人材育成の手法と指導ポイント|自ら行動できる社員を育成

カテゴリ:人材育成

2020年3月5日(木)

人材育成の手法と指導ポイント|自ら行動できる社員を育成

ますます競争がグローバルになっていくビジネスの世界において、企業が生き残っていくためには自ら行動できる社員を育てていくことが重要です。そのためには、会社全体で人材育成の仕組み化や効率的に機能させるための取り組みを行う必要があります。

少子高齢化で人材不足が深刻化する中、いつまでも新入社員に対して先輩社員がフォローをし続けることはできません。業務を教えるだけではなく、自ら目的意識を持って考え、自ら判断し、的確な行動にすぐに移れる責任感と行動力を持った社員を育てるための育成・教育方法についてご紹介します。

人材育成の主な手法

人材育成の代表的な方法をご紹介します。多くの企業で既に導入されている方法から、近年注目されている方法までご案内しますので、企業環境に即して導入を検討しましょう。

●OJT

On The Job Training の略称で、現場で実際に仕事をしながら教えていく方法です。入社間もない新入社員が入社後実務を習得していくための手法としてよく持ち言われます。日本における典型的な育成方法で、職人の子弟制度でも活用されてきた「背中を見て覚えろ」、「現場や仕事する姿を見て技を盗め」といった手法もOJTの1種といえるでしょう。企業においては自社独自のマニュアルを設けたり、説明などの指導をしながら、取り組ませたりしています。業務を実際に行いながら、上司や先輩社員が仕事を直接教える方法で、教える側が説明しながらやって見せて、新人にやらせてみて、確認をしながら慣れていくスタイルが基本です。

●Off-JT

Off the Job Training の略称で、業務外で研修の時間を設けるなどして行われます。研修、セミナーの受講など座学をメインとした、集合研修の形態が一般的です。ビジネスマナーを教える新入社員研修等が代表的な一例です。実務と離れた場所で、上司や人事担当者、外部講師などがビジネスの基本やマナーから、会社全体の仕組みや業務の基本的な流れなどを教えていくものです。保険募集や不動産販売など、営業や販売をするにあたって資格が必要になるような職種において、資格試験を受験するために行われるスキルアップを目的とした集合研修もOff-JTに該当します。

●人事評価制度

給料やボーナスの査定をはじめ、人事配置や昇格や昇進、管理職登用などの判断材料にするために能力評価、業績評価、情意評価を行い、社員個人を評価していく制度です。仕事ぶりを見て上司が評価すると主観が入りこみやすく、公平な評価ができないこともあります。それぞれに目標と達成期間を設定させ、あらかじめ設定した評価期間でどこまでクリアできたかなどをチェックする目標管理制度を通じて期間中の評価を行う手法が、近年採用されています。

●メンター制度

先輩社員がメンターとなり、新人や後輩社員と1on1でOJTなどに取り組んでいく制度です。単に仕事を教える人材教育・OJTとは異なり、相談に乗ったり、逐一レビューやフォローを行ったり、精神面も含めて、成長をサポートしていきます。指導者であるとともに、頼れる先輩としてじっくり互いの考えをヒアリングをし合い、信頼関係を築きながら、仕事を覚え、悩みを分かち合い、互いに成長できる制度です。もっとも、パートナーを組ませる2人の相性を検討しないと、上手くいかない場合もあるので、先輩、後輩の性格や仕事の仕方、能力などをよく検討することが大切です。

●ジョブローテーション制度

ジョブローテーション制度も日本企業で古くから実践されてきた育成方法です。1つの業務や職種に固定するのではなく、会社内のあらゆる部署や業務を数年ごとに経験させ、企業内でのオールマイティーな人材を育てる制度です。若手の内に数年スパンで経験させていく事例が多くみられます。会社全体の仕事を網羅でき、企業全体を理解できるため、管理職育成や将来のマネジメント層の育成にも役立ちます。

●自己啓発

自ら仕事へのモチベーションを高めたり、目標を立ててそれに向かって知識やスキル、ノウハウなどを身に付けるための勉強の機会などを提供したりするものです。業務内もしくは業務外で外部セミナー受講やeラーニングツールが使用できる機会を設けたり、一定の条件を設けて、本人が受講したい外部セミナーや専門学校などで行われる講座の受講料の一部支援や、資格取得の支援などを行ったりすることも含まれます。本人も自分が学びたい分野を学べるため、主体性をもって専門スキルを身につけることが出来る手段として非常に有効です。

人材育成を成功に導くポイント

育成方法を実践したからといって、求める人材に成長するとは限りません。指導の仕方はもちろん、本人が嫌々取り組むのではなく、自ら積極的に取り組むことが大切です。

●自発性を引き出す

どんなに成功事例の多い育成方法であっても、本人が意欲的に取り組まなくては知識や技術、ノウハウも思うように身に付きません。自発的に取り組めるような職場環境づくりをすることも大切です。OJTでは本人の強みに着目し、活かせる仕事を任せてみたり、新しい発想が必要な仕事を用意したりするなど工夫してみましょう。

Off-JTを実施する場合は、現状抱えている課題を解決することを意識させるのがポイントです。たとえば、営業力の強化が必要な場合はプレゼンテーションスキル、交渉スキルをプログラムに含めるなど、弱点を克服するために、実践的かつ積極的に取り組める実施プログラムを用意しましょう。

細かいルールで社員を締めつけすぎないこと、一度の失敗を責めないことも大切です。失敗した時は、反省点を振り返らせて次回の成功につなげて、自信をつけさせましょう。不必要な負担をできるだけ排除して、モチベーションを低下させないことが成功へのポイントです。

●指導者も評価される環境をつくる

OJTやメンター制度をはじめ、Off-JTで社員に講師を務めさせるなどした場合、指導を任された上司や先輩社員としては、通常の業務や自分の業務以外の負担が増えることになります。自分の業務を優先させたい、新人が育つより、自分のことが大切と考えてしまえば、成功する新人育成を行うことはできません。時間を割く意味がなくなります。そこで、人材育成を行う側の KPI に部下の育成結果を適切に設定することで、指導者のモチベーション向上につなげましょう。中堅社員を次世代リーダーへと成長させることにもつながり、新人育成の取り組みもより効果的なものとなります。

●各部署に定着させる

人材育成が大切なことと、その具体的な指導方針や育成方法を各部署に定着させましょう。実施する意義と負担のレベルを各部署で共有することで、人材育成が大切という心構えを持ち、あらかじめ計画を立てることができるようになります。

新人の性格やペース、達成度などを踏まえながら、事前に計画や対策をとることで、よりきめ細やかなサポートができ、人材育成の成功につながります。継続できるように仕組み化し、取り組みの名称をキャッチーにしたり、各部署の人材に必要な能力のチェックシートを作成したりするなど、全社員が取り組みやすくしましょう。

「成功する人材育成のために」

人材育成にはOJTやOff-JT、ジョブローテーション制度などの日本で以前から行われてきた育成方法をはじめ、近年導入事例が増えているメンター制度や自己啓発もあります。人事評価制度においては新人だけでなく、指導者の育成結果を評価ポイントに加えることで、お互いが成長でき、人材育成の成功につながります。人材育成を成功に導くには自ら積極的に取り組める環境を用意し、過度な負担をかけずに、モチベーションアップを図ることが大切です。実施する各部署や指導者も継続的かつ効果的に取り組めるよう、体制を整えることも取り組んでいきましょう。



pagetop