内定者研修の内容と設計ポイント|内定者の不安を解消する方法
更新日:2026年03月13日(金)

少子化で人材不足に悩まされる会社が増える中、新卒の新入社員の内定辞退を防ぎ、いかに入社してもらうかは大きな課題です。ほとんどの大学生が複数の会社にエントリーして、複数の内定を得ています。いかに自社を選んでもらうか、その1つとして内定式の実施とその後に逃げられないようにするための集合研修が挙げられます。
本記事では、内定者研修の目的やゴール、主な研修内容、研修を設計するときのポイントをご紹介します。具体的には、次の内容を解説していきます。
- 目的は、モチベーション向上、働き始めるサポート、不安解消、内定辞退防止など
- 主な内容は、会社説明、社会人としてのマインドセット研修、ビジネスマナー習得、インターンシップ、先輩社員への質問会、経営層の講話など
- 内定者研修のゴールは、社会人としてのマナーやスキルの習得、学生から社会人へのマインドの切り替え、同期との関係構築とチームワークの醸成
- 成功のポイントは、内定者の特徴の確認、社内のヒアリングと適切なスケジュールと内容設定
人事・総務の担当者として新入社員教育の重責を担われる方へ、新入社員にビジネスマナーを教育するときのポイントをご紹介いたします。
内定者研修の目的
内定者研修とは、内定を出した大学生を集めての研修は何のため、どのような目的で実施すれば良いのか、なぜ研修が必要か、ポイントを押さえておきましょう。
内定者のモチベーションを向上させる
内定者の入社意思を強固にするための機会を作るのが第一の目的です。研修や先輩社員とのコミュニケーションを通じて、入社後の目標やチャレンジしたいことなどを明確にしてもらい、会社で活躍するためのモチベーションを高めてもらいます。企業側にとっては、やる気が高まることで、早期戦力化しやすいメリットが生まれます。
社会人として働き始めるためのサポートをする
研修を通じて社会人としての心構えを持ってもらい、大学生から社会人への切り替えをスムーズにする目的もあります。挨拶や名刺交換、服装などの基本的なビジネスマナーをはじめ、ExcelなどのPCスキルの習得などを通じて、入社後に役立つ知識をインプットすることで、内定者がスムーズに実務に移りやすいようサポートが可能です。
内定者の不安や悩みを解消する
内定者は社会に出ることへの不安をはじめ、本当に自分に合う会社なのかと大きな不安と期待を抱えています。仕事や職場に順応できるか、自分が思い描く仕事ができるのか、同期や先輩、上司となじめるかなど不安は尽きません。研修で内定者の不安を解消する情報を伝えてフォローすることで、安心して入社できるようになります。内定者は会社について表面的な理解しかしていないこともあるので、理解を深めさせることで不安を取り除けます。
内定辞退を防ぐ
囲い込みというと言葉は悪いですが、内定者を確実に入社に結び付けるためにも重要な意義を持ちます。内定が決まり、入社前から自社内でアルバイトなどもしていたのに、入社式を欠席するという内定辞退者は少なからずいます。入社を控えた内定者の中には心が揺れている人も多いので、研修を通じて自社との接点を増やし、内定辞退を回避しましょう。自社の魅力をインプットし、同期や先輩社員とのつながりを構築する懇親会などを実施することで、人材を確実に確保するメリットが企業側にも生まれます。この意味では、いつ行うかという時期・タイミングも戦略的に考える必要があります。
内定者研修のゴール
社会人としてのマナーやスキルの習得
内定者研修の大きなゴールの一つは、入社後すぐに求められる社会人としての基本動作を身に付けることです。挨拶や言葉遣いといった基礎的なビジネスマナーに加え、報連相の進め方やオンライン会議での振る舞いなど、近年の働き方に即したスキルも重要になっています。
単なる知識のインプットではなく、実践を通じて自信を育む設計が求められます。
学生からのマインドの切り替え
大学生活と社会人生活では、時間の使い方や成果への責任の重さが大きく異なります。その違いを理解し、自ら主体的に行動する意識へと切り替えることも内定者研修の重要な目的です。
組織の一員として成果を出すとはどういうことか、仕事を通じて社会に価値を提供するとは何かを考える機会を設けることで、当事者意識が芽生えます。早い段階でマインドセットを整えることが、入社後の成長スピードや定着率の向上にもつながります。
同期との人間関係・チームワークの醸成
入社前から同期との関係性を築いておくことは、安心感の醸成に直結します。内定者研修で協働課題やディスカッションを取り入れることで、互いの強みや価値観を知る機会が生まれます。
信頼関係が構築されていれば、入社後に壁に直面した際も相談しやすくなり、孤立を防ぐ効果が期待できます。同期は長期的に切磋琢磨する存在でもあるため、早期から良好なチームワークを育むことが、組織全体の活性化にもつながるでしょう。
内定者研修の主な内容
では、どのような内容の研修を実施すれば、内定辞退を防ぎ、早期戦力化ができるのでしょうか。何をするべきか、内容の例をまとめます。
インターンシップ
内定者に大学の授業や卒業旅行などと調整しながら、短期・長期のインターンシップに参加してもらいましょう。実際に業務を覚えて早期戦力化につながるとともに、先輩社員と交流が深まることで入社後の働くイメージが明確になり、この会社で頑張ろうというやる気も高まるので効果的です。
会社説明
内定者に対して改めて自社の理念やビジョン、事業内容を丁寧に伝えることは、入社意欲を高めるうえで欠かせません。選考過程で理解しているつもりでも、時間の経過とともに志望動機が曖昧になるケースもあります。
内定者研修の場で事業の強みや今後の戦略、業界内での立ち位置を具体的に共有することで、自分がどのように貢献できるのかをイメージしやすくなります。企業理解を深めることは、内定辞退の防止にも直結します。
社会人としてのマインドセット
知識やスキルだけでなく、社会人としての姿勢や価値観を育むことも重要なテーマです。仕事は指示を待つものではなく、自ら考え行動するものであるという意識を持たせることで、主体性が高まります。
また、成果に対する責任やチームで働く意義を理解することで、学生気分からの脱却が進みます。入社前に社会人として求められる心構えを共有しておくことは、入社後のギャップを減らし、早期適応を促す効果が期待できます。
ビジネスマナーの習得
挨拶や身だしなみ、言葉遣いといった基本的なビジネスマナーを内定者研修で身に付けておくことで、安心して社会人生活をスタートできます。
対面だけでなく、メールやオンラインでのコミュニケーションマナーも近年は重要視されています。形式的な作法にとどまらず、相手への配慮や敬意を理解させることで、実践の場でも活かせるマナーが定着します。
グループワーク
集合研修を通じて、自社の事業理解を促すグループワークを実施しましょう。たとえば、新規事業を考案させることやボードゲームで企業の歴史を学ぶといった方法があります。グループで行うので、同期のつながりを深めることができ、内定辞退を防ぐことにもつながるのがメリットです。コミュニケーション力の育成やチームワークの強化につながり、入社後の結束力強化にもつながり、企業側にとっても頼もしい人材になるメリットがあります。
先輩社員への質問会
内定を得た人はどんな会社なのか、どんな仕事をするのか、1日のスケジュールはどうなのか、やりがいを感じる瞬間や辛いことなど、知りたいことが山積みです。面接の際には聞きたくても聞けなかった質問を、先輩社員にざっくばらんに尋ねられる機会を設けると効果的です。第一線で活躍する先輩社員とのコミュニケーションもでき、不安に感じていたことや知りたかったことが明確になることで、入社意欲が増し、強化されます。
経営層の講話
入社していざ業務がスタートすれば、経営層と会う機会や接する機会はほとんどない会社も少なくありません。内定をもらった段階での研修の間に経営層とコミュニケーションが図れれば、会社に尊重されている、期待されているという想いが深まり、入社へのモチベーション向上につながります。経営層に同じ世代の頃に立ち返ってもらい、入社した理由や新入社員の頃の失敗談や嬉しかったことなどのエピソードを語ってもらうことや現在チャレンジしていることや自社の魅力、自社が抱えている課題、今後の展望などを、ユーモアを交えながら語ってもらいましょう。
通信教育、eラーニング
人材不足や業務が忙しいなどの事情で集合研修を行うのが難しいといった企業などなら、自宅でも実施できる通信教育やオンラインによるeラーニングの講座の受講をさせるのもおすすめです。Excelなどの PCスキルの強化やビジネス文書をはじめ、メール作成のスキルの習得、業務に必要となる資格の取得に向けた学習や試験対策なども行うことができます。自宅学習なら内定者に交通費を負担する費用も抑えられるメリットが企業側にあるうえ、学習や資格試験対策を通じて早期戦力化が期待できます。
内定者研修を設計するときのポイント
では、人事担当者はどのように研修の設計をしていけば良いのでしょうか。設計ポイントをご紹介します。
内定者の特徴を把握する
履歴書やエントリーシート、面接での質疑応答を通じて会社が把握した内定者の特徴に基づいて、特徴に合った研修を用意しましょう。内定者が入社後にチャレンジしたい仕事が明確なら、それを実際に試させてみるなどすることでモチベーションが高まります。また、内定者の学部やこれまでの経験、知識などから今後身に付けるべきスキルがあれば、それを学習させたり実技を習得させることで、入社後の研修や育成を前倒しでき、早期戦力化に役立ちます。内定者の声を把握する方法としては、内定者に聞くことが手っ取り早く間違いがありません。できない場合は過去の参加者の感想などを参考にしましょう。
内定者に期待することを各部署からヒアリングする
人事担当者の一存ではなく、入社後に配属される現場の意見を聞くことも不可欠です。インターンシップを実施する場合には現場の協力も得なくてはならないので、設計段階でも現場の意見をしっかりと聞いて反映させるようにしましょう。そうすれば施策を講じたときも、スムーズに支援をしてくれます。
入社までのスケジュールを立案する
入社までに身に付けておいてほしいことを明確にし、早期戦力化のためにどんな施策が必要かを踏まえて、研修の実施回数やいつ頃行うかなどスケジュールを決めましょう。モチベーションを低下させないためにも、消化不良にならないようにすることが大切です。
目的に応じて内定者研修の内容を考案する
会社ごとに新入社員をどう育成したいのか、何を求めるのかは異なります。入社したらすぐにでも現場に出られるまでにしたいのか、ビジネスマナーやビジネス文書の作成など基本的なことをマスターしてくれれば良いのかなど、企業側の目的を明確にしましょう。そのうえで、目的を達成できる内定者研修内容と、研修の形態・期間や時間、何回行うかなどスケジュールを設計します。必要に応じて、感想文やレポートを課題とするのもよいでしょう。
内定辞退を防ぎ早期戦力化を図るために
人材不足が問題になる日本において、内定辞退者が出るのを防ぎ、早期戦力化を図ることは重要な課題です。内定者の不安を取り除き、会社に馴染んでもらい、入社後のモチベーションを高めてもらうためにも、企業側の目的を明確にして、目的に沿った研修の計画を立案しましょう。
内定者研修を通じて確かなスタートを切らせたいとお考えなら、社員教育の専門機関である社員教育研究所にぜひご相談ください。
FAQ
内定者研修ではどのような内容を優先すべきですか?
自社が求める人材像を明確にし、マインドセット醸成とビジネスマナー習得を軸に設計することが重要です。早期戦力化を見据えた実践的な内容を組み込むことで効果が高まります。
内定者の不安を解消するために意識すべきポイントは何ですか?
仕事や人間関係への不安に対して、先輩社員との交流や具体的な業務説明の機会を設けることが有効です。企業理解を深めることで、入社前の心理的ギャップを小さくできます。
内定者研修を成功させるための設計ポイントは何ですか?
目的を明確にしたうえで、内定者の特性や現場のニーズを踏まえて内容を設計することが重要です。スケジュールや実施形式も戦略的に組み立てることで、不安解消と早期戦力化の両立が可能になります。
この記事の監修者
株式会社社員教育研究所 編集部
1967年に設立した老舗の社員研修会社。自社で研修施設も保有し、新入社員から経営者まで50年以上教育を行ってきた実績がある。30万以上の修了生を輩出している管理者養成基礎コースは2021年3月に1000期を迎え、今もなお愛され続けている。この他にも様々なお客様からのご要望にお応えできるよう、オンライン研修やカスタマイズ研修、英会話、子供の教育など様々な形で研修を展開している。









