効率良くビジネススキル研修を行うために
2019年7月29日(月)
時代の変化と共に、企業の研修スタイルも大きく変わってきました。最近はどの企業も新入社員教育をしっかりと行い、中でもビジネススキルを重要視するようになっています。新入社員をしっかり育てていくためにも、まずは効率の良い教育方法を学んでいきましょう。
研修期間とビジネススキルアップの項目
大手企業であっても、新入社員が一人前に育つまでは人件費分が負債になるので、一定の期間までに仕事を身に付けてもらわなければいけません。実務と同時に最低限のスキルも身に付けてもらう必要があります。
ほとんどの企業が半年間を目安に研修を行っており、修了した時点で最低限の業務をこなせる状態に教育しているようです。半年と言っても、初めて社会に出て仕事を行う新卒の新入社員にとっては、とても短い期間です。教育を担当する方々は、新入社員の状態や気持ちを考慮しつつ、指導しなくてはいけません。
業務内容を教えるのは当然ですが、それだけではなく、ビジネスに関する最低限のスキルアップもサポートしておきましょう。具体的には、ビジネスマナー、パソコンスキル、コミュニケーションスキルが教育しておくべき3つの項目で、他にも接客スキルや営業スキルなどがあります。
ビジネスマナーについて
ビジネスマナーは最も重要視されており、学生気分が抜け切れていな社員にとっては必要不可欠になってきます。部活動などの経験があれば、目上の人に対しての言葉遣いや態度をある程度熟知しているかもしれませんが、昔と違ってルーズな時代なので完璧とは言えないでしょう。
指導する側にとって当たり前のことであっても、事細かく教える必要があります。
ビジネスマナーの内容
ビジネスマナーの教育方法も様々ありますが、最低限やっておかなければいけない項目があるので、しっかり覚えておきましょう。
第一に教えなければいけないのが挨拶と言葉遣いです。挨拶や言葉遣いは日常の癖があるため、身についている人と出来ない人がいます。出来る人であっても、声量が小さい場合があるので、最初の段階で教育しておいた方がいいでしょう。
次に重要なのが名刺のやり取りで、どんなジャンルの仕事であってもとても大切なので、正しい方法を指導しておく必要があります。受け渡しだけでなく、受け取った後の置き場や名刺入れにしまうタイミングなどもしっかり教えるようにしましょう。
その他だと、エレベーターやタクシーに乗る時の位置や、電話応対などがビジネスマナーの基本項目になります。
パソコンスキルについて
現代社会において、パソコンをある程度使いこなせないと業務に支障が出ると言われているので、研修のカリキュラムに入れておいた方がいいでしょう。最近は高校や大学などでパソコンの授業もあるので、新入社員であっても基本的なスキルは身についているかもしれません。
但し、独学で学んでいる方も中にはいるので、正しいスキルを最低限指導しておく必要があります。
パソコンスキルの内容
パソコンスキルと言ってもさまざまですが、業務上必要な最低限のスキルで問題ありません。
アプリケーション製作などの専門的な業務を除き、主にExcelやWord、PowerPointの基本動作だけでも結構です。Excelなら表計算やグラフ作成方法、Wordなら必要文書類の作成方法です。PowerPointの場合、プレゼンテーションの作成だけでなく、プレゼンテーションの基本的なやり方も教えておいた方がいいでしょう。
コミュニケーションスキルについて
コミュニケーション能力が高い方ならあまり問題ありませんが、最近は人と接するのが苦手と感じる新人が増えてきています。ネットゲームやSNSで他人とコミュニケーションを取る方法が増えましたが、対面でのシチュエーションが減っているのも事実です。
コミュニケーションスキルをしっかり身に付けることで、業務をスムーズに遂行できるメリットが生まれるので、なるべく丁寧に指導しておくようにしましょう。
コミュニケーションスキルの内容
コミュニケーションスキルは、学ぶ方より教える方が難しいので注意しましょう。自身のコミュニケーション方法をそのまま教えると、失敗する可能性があるので気を付けましょう。コミュニケーションスキルを向上させるのはとても大変で、実際はかなり時間が掛かります。
まずは有名なコミュニケーション関連の書籍を用意し、読ませることから始めましょう。コミュニケーションとは何なのか、しっかり理解させてから実践を開始するのが有効な方法と言われています。
実践に関しての方法はいくつかありますが、少しずつ成長してもらうためにも、テーマを設けてのディスカッションを数回行いましょう。いきなり自由な会話のみで進めてしまうと行き詰まる可能性があるので、テーマがあった方がスムーズに進めやすくなります。
その他のビジネススキルについて
先ほど挙げた接待スキルや営業スキルが該当しますが、業務内容によって必要なスキルが分かれるはずです。しかし、双方共に身に付けておけば後に役立つこともあるので、時間に余裕があれば指導しておくようにしましょう。
将来部署移動があった場合、その段階で基礎的なスキルを身に付けているかどうかが重要になってきます。
接客スキルと営業スキル
どちらもビジネスマナーの延長線上にあり、基本的にお客様と対面する業務になります。
まず接客スキルの指導で大切なのが、お客様に対しての心遣いをしっかり教育することです。又、丁寧な接し方だけでなく、表情についても教える必要があります。常に笑顔を崩さない練習や表情を豊かにさせるトレーニングが基本とされています。接客の資格を習得させる企業もあるので、近年重要視されているスキルと言えるでしょう。
営業にはさまざまなタイプがありますが、最低限のスキルを身に付けることを目標に指導を行いましょう。電話営業と訪問営業のマナーやクレーム発生時の対処法などの指導も大切です。但し、営業職は契約を取ることが仕事なので、積極性を磨かせることも忘れてはいけません。
研修を始める前に
何度か指導を行っている方であれば問題ないかもしれませんが、新入社員に教える立場なので徹底して準備をしておいた方がいいでしょう。
指導者が身についていないと説得力がありませんので、教える内容に関してしっかり把握し、普段から意識して心がけている必要があります。又、心構えだけでなく、資料の準備も怠ってはいけません。言葉だけだと伝わり難いこともあるので、最低限の資料をピックアップし、人数分プリントアウトしておきましょう。スクリーンなどがある企業であれば、PowerPointを活用してわかりやすく説明するのもひとつの方法です。もし時間に余裕があった場合、シミュレーションをしておいた方がいいでしょう。
最後に
これらの方法や情報をビジネススキルの指導に役立てて下さい。
もちろん他にも有益でさまざまな方法があるので、別の情報を集めることもお勧めします。何度か指導を担当している方は、どの方法が効果的だったか記録し、データを元に自分なりのカリキュラムを組むのもいいでしょう。
又、相手によって指導方法を変更するなど、臨機応変に対応することが大切です。