意思統一の重要性|会社と社員の方向性を合わせて成果最大化を実現
更新日:2026年01月13日(火)

企業には多様な個性を持つ働き手が所属し、それぞれが異なる立場で働いています。こうした状況下で、多数のビジネスパーソンが一つのチームとして力を発揮するには「意思統一」が鍵です。今回は、組織における意思統一の重要性について解説します。また、社内の意思統一を図る方法やコミュニケーションのコツについてもご紹介。この記事で解説する意思統一のポイントとなる点は次の通りです。
- 意思統一により社内のコミュニケーションがスムーズになり、業績やエンゲージメントにプラスとなる
- 意思統一の方法は、会社に対する納得感を育てつつ会社の方針を伝える機会を作り、イメージしやすい共通言語を持つこと
- 意思統一のコツは、現状認識を揃え、意見をオープンにしやすい雰囲気づくりや決定のプロセスの共有など風通しの良い組織づくりを目指すこと
成果をあげられる組織づくりを実践するうえで、ぜひ参考にご一読ください。
会社における意思統一の重要性(メリット)と難しさ
社内の意思統一を図る重要性
多数のビジネスパーソンが集う企業では、一個人の力を超えた大きな成果をあげられる可能性があります。そこで重視したいのが「意思統一」です。読み方は「いしとういつ」で、「意志統一」とどちらが正しい表記か紛らわしいですが「意思統一」表記が一般的でほとんどです。意思統一とは、考えを一つにまとめることを指します。より具体的には、組織で働く従業員が会社のビジョン・目標・行動基準などを踏まえて、各自の役割や目標を理解し、意思を合わせることともいえます。
こうして意思統一を図るメリットは、組織内における認識の齟齬を減らして、スムーズなコミュニケーションを実現できることです。言い換えるなら、共通の認識を前提として意思の疎通ができるということです。また、意思統一は社員の仕事のパフォーマンスや、会社に対するエンゲージメントの向上にもつながると考えられています。会社のビジョンが共有され、メンバーが自分の役割を把握できている組織では、個々人が目標達成へ向けてベストを尽くそうとするためです。
その反対に、社内の意思統一が不十分な場合は、会社・部署・チームの方向性がバラバラとなってしまうおそれがあります。こうした状態では、業務に対するコミットが弱くなりやすいのがデメリットです。個々人の取り組みのみに頼り、チームでの相乗効果を発揮しにくい体制では、生産性の低下や売上目標の未達にもつながりかねません。成果をあげる組織づくりにおいて、意思統一が重要です。
社内の意思統一を図る難しさ
前述の通り、意思統一は組織の可能性を拓く重要なポイントです。しかしながら、多数のビジネスパーソンが存在する集団では、社員それぞれの立場や考え方が異なります。たとえ同じ組織に所属していても、一人ひとりの役割・保有する情報・業務の目的には大きな違いがあることも。そんななか意思統一を図ると、全体の方向性にズレが生じやすく、成功させるのは非常に難度が高いといえるでしょう。リーダーである経営層やマネジメント層、人事・総務にかかわる社員は、こうした難しさを念頭に置き、社内の意思統一へ向けた取り組みを積極的に推進しなければなりません。
意思統一を図る際に陥りがちな課題
社内の意思統一を図る重要性を理解していても、実際の現場では思うように進まないケースが少なくありません。その背景には、「方針を伝えたつもりになっている」「現場の解釈に任せきりになっている」といった課題が存在します。
経営層や管理職が発信したメッセージが、現場の社員に届くまでに異なる意味で受け取られてしまうと、結果として大きな行動のズレが生じます。組織として一貫した意思統一を図るためには、単に情報を右から左へ流すのではなく、「どのような行動を期待しているのか」という具体的なアクションレベルまで落とし込んで示すことが不可欠です。
管理職が果たすべき意思統一の役割
組織において実効性のある意思統一を図るうえで、管理職の存在は極めて重要です。管理職は経営層の方針を現場に浸透させる「橋渡し役」であり、同時に現場の本音を吸い上げる「パイプ役」でもあります。
単に決定事項を読み上げるのではなく、自部署の業務内容やメンバー個々の状況に即して、方針を「噛み砕いて」説明しましょう。
これにより、社員の理解度と納得感は飛躍的に高まります。また、定期的な1on1ミーティングやチーム内での対話を通じて、認識の微差を早期に修正し続けることが、強固な意思統一を図るための着実な一歩となります。
次の項では、こうした役割を踏まえたうえで、社内の意思統一を図るための具体的な方法について見ていきましょう。
社内の意思統一を図る方法
会社の方針を伝える
企業全体の方向性をまとめあげるには、会社のビジョンや戦略のほか、短期および長期目標について、定期的に社内で共有する施策が有効です。たとえば、日常的な朝礼での顔合わせや、四半期・半期ごとの全体集会などを実施しても良いでしょう。社内の集会は、一見すると日頃の業務に対する直接的な効果を実感しにくいかもしれませんが、開催によって意思統一を推進する意味合いがあります。各参加者が用意された時間を有意義に活用するためにも、会合の目的を理解したうえで参加させることが大切です。
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共通言語を設ける
会社のビジョン・ミッション・バリューのほか、行動基準や部署ごとの方針などは、共有の仕方に細心の注意を払う必要があります。その理由は、一般的に用いられている表現を使って説明すると、一人ひとりの捉え方に違いが生じてしまうおそれがあるためです。自社で重要なテーマや価値観についての解釈を統一するには、独自の共通言語で表現してはいかがでしょうか。自分たちが定義した言葉で伝えれば、抽象的な概念を伝える際に方向性や認識のズレが生じにくく、円滑な意思統一が期待できます。また、共通言語の創出は、社員が愛着を持てる組織文化を育むという観点からも有効な方法です。
納得感を持たせる
意思統一を実現する前提として、まず社員の納得感がなくてはなりません。チームメンバーがリーダーの指示に従って施策に取り組むのではなく、納得感を持って互いに協力できると理想的です。このとき、目標達成時の姿を共有して目指すべき未来に対する共感を促し、意思統一の動機づけをする方法があります。適切な動機づけを行えば、モチベーションアップによって主体的な行動が期待できるでしょう。メンバーの納得感を大切にする方針は、社員満足度の向上や、会社に対する信頼感・エンゲージメントの醸成にもつながります。
普段のコミュニケーションで社内の意思統一を図るコツ
現状認識を合わせる
ビジネスの現場には、社内での連携や各種会議など、同僚とコミュニケーションを取る場面が数多くあります。これらのシーンでは、あらかじめ現状・課題点・決めるべきことなどを明示し、相互に認識を合わせたうえで話し合うことが大切です。事前に現状認識を揃えておくと、重要な主題から話が逸れてしまったり、検討するべき論点が抜けてしまったりするのを防ぎやすくなります。話し合いの目的を全員で共有することによって、社内のコミュニケーションの生産性を高め、意思統一を推進しましょう。
上司は部下の意見を引き出す
職場では、立場の異なる社員が共に働いています。上司と部下はその代表といえますが、こうした立場の違いが社内のコミュニケーションに影響を与えやすい点に留意しましょう。たとえば、部下が上司に対して「自分の意見を言いづらい」と感じているケースも珍しくありません。こうした傾向を踏まえて、上司は常に中立を意識し、部下の意見へ耳を傾ける配慮が必要です。トップダウンで方針や指示を伝えるだけでは、意思統一へ向けて社員の納得感を得られないおそれがあります。部下とのコミュニケーションでは傾聴の姿勢を取り入れたり、ペーシングやミラーリングなどのテクニックを利用したり、工夫してみましょう。
決定事項を明確にする
社内での重要な決定事項があれば、速やかに内容に対する意思統一を図りましょう。このとき、結論を曖昧にしないことや、次に取り組むべきことを明確にすることが大切です。議論の時点で反対意見があれば、両者が判断に至った理由や背景などを丁寧に解説し、全員の合意を得られるまで十分に検討します。単に多数決の結果で採用したり、一部の社員のみで物事を進めたりすると、社内のコミュニケーションが深まらず、反対意見を有効活用することができません。また、採用となった決定事項はすぐに実行すると、社員が自らの意見で会社を変える自信につながり、組織づくりのモチベーションを高められます。
意思統一がうまくいかない原因と対策
取り組みが形だけで終わってしまい、組織にバラバラ感がある場合は次のサインに注意が必要です。
言葉だけの「理解」で終わらせない
「わかりました」と返事があっても、行動が変わらなければ意味がありません。情報の共有はできていても、納得感(共鳴)が足りない状態です。対策として、決定事項を自分の言葉で話してもらう「アウトプット型」のコミュニケーションを取り入れ、お互いの認識にズレがないか確認しましょう。
「本音が言える空気」を大切にする
「反対意見を言うと評価が下がる」という空気がある組織では、形だけの合意しか生まれません。本音で議論できないまま進んだ方針は、必ずどこかで失速します。
リーダーが率先して自分の弱みを見せたり、反対意見も「改善のヒント」として受け入れたりする姿勢が、強い意思統一を図る近道となります。
意思統一を図るリーダーに求められる「対話力」
最終的に意思統一を図るカギを握るリーダーには、ただ上の指示を伝えるだけの「伝言係」ではなく、意図を汲み取り、自分の言葉で分かりやすく伝え直す「まとめ役」としての役割が求められます。
背景(Why)をしっかり伝える
「何を(What)やるか」という指示以上に、「なぜ(Why)今それが必要なのか」というストーリーを繰り返し語りましょう。背景にある想いが伝わってこそ、社員は主体的に動き始めます。
一貫性のある言動を徹底する
リーダーの言動が日によってブレてしまうと、現場に不信感を生み、意思統一は一瞬で崩壊します。自らの行動基準を明確にし、一貫した姿勢を背中で示すことが組織の信頼を築く礎となります。
組織のフェーズや規模によって、意思統一を図るための最適解は常に変化します。現状の課題を正しく把握し、対話を積み重ねることで、一丸となって成果を出せる強い組織を目指しましょう。
社内の意思統一を図るためにおすすめの研修一覧
「社員の意思統一」に最適な研修として、社員教育研究所では以下のようなコースをご用意しております。
リーダーシップ、マネジメント、コミュニケーション、組織力向上など、社員の意識を統一し、組織全体の目標達成に貢献する内容を含んだ研修です。気になる研修はぜひ詳しくご確認ください。
| 研修 | 期間 | 対象者 | 主な目的と特徴 |
|---|---|---|---|
| 管理者養成基礎コース |
13日合宿 ※3日間コースもあり |
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| 指導力開発訓練 | 9日間合宿 |
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| ハイブリッド・リーダー研修 | 3日間合宿 ※通学コースもあり |
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| リーダーの戦略 | 月1回(全6回) |
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| 組織力向上研修 | 3日間通学 |
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| MMS ヒューマンスキルコース | 隔週全6回 |
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| 判断・決断そして問題解決学 | 3日間合宿 ※通学コースもあり |
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| 現代の管理学Ⅰ | 2日間合宿 ※通学コースもあり |
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| リーダーの条件 | 3日間合宿 ※通学コースもあり |
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※その他の社員教育研究所「研修一覧」
社内の意思統一で成果をあげるチーム作りを
今回は、意思統一の重要性について解説しました。組織づくりで重要な意思統一は、一方で難度が高い傾向にあります。こちらでご紹介した施策を実施したものの、十分な手応えが見られない場合、社員研修の受講も視野に入れてみましょう。豊富な経験と実績を持つ「社員教育研究所」には、組織のリーダーを徹底育成する研修プログラムや、コミュニケーション能力に重点を置いた研修プログラムがございます。専門的な知識とスキルを持つ講師による指導で、過去に数多くの企業様にご採用いただき、リーダーを訓練してきました。社内の意思統一でお悩みの人事部門ご担当者様は、どうぞお気軽にお問い合わせください。
FAQ
意思統一が会社にもたらすメリットは何ですか?
意思統一により組織内の方向性を揃えることで認識のズレを減らすとともに、社内のコミュニケーションがスムーズになり、社員の仕事のパフォーマンスやエンゲージメントが向上します。
これにより、組織全体の生産性が高まり、業績アップにつながるでしょう。
社内の意思統一を進めるための具体的な方法はありますか?
会社のビジョンや目標を定期的に共有し、共通言語を設けることが有効です。
また、社員が会社の方針に納得感を持てるよう、目標達成時のイメージを共有し、主体的な行動を促すことも重要です。さらには社員研修の導入も効果的でしょう。
意思統一を強化するためのコミュニケーションのコツは何ですか?
現状認識を合わせる、上司が部下の意見に耳を傾ける、決定事項を明確にする、という3つのコツがあります。
風通しの良い組織文化を醸成し、双方向のコミュニケーションを活性化させましょう。
この記事の監修者
株式会社社員教育研究所 編集部
1967年に設立した老舗の社員研修会社。自社で研修施設も保有し、新入社員から経営者まで50年以上教育を行ってきた実績がある。30万以上の修了生を輩出している管理者養成基礎コースは2021年3月に1000期を迎え、今もなお愛され続けている。この他にも様々なお客様からのご要望にお応えできるよう、オンライン研修やカスタマイズ研修、英会話、子供の教育など様々な形で研修を展開している。









