新人教育担当必見!新入社員研修マニュアルの作り方

カテゴリ:新入社員研修

2019年9月30日(月)

新人教育担当必見!新入社員研修マニュアルの作り方

一度作って終わりではない

創業間もない企業など、初めての新入社員研修でマニュアルを作りたい場合も、また、ずいぶん前に作成したために見直しを検討している場合でも、マニュアルは一度作成して終わりではありません。なぜなら、時代に合わせた見直しや、実際に研修を行ってみたあとの反省点や改善点など、フィードバックの結果を反映させる必要があるからです。

たとえば、現代はかつての時代にはなかった、ITの普及による情報漏洩対策やコンプライアンス意識の強化が大切になっています。また、パワハラやセクハラの問題、子育て対策や働き方改革、ワークライフバランスやメンタルヘルス対策なども重要になっています。女性が働きやすい環境作りや、女性の管理職登用に向けたキャリアプランニングなども意識して、研修内容にも盛り込んでいく必要があるでしょう。

しかし、マニュアルは毎年時間と労力をかけて一から作り直すものでもありません。なぜなら、社会人としての礼儀やマナーなどの基本的なビジネスルールはいつの時代でも大きく変わることはなく、また、その企業の経営理念や創業精神、求める人物像などは頻繁に変わるものではないからです。

そのため、作成にあたっては基本となる部分の内容をしっかりと固めながら、時代の変化やニーズに合わせて少しずつ手を加えやすいスタイルで作成していくことがポイントになります。

作り方のPDCAサイクル

マニュアルを作成するうえでも、またビジネスを効率的かつ生産的に行うにも、欠かせないPDCAサイクルを意識するとスムーズです。PDCAサイクルとは、Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)を繰り返すことによって、生産管理や品質管理などの管理業務を継続的に改善していく手法のことです。

まずは第一段階のプランニングとして、どんな内容を盛り込んでいくのか、新人に求めるビジネススキルの整理や棚卸しを行いましょう。新入社員に知ってほしい、自社の仕事の概要を洗い出していきましょう。自社特有の業務やスキルの棚卸しとともに、社会人として身に着けておきたい、これからに役立つビジネススキルを整理します。

たとえば、仕事を合理的に進め、相手を納得させるための論理的思考力や仕事を効率的に進め、心身共に健康で仕事を継続するための自己管理能力、職場や取引先、顧客との仕事をスムーズに進めるうえで必須のコミュニケーション力、将来に向け目的を持ってステップアップしていくためのキャリアプランニングの立て方などを入れ込んでいきたいものです。

第二に整理した内容を具体的に落とし込む作業にとりかかります。作成にあたっては、フォーマットを決めておくのがベストです。今の時代、ほとんどの方がパソコンでデータとして作成し、管理されると思います。新入社員研修の担当者や作成者が変わっても、同じスタイルで踏襲できるようにフォーマットを決めておくと安心です。同じ作成者が作る場合も、その時の気分や内容によって、ページ構成が全く異なってしまうと見にくくなってしまいます。ページごとに体裁が違う内容では新人も分かりにくく、指導を担当する講師にとっても使い勝手が悪くなるので、統一的なスタイルで書けるようにフォーマットを作りましょう。既存のマニュアルがある場合はそのフォーマットで統一したり、共通したフォーマットを改めて見直すことをおすすめします。

フォーマットの作成や、実際の落とし込み作業で意識したいのは、文字ばかりを羅列するのではなく、画像やイラスト、図やグラフなど視覚的に見て直ぐに分かりやすいものを用いることです。大量の文章が並んでいても頭にスッと入ってこないので、ポイントを箇条書きなどにまとめ、あとは講師が口頭で具体的に説明するスタイルにするのもひとつの方法です。また、文章をベースにする場合も、内容のポイントをまとめた囲み図や、イラストを用いた図解を入れ込むとメリハリがつきます。

第三段階でのチェックは、新入社員研修実施後にフィードバックを行うようにします。新人受講生の反応はどうだったのか、しっかり理解してもらえたか、研修に満足度や充実感を得てくれたか、研修の内容が職場へ配属後に行かされているか、などをチェックしましょう。受講した新人からのアンケートや生の声を聴いたり、講師からも研修の様子や講義後の意見を聞いてみましょう。

さらに職場配属後にそれが活かされているか、足りないことや研修でもっと強化してほしいと感じた点はなかったかなど、現場の声も聞きましょう。同時に、配属先の部門長や新人育成担当スタッフ、先輩社員たちの声をヒアリングします。また、配属後、少し期間が経った段階で、受講した新人から研修内容が役立っているか、もっと事前に学べたら良かった点はあったか、といったアフターフィードバックも得るといいでしょう。

そして、第四段階として次年度の新入社員研修に向けて、フィードバックしたポイントをマニュアルに反映させて改善を図ります。この際の改善や改定のためのメンテナンスのルールも決めておくと安心です。メンテナンスのタイミングとして、研修実施後にフィードバックを反映することと、年度末などに社会の流れや会社の仕組みの改変などに合わせた改定を加える計画を立てておきましょう。

新人への羅針盤を示そう

自社作成のマニュアルは、市販のビジネスマナー本や良きビジネスパーソンになるためのノウハウ本になってしまわないようにしたいものです。その会社で活躍し、キャリアを重ねていくうえでバイブルになるような内容に仕上げるのがベストです。

そのため、PDCAサイクルでプランニングするうえでは、次のような視点も踏まえ、人事部や配属先など会社全体の代表スタッフ、経営幹部なども巻き込んで話し合いなどを行い、検討することも大切になります。いつ頃までにどんなビジネスパーソンになってほしいのか、その際にどんなことを身につけている必要があるかなど、キャリアプランを描いていきましょう。時期ごとの到達点を新人教育の羅針盤として設定することで、新人も目標が明確になり、モチベーションを高めて取り組むことができるようになります。

たとえば、入社して半年経った段階では周囲の協力を得ながら取引先とやり取りができるようになる、10ヵ月後には一人で顧客を任されるといった具合です。そして、そのためにはどのようなスキルを身に着け、どのような目標を立て行動すればよいのか、目標を達成するために必要なことを明らかにし、到達までの道筋もあらかじめ羅針盤として示すと、途中で挫折することなく進んでいくことができます。

基本的なテーマやおすすめの内容

そのほか、内容として組み込んでおきたい定番のテーマや内容は次のような項目です。

1.ビジネスマナーと基本行動は押さえておきたい定番項目です。言葉遣いが学生気分のままでは、取引先や顧客、先輩社員とのコミュニケーションで失敗を起こしがちです。社会人としてのスキルを身につけさせましょう。

2.報・連・相など仕事の進め方の基本も、最初の段階でしっかり習得してほしいものです。

3、近年需要度を増しているコンプライアンスや、直ぐに辞めてしまう社員も多く問題になっているメンタルヘルスの管理方法やSOSの出し方なども学んでもらう必要があります。うかつなSNSでの発信や炎上動画の投稿をはじめ、顧客情報やクレジットカード情報などの流失、企業機密の漏洩やインサイダー取引の予防など、コンプライアンスをしっかり指導し、取り返しのつかないことが起こらないようにしたいものです。コンプライアンスで問題を起こせば、会社の信用が失墜するだけでなく、本人のキャリアにも大きくマイナスになり、会社を辞めざるを得ない事態にもなり得るからです。



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