能力が低いのではないかと自覚している方向けに、そのポイントを5つの観点から紹介していきます。
目的を念頭に置く
プレゼンテーションを実施する目的を押さえます。聞き手に何を伝えたいのか、聞き手に何を考えて欲しいのか、聞き手にどのような行動を起こして欲しいのか…などです。
例えば社内の会議で次年度の方針を発表するとします。その目的は聞き手に方針を理解納得して貰うためなのか、会社の課題に対し解決策を考えて貰うためなのか、また具体的な行動まで求めるためなのか…その目的の違いによって準備するプレゼン資料や、やり方が変わってきます。
さらに例えば次年度の方針発表でなく商品企画の会議であれば、あるいは面接だったら…目的はまったく別のものになるでしょう。従って目的とゴールを明確にする必要があります。そうすることでプレゼンテーションの軸がブレなくなります。
聞き手を理解する
プレゼンテーションを行う相手の属性を押さえます。聞き手が期待していること、聞き手が抱えている悩み、聞き手が共感しやすいテーマ…などです。
中でも聞き手の多くから共感を得られれば、プレゼンテーションは半分成功と言っても過言ではありません。そのためには聞き手の職業・年齢・性別・経歴・趣味や知識レベルまで事前に把握しておくと良いでしょう。聞き手のことを知れば知るほど、聞き手の視点に寄り添うことができ、伝える情報を選別したり難しい用語を言い換えたりするなど、聞き手に配慮することができます。
話し方に配慮する
プレゼンテーションは、話し方ひとつで説得力が大きく変わります。特に意識してもらいたいことは、声の大きさ・話すスピード・話の間の3つです。
聞き手の数が多くなるほど、普段より大きな声で話さないと全員には伝わりません。また専門用語や難しい言葉を使う時はゆっくり目のスピードで話したり、話が変わる時は間を空けるなど相手にとって聞き取りやすい話し方を意識してください。初心者の人は自分の声やプレゼンテーションの様子を録画し、チェックすることをお勧めします。
全身で伝える
プレゼンテーションの中で、“ここはぜひ、強調したい”というところは声を大きくするだけでなく、ボディーランゲージを活用しましょう。手を動かしたりジェスチャーを入れることで、プレゼンテーションにアクセントがつきます。ただし常に動いていると、目障りになる可能性があるので“ここぞ”という時にボディーランゲージを活用してください。
本番のあと振り返りを持つ
本番のあとは、必ず振り返りの機会を持ちましょう。本番から時間をあけず、できるだけ記憶が鮮明なうちに行うのが好ましいと言えます。うまくできた点とできなかった点をピックアップして、うまくできなかった点を改善する方法も考えましょう。同席していた人がいるなら、良かったところと改善した方が良いところを挙げてもらいます。
そうして反省を次回に生かします。次に準備する際には、前回の反省点を改めてチェックしましょう。この積み重ねがスキルを高めることにつながります。
説得力のあるプレゼンテーションを実現するためのフレームワーク
プレゼンテーションの主な構成
プレゼンの基本構造は3つに大別されます。それはイントロダクション(導入)・ボディ(本体)・クロージング(まとめ)です。
先ず導入段階でプレゼンテーションの目的や全体の流れを説明し、聞き手に興味を抱かせます。アイスブレイクなどで聞き手をリラックスさせるのも有効です。続くボディはプレゼンテーションの核となる部分で、背景・提案・結論などをわかりやすく伝え説得力を持たせます。そして最後にクロージングで、ボディの内容を要約し今後の聞き手に期待することを伝えます。
クロージングが、ゴールとなる期待すべき行動を示す部分になります。ゴールから逆算してゴールに向かうための導入やボディを考えていくと、目的からブレていない構成ができるでしょう。
プレゼンはボディに一番時間がかかります。しかしイントロダクションもクロージングも、しっかり作り込むことでプレゼンテーションの精度は上がります。
プレゼンテーションのボディを考える際のフレームワーク
プレゼンテーションの核となるボディを考える時に、悩まれたことはないでしょうか。伝えたいことがなかなか浮かんでこなかったり、逆にアイデアが膨らみ過ぎて上手くまとまらなかったり…。そこで役立つのがフレームワークです。フレームワークを活用すれば、伝えたいことを考えるきっかけになったり、伝えたいことを整理し順序立ててストーリーを組み立てやすくなります。そこで代表的なフレームワークを4つ紹介します。
SDS法
SDS法とはSummary(要約)・Details(詳細)・Summary(要約)の略語で、構成がシンプルなことから汎用性が高いフレームワークです。初めに結論を要約して伝え、その背景について説明し、最後に再度全体を要約します。上司に簡単な報告をする時、また関係者に連絡事項を共有する時など、日常の社内業務でも活用シーンが多く幅広い人に伝わりやすいフレームワークです。
PREP法
PREP法とはPoint(ポイント・結論)、Reason(理由)、Example(実例・事例・具体例)、Point(ポイント・結論)の略語で、ストーリー重視で時間をかけるプレゼン向きです。最初に結論を述べ、次にその理由を説明、事例で理由を補強し、最後に結論を再度提示。結論から入るのはSDS法と同様ですが、その根拠を明確にすることで論理的で説得力が増します。
DESC法
DESC法とはDescribe(客観的な状況)・Explain(主観的な気持ち)・Specify(提案)・Choose(代案)の略語で、相手に何かをお願いする時や言いにくいことを伝える時、お互いを尊重しながらコミュニケーションを交わす方法です。先ず客観的な事実を伝え、次に感情的にならず素直な自分の気持ちを述べ、提案や代案をしたり、アサーティブに意見を伝えたりする時に役立ちます。
FABE法
FABE法とはFeature(特徴)、Advantage(優位性)、Benefit(顧客便益)、Evidence(証拠)の略語で、先ず商品やサービスの特徴を伝え、競合と比較し自社の優位性を説明します。次にその商品を使うことのお客様メリット、そして裏付けの根拠を示します。このフレームワークの特徴は分析で、多面的な比較と数字の活用で社内稟議や提案営業に活用できます。
プレゼン能力を支えるコミュニケーション力
プレゼン能力は、コミュニケーション力が裏打ちとなって支えると言えます。次に、コミュニケーション力をもとに見たプレゼン能力について、重要性と磨く方法という観点から解説します。
プレゼンテーションにおけるコミュニケーションの重要性
相手に何かを伝えるとき、コミュニケーションが必要となってきます。プレゼンテーションを行うのは自社が提案する商品やサービスなどの魅力を明確に伝えることですし、その上でビジネスパートナーを募り、商品やサービスを購入してもらうという流れになります。プレゼンでは取引先やクライアントにしっかりと話の内容を伝える必要があり、そのためには何よりもコミュニケーションスキルが必要となります。コミュニケーションがしっかり取れれば意思の確認をしながらスムーズに話が進み、より中身の濃いプレゼンも可能になるでしょう。
「相手に伝える技術」というのは「コミュニケーションの技術」です。つまり、コミュニケーションスキルが上がれば、自然とプレゼン能力も向上するのです。そのためにはコミュニケーション教育、コミュニケーション訓練も必要になってくるでしょう。現在多くの企業でコミュニケーション研修が行われているのにはこうした背景もあるのです。
コミュニケーションを磨く方法
ビジネスに必須となるコミュ力を磨くには、具体的にどのようなことをすれば良いのでしょうか。先ほどコミュ力を磨くことがプレゼン能力向上にも結び付くというお話をしましたが、そのためには何をすればいいのかと悩む方もおられるでしょう。
さまざまな方法があげられますが、まずは自分が話したいことをより具体的に伝える意識を持つことです。より具体的で分かりやすく話そうと努めれば、相手に自分の気持ちが伝わりやすくなるものです。そこを意識するだけでも随分変わってくるでしょう。また、相手の気持ちを具体的に考えること、分かりやすいように例え話などを上手に使うといったことも大切です。
コミュニケーションスキルは一朝一夕に身につくものではありませんし、頭では理解できても、すぐ実践できるようなものでもありません。日頃から常に意識することが大切ですし、普段からたくさんの人と会話を交わしトレーニングする必要もあります。常に意識的にコミュ力向上に努めていれば、何気ない会話もトレーニングになりますし、コミュニケーションスキルの向上にも一役買ってくれるでしょう。まずは日頃から常に意識して会話するよう心がけてください。
プレゼンテーションスキルの向上に効果的な研修
プレゼンテーションスキルを向上させるためのワークショップなども行われていますから、こうした研修やセミナーに参加するのもおススメです。プレゼン能力アップを目指すさまざまなノウハウをレクチャーしてもらうことができますし、効率よくプレゼン能力がアップできるのではないでしょうか。
こうしたセミナー、研修に参加するには費用も当然必要ですが、それだけの価値がある話も聴けるはずです。プレゼンテーションに必要となるさまざまなテクニック、考え方なども身につけることができますし、一気にコミュニケーション力、プレゼン能力をアップさせることも可能になるでしょう。検討してみる価値は十分あります。
実践を通じてプレゼンテーションスキルを高めよう
コミュニケーションの本質は伝達です。伝えることと、達することは意味が違います。相手に伝えたいことが達してこそ価値があり、そこをゴールにしてください。そうすると「言ったのに」「伝えたのに」「分かってもらえない」と相手のせいにせず、自分の伝え方を振り返るようになります。向上心が芽生えます。クセを直そうとします。新しい方法を試そうとします。その日常の積み重ねによって、おのずとプレゼンテーションスキルが上がっていきます。
この記事の監修者
株式会社社員教育研究所 編集部
1967年に設立した老舗の社員研修会社。自社で研修施設も保有し、新入社員から経営者まで50年以上教育を行ってきた実績がある。30万以上の修了生を輩出している管理者養成基礎コースは2021年3月に1000期を迎え、今もなお愛され続けている。この他にも様々なお客様からのご要望にお応えできるよう、オンライン研修やカスタマイズ研修、英会話、子供の教育など様々な形で研修を展開している。