合宿研修とは?泊まり込みで社員教育を行う意義と成功のポイント
更新日:2025年8月21日(木)
企業研修は、社内や外部の施設で行うことが一般的です。さまざまな目的から、泊まり込みの合宿研修を実施することもあります。
合宿型の研修には、どういったメリットがあるのでしょうか。また、合宿研修ならではの注意点についても気になるところです。
この記事では、主に新入社員の研修合宿の概要や実施するうえでのポイントについて解説します。以下の点についてまとめていきます。
- 集中できる環境づくりと参加者間の交流促進が、合宿研修のメリット
- 事前に、目的・プログラム内容・場所や施設を決定しておく
- 成功のポイントは、事前の情報共有、リフレッシュできる時間の確保、参加者へのケアなど
- 自由参加の研修は賃金不要だが、義務の場合は必要
合宿の新人研修を実施する前に決めておくことや準備についても紹介します。研修担当者の方はぜひ参考にしてください。
合宿研修とは
合宿研修とは会社を離れて宿泊施設で行う研修のこと。一般的には、専用の研修施設やホテルなどで行われます。以下では、合宿研修を行う主な意義やその他に期待できる副次的な効果について解説します。
研修を合宿形式で行う意義
研修を合宿形式で実施する最もたる意義は、環境を変えることです。
場所を変えてじっくりと取り組むことで研修に集中できる効果があります。会社と違う環境で日常業務から離れて行うので研修に集中しやすい点もメリットです。1日の時間の多くを研修に充てることができます。研修の密度も高めやすくなります。
合宿研修に期待できる副次的な効果
合宿研修では、社員間の交流を図れる点もメリットといえます。これは、合宿期間を社員同士の交流の時間にできるためです。
普段顔を合わせない相手同士の親睦を深めることができます。参加者が1カ所に集まるため社員間コミュニケーションが促進されるでしょう。コミュニケーションが活性化すれば、結束力が向上します。
そのため、合宿研修はチームビルディングにも活用可能です。参加者をチームに分けて課題を与え、解決に向けて取り組んでもらう手法が採用されています。一体感が醸成されたメンバーと協力することでモチベーションの向上が期待できるでしょう。
管理者にとっては、社員を深く知ることができる点も大きなメリットです。クローズドな環境で社員と接することで、各社員の特性が把握できます。普段の仕事とは違った社員の様子を見られるため、社員に関する理解が深まるでしょう。食事中など、研修時間以外の様子を見ることもできる点も魅力です。
研修期間中はすべての参加者が決められたスケジュールで動くことになります。そのため、時間管理の意識付け効果も期待できます。新入社員の研修として合宿研修を実施する場合は、時間管理の意識付けが社会人としての意識付けにもなるでしょう。
合宿研修の計画を立てる際に決めること
合宿研修の計画を立てる際、以下のことを決める必要があります。
- 合宿研修の目的
- 研修目的に応じたプログラムの設定
- 合宿の場所や施設
1つずつ見ていきましょう。
合宿研修の目的
まずは、合宿研修の目的を明確に設定しましょう。
目的設定のために、どの社員に研修を受けさせるか決める必要があります。これは、研修を受ける社員によって最適な研修内容が異なるためです。例として、新入社員か管理職かなどによって必要な研修内容は変わってきます。新入社員を対象とする新人研修合宿の場合はビジネスマナーの研修を、管理職を対象とする場合はリーダーシップの養成などを目的とした研修を組むのが一般的です。
研修目的に応じたプログラムの設定
研修で行うプログラムの内容を目的に応じて設定しましょう。
上記の通り、新入社員研修ならビジネスマナーを身に付けさせることを目的とするのが一般的です。設備の整った合宿施設なら周囲を気にせずグループワークなどができます。
管理職研修の場合は、リーダーシップやマネジメント能力を身に付けることが目的です。この目的に則し、会社の理解を深めるプログラムを実施しましょう。自分の会社のことを集中的に理解してもらうために、ビジョンや方針が浸透するまで繰り返し説明すると効果敵です。
また、合宿研修ではディスカッションのプログラムを行うのがおすすめです。日常業務に追われない環境で、時間を気にせず議論に集中できます。
合宿の場所や施設
続いて、合宿を行う場所や具体的な施設を選定します。
場所は、アクセスや移動時間を考慮して手配しましょう。施設までの移動手段も忘れずに確保してください。
研修目的に対応した施設を選ぶことも大切です。会議室やインターネット環境、スクリーンやプロジェクターなど、研修目的に必要な設備が整っている施設を選びましょう。座学なのかグループワークなのかでも必要となる部屋の大きさが変わります。参加する人数が多い場合は、収容能力のある施設を選んでください。全社員研修の場合などは早めに確認・確保することがおすすめです。
合宿研修の成功のポイント
合宿研修を成功させるためには、以下の点がポイントとなります。
- 事前の情報共有の徹底
- 魅力的な研修プログラムの用意
- リフレッシュできる時間の確保
- 参加者のケア
1つずつ見ていきましょう。
事前の情報共有の徹底
合宿研修を行う場合は、事前の情報共有を徹底しましょう。
参加者が研修に必要な準備ができるように余裕を持って周知してください。実施スケジュールだけではなく、研修の目的やプログラムなどを共有しておきましょう。そうすることで、参加者が合宿の心構えをしておくことができます。
必要な持ち物について周知しておくことも大切です。研修内容や研修施設によって必要な持ち物は異なります。代表的な持ち物は、筆記用具、名刺、衣類(着替え・部屋着・寝巻など)、洗面用具、タオル類、薬・化粧品、健康保険証、所持金などです。
また、研修中の服装を事前に指示しておくと参加者が迷わずに済みます。プログラムに運動の時間を取り入れているなら、運動着や運動靴など動きやすい服装も必要なため周知しておきましょう。
魅力的な研修プログラムの用意
参加者に研修を魅力的に感じてもらうように、研修の内容を工夫しましょう。単に講師が指導するだけではなく、参加者が主体的に参加できるようなプログラムを設定することが重要です。
例えば、グループワークにゲーム性を取り入れると、参加者が純粋に楽しみながら研修に取り組んでくれるでしょう。
リフレッシュできる時間の確保
研修だからといって、息が詰まるようなスケジュールにすることは好ましくありません。
時間に余裕を持たせたタイムテーブルを作成しましょう。作成したタイムテーブルに、適度な休憩時間を設定してください。
研修とは関係のないリフレッシュの時間を作ることも大切です。合宿研修は社員の交流の場でもあります。懇親会を開いたり、BBQなどおいしい食事を提供したりする時間を設けましょう。温浴施設がある場所の場合は、入浴の時間を設けることもおすすめです。
参加者のケア
合宿中の参加者の体調やメンタルをケアすることも求められます。これは、研修についていけない参加者の脱落を避けることを目的としています。
また、合宿研修は環境の変化で体調を崩す参加者が出ることもあります。本人からは不調を訴えにくいケースがあるため、参加者の細かい変化に気を付けることが大切です。
【番外編】合宿研修中に賃金は発生する?
管理者の方のなかには「合宿研修中に賃金は発生するのか」という疑問を持つ方がいるかもしれません。これは、研修が自由参加なのか義務なのかによって変わります。
自由参加の場合、賃金の支払いは必要ありません。社員が研修への参加を任意で辞退できるためです。自由参加にした場合、研修への参加を強制しないように気を付けましょう。
研修への参加を義務とする場合、合宿中にも賃金の支払いが発生します。研修時間が労働時間外に及ぶなら残業代の支払いも必要です。
【社員教育研究所】合宿タイプの研修一覧
弊社「社員教育研究所」では、人材育成に深くコミットし、確かな成長を促すための合宿形式の研修を多数ご用意しております。
日常業務から離れた環境で集中的に学ぶことで、受講者様の意識改革やスキルアップを強力にサポートします。
ここでは、管理職養成から新入社員の意識改革、営業力強化まで、目的に応じた多彩なラインナップを厳選しました。社員教育を「本気で変えたい」企業に最適なプログラムが揃っていますのでぜひご確認ください。
研修名 | 合宿日数 | 対象者 | 特徴 |
---|---|---|---|
管理者養成基礎コース | 13日間 |
|
実践的スキルと意識改革を通じ、管理職としての基盤を築く集中型研修 |
管理者養成基礎3日間極限コース | 3日間 |
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リーダーシップや論理思考を短期集中で強化 |
情熱コース | 3日間 |
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成長と戦力化に焦点を当て、リーダーシップとマネジメント力を鍛える研修 |
指導力開発訓練 | 9日間 |
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部下育成の実践力を高める長期合宿でのリーダー向け研修 |
上級訓練 | 11日間 |
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思考力を強化し、職場改革を担うリーダーへの意識とスキルを育成 |
セールス特訓 | 11日間 |
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営業力とマインドを高め、売上倍増を目指す合宿型研修 |
フレッシュマン颯爽研修 | 8日間 |
|
挨拶やマナー、報告・行動習慣まで基礎力を徹底的に鍛える |
特設社長コース | 3日間 |
|
自身の経営を見つめ直し、人材育成の在り方を再構築する短期研修 |
ハイブリッド・リーダー研修 | 3日間 |
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意識改革に特化、短期集中でリーダーとしての要素を深める研修 |
行動力パワーアップ | 5日間 |
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迅速な一歩を踏み出す行動力を養い、成果に直結する力を身につける |
セールスパワーアップ | 5日間 |
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営業プロセスを見直し、成約を確実にするスキルを磨く合宿 |
ビジネス特別実践研修 | 3日間 |
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“教えられる”だけでなく“自ら学ぶ”姿勢を身につける事前研修 |
現代の管理学Ⅰ | 2日間 |
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マネジメント法則とチーム組織力強化を学ぶ短期集中研修 |
GO!フレッシュマン現代の行動学 | 3日間 |
|
礼儀マナーや仕事の基本姿勢を速修し、即戦力化を目指す |
十分に準備を行い効果的な合宿研修を実施しよう
普段とは違う環境で研修を行う合宿により、さまざまな効果が期待できます。しかし、合宿研修には入念な準備が求められるほか、情報共有の徹底、研修プログラムの用意、参加者のメンタルケアなど、意識しなければならないポイントも数多くあります。こうした計画が煩雑に感じる場合は、外部委託がおすすめです。研修プログラムの策定を行っている外部事業者に相談してみましょう。
社員教育研究所では、合宿研修等に関する相談を受け付けています。お気軽にお問い合わせください。
FAQ
合宿研修の主なメリットは何ですか?
合宿研修の最大のメリットは、日常業務から離れた環境で研修に集中できる点です。
これにより、研修の密度が高まり、知識やスキルを効率的に習得できます。社員同士の交流や結束力の強化にもつながります。
合宿研修を成功させるための重要なポイントは何ですか?
成功のポイントは、事前の情報共有を徹底すること、魅力的な研修プログラムを用意すること、そしてリフレッシュできる時間を確保し、参加者の心身のケアを行うことです。
これにより、参加者が意欲的に研修に取り組める環境が整います。
社員向けの合宿研修では何を重視すべきですか?
新入社員合宿研修では、ビジネスマナーや時間管理、社会人としての意識づけなど、基礎力の定着と自律性の育成を重視すると効果的です。
社員教育研究所の新入社員研修はこちらをご覧ください。
この記事の監修者

株式会社社員教育研究所 編集部
1967年に設立した老舗の社員研修会社。自社で研修施設も保有し、新入社員から経営者まで50年以上教育を行ってきた実績がある。30万以上の修了生を輩出している管理者養成基礎コースは2021年3月に1000期を迎え、今もなお愛され続けている。この他にも様々なお客様からのご要望にお応えできるよう、オンライン研修やカスタマイズ研修、英会話、子供の教育など様々な形で研修を展開している。