部長の役割とは?企業の将来を担う優秀な管理職育成の必要性
2020年12月7日(月)
企業の各部門における責任者である「部長」。ほかの管理職と同様に重要な立場にありますが、組織のなかでは一体どのような役割を担うべきでしょうか。ここでは、部長の役割や業務内容、必要な心構えについてご紹介します。管理職ごとの分担を明確にすると、組織のマネジメントをより円滑に、効果的に遂行できるようになります。課長との違いについても解説するため、部長という肩書きに応じた役割を理解するうえでお役立てください。
部長の役割と業務内容
部長の役割
部署の経営者
部長という肩書きには、数多くの社員を率いる部署のリーダーとして、管理業務を担う意味合いがあります。その一方で、部長はいわば所属する部署の経営職でもあるのです。部署内の経営資源を活用して、組織を成長へ導く役割を担っています。プレイヤーとしての仕事には携わらず、企業の経営戦略やビジョンに沿って指導する、経営者にあたる存在です。部署全体の経営という視点を常に持つことが重要といえます。
部署の司令塔
部長には、部署の司令塔としての役割があり、人材マネジメントを担います。部署内の仕事と人員を管理し、チームの方針や最適な采配を決定します。メンバーのモチベーションを高め、適材適所に配置するためには、一人ひとりの強みを理解し日々信頼関係を築いていることが大切です。時には司令塔として、重大な決断や意思決定を求められる場面もあるでしょう。そんなときも臨機応変に、的確にチームを指揮できる経験や思考力が求められます。
部長の業務内容
部署の管理
部長は、部署の売上・生産性・総労働時間・各KPIの進捗など、さまざまな数値を管理します。大まかな仕事の割り振りを行うのも管理業務の一つです。その際は、部下のモチベーションを把握し、直属の上司へフォローを促すといった形で支援も行います。
他部署や取引先との交渉
部長は、部署を代表して他部署や取引先との交渉を行います。部署の業務内容やプロジェクトの正当性については、相手を十分に納得させられるだけの対外的な説明力が必須です。また、問題が発生した場合には責任者として進んで謝罪や問題解決に取り組みます。
部下が働きやすい環境づくり
部長は、メンバーが生産性を最大限に発揮するために、部署の労働環境の改善を行います。働きやすい環境づくりは、業績向上やモチベーション管理など多くのメリットをもたらします。働き方を見直し、個人が長く働き続けやすい環境を維持するのも大切な業務です。
部下の教育
部長は上司として部下を教育し、将来的に会社のリーダーとなる優秀な人材を育て上げる必要があります。部下のレベルに応じたスキルアップを促し、主任・係長・課長といったポストへの昇進も視野に入れながら、自社の未来を見据えた教育戦略立案を行います。
部下の評価
部長は上司として部下の評価を行う立場です。普段から部下とのコミュニケーションを充実させて、単純な目標達成や成果のみに限らず、会社に貢献する行動や姿勢まで含めて価値を見極めましょう。公平性のある評価やアドバイスができると理想的です。
部長と課長の役割の違い
課長の役割
課長は、組織の「課」における責任者です。現場のリーダーとして管理業務に携わり、中間管理職としての役割を担います。経営職が思い描く経営戦略やビジョンを十分に理解し、現場のチームワークへ生かしながら目標達成を目指すのが課長の仕事です。仕事の詳しい采配やスケジュールをはじめとして、一人ひとりのメンバーに対してより具体的で詳細な指示を出し、現場の代表者として責任を負います。このとき、現場の間近で状況を把握しながら、必要に応じてコントロールや軌道修正を行うのも課長の役割といえます。リーダーとして慎重に判断を下し、課の管理職という権限に責任を持つべき立場です。
部長と課長の役割の違い
課長と部長は、どちらも管理職であることに違いはありませんが、求められる能力や立ち位置が異なっています。
部長の場合、前述したように経営職という立場でもあるため、トップマネジメントの視点を持ち、企業環境の要求に応える外部適応が必要になります。変化において柔軟な対応を行ったうえで、時には有効な投資を検討しなければなりません。戦略的な事業の方向性を決定し、将来を見据えた課題を設定しながら、間接的に組織運営を行います。
それに対して課長は、現場における管理職であり、ミドルマネジメントの視点が求められます。職場内における現場目線の管理が求められるため、内部統合に働きかけ、社内の秩序を徹底し運用の工夫を行ったうえで、実績を効果的に回収することが必要です。戦術によって現場を実行管理し、柔軟な例外処理を進めながら、現場のトラブルの解決や部下の直接教育を行います。
部長の役割を担う人材に必要な心構え
明確なビジョンを持つ
部長の役割を担う人材は、明確なビジョンを持つことが重要です。企業のビジョンに準じて、自身で部署のビジョンや経営目標を掲げる必要があるためです。部署内でメンバーの進む方向性を合わせる目的で、自ら定期的に部下へビジョンを示しましょう。
経営視点から意思決定をする
部長という立場では、経営視点で意思決定を行うのがポイントです。企業の経営指標・コンプライアンス・コスト・リスクマネジメントなど幅広い観点で考え、自ら判断を下しましょう。不測の事態が発生し、即座に判断を求められるケースにも対応できると理想的です。
責任を取る覚悟を持つ
部署の責任者である部長は、自分が承認した業務や自分の部下の失敗について、最終的な責任を負う心構えでいることが大切です。取引先に謝罪したり、他部署の部長と折衝したりと、責任ある立場だからこそ難しい局面を任される可能性もあります。
どんな立場の人にも必要になるのがこのスキルが重要視される理由
コミュニケーション能力の向上のため社員全員が研修を受けたとしても、実際のシチュエーションは無限大です。人と人とが会話をするにあたって、より気持ちよく相手と意見交換できるよう、コミュニケーション能力を上げるのが基本ですが、その相手はさまざまな立場・さまざまな考えを持っています。
企業人としては、同僚と円滑なコミュニケーションを取れるようになるのが目的です。役職付きの人なら自分の上司と、直属する部下双方へのコミュニケーション能力を高めることで、異なる対応ができるようになります。中堅社員ともなれば上司と後輩の間に立ち、時には後輩を指導することもあれば、上司の補佐として仕事をすることもあるでしょう。さらに、自分自身の仕事をするにあたって、職場の人たちの手を借りないといけないこともあるかもしれません。新入社員も、コミュニケーション能力がどの程度のレベルなのかによって、周りからの見る目が大きく変わってきます。能力が高ければ、より多くの先輩や上司から教えを乞うことができますし、低ければ最低限の指導しかしてもらえないことになるでしょう。この違いがその後の仕事を覚えるスピードに差をもたらすのは明らかで、長い目で見れば昇進にも大きな開きが出てくると考えられます。
立場は違えど、会社で仕事をする以上、今よりもさらにコミュニケーション能力をアップさせることが、よりよい環境で仕事ができる要因になるのは間違いなさそうです。
部長の役割を担う人材には積極的に学習の機会を
多くの企業にとって、部長や課長などの管理職に適した人材を、いかに効率良く育成するかが課題となっています。リーダーシップを発揮しながら、管理の実務を的確に遂行できる人材を確保すれば、会社の実績を守りさらなる成長が期待できるためです。管理職や経営職のクオリティと数こそが、企業の命運であると言っても過言ではありません。
ただし、これらの人材は一朝一夕に育成できないのが難点です。計画的な育成プログラムを組み、長期的な視点でスケジューリングを行う必要があります。管理職としての適正やエネルギーがある人材に高いスキルを獲得させ、ポストの入れ替えを促しましょう。スキルアップのために、セミナーや研修で学習する機会を与えるようおすすめします。
部長・課長職のマネジメント能力・リーダーシップを向上させる研修優れた部長職の育成が企業の未来を切り拓く
企業における部長の役割や、部長となる人材に必要な心構えについて解説しました。部長と同じ管理職として、課長という役割があります。しかし、部長職と課長職は仕事内容や求められるスキルに違いがあるのです。両者を明確に区別し、適正に合わせてポジショニングを行いましょう。部長職を計画的に育成することは、企業の将来を構築していくことに繋がります。ハイレベルな人材を育成するには、学習の機会を充実させて、セミナーや研修でスキルアップをはかる方法もあります。管理職向けのプログラム受講もご検討ください。
この記事の監修者
株式会社社員教育研究所 編集部
1967年に設立した老舗の社員研修会社。自社で研修施設も保有し、新入社員から経営者まで50年以上教育を行ってきた実績がある。30万以上の修了生を輩出している管理者養成基礎コースは2021年3月に1000期を迎え、今もなお愛され続けている。この他にも様々なお客様からのご要望にお応えできるよう、オンライン研修やカスタマイズ研修、英会話、子供の教育など様々な形で研修を展開している。