新人教育のコツまとめ|失敗例の共通点と成功させるための基本姿勢を理解する

カテゴリ:新入社員研修ビジネスマナー研修

2022年12月22日(木)

新人教育のコツまとめ|失敗例の共通点と成功させるための基本姿勢を理解する

新人教育は効果的に行うと短期間で新人を戦力化できるため、自社にとってたいへん重要です。しかし失敗するとチャンスロスになるだけでなく、早期離職の原因になってしまう可能性もあります。このように新人教育は重要な意味を持つものですが、形式的に行っている会社も多いのではないでしょうか。 この記事では新人教育を効果的に行うためのコツについてまとめます。人事や総務のご担当者様はぜひ参考にしてみてください。

  1. 新人教育の目的
  2. 新人教育の具体的な方法
  3. 新人教育の失敗例
  4. 新人教育のコツと基本姿勢
  5. 効果的な新人教育を行おう

新人教育の目的

新人教育の目的についてまとめます。最終的なゴール・目的は、ビジネスマンとして自立して行動できるようにする、つまり早く戦力化することです。ここではそれを達成するために細分化した目的を解説します。具体的には次の目的があります。

・社会人としてのマナー・基本スキルの習得
・業務を行うための知識・スキルの習得
・企業理念や社内ルールの理解

1つずつ見ていきましょう。

目的|社会人としてのマナー・基本スキルの習得

まず、社会人としての最低限のマナーや基本スキルを身に付けることが挙げられます。電話の受け答え、名刺の渡し方、メールの書き方などのビジネスマナーです。ビジネスマンとしての基本に当たるものです。
マナーや基本スキルの習得は、主に新卒が対象となります。逆に言うと、基本マナーを教える余裕がない企業は中途採用を中心に採用しているはずです。

目的|業務を行うための知識・スキルの習得

次に、業務を行うために必要となる知識・スキルです。業種・職種ごとに必要な知識やスキルは異なり多岐に渡ります。具体的には、営業トーク、接客方法、機械の作業方法、必要なPCソフトの使い方などが挙げられるでしょう。
業務上の知識・スキルを習得するための教育は、新卒はもちろん中途採用でも必要に応じて実施する必要があります。

目的|企業理念や社内ルールの理解

また、自社の社員が理解していなければいけない企業理念や基本姿勢、社内ルールなどを教えておく必要もあります。
企業理念や基本姿勢などは行動に現れるほか、なぜそうするのかという理由・背景の理解にも役立ちます。またより実務上の必要として社内ルールも知っておく必要があります。社員で当番制になっているもの、いろいろな申請や手続きの方法、備品の使い方、部屋や設備の配置、服装ほかさまざまなルールがあるでしょう。そのほか業務についても、自社特有のやり方などがあれば教えておかなくてはなりません。

新人教育の具体的な方法

新人教育の具体的な方法についてまとめます。一般的な方法には次の3つがあります。

・OJT
・Off-JT200
・オンライン研修

いずれかだけではなく、組み合わせて行うのが一般的かつ効果的です。それでは1つずつ見ていきましょう。

方法|OJT

「OJT」は「On-the-job Training」の頭文字で、実際に業務を行いながら先輩が新人を教育する方法です。
メリットとしては、具体的なノウハウを学ぶことができる、新人の理解度に応じてスピードなど柔軟に対応できる、特別な準備が不要で費用がかからないといった点があります。現場の先輩たちとの人間関係の構築にも役立ちます。ただし理論を体系的に学ぶのには不向きなこと、教育担当者の力量に成果が左右されることなどがデメリットです。

方法|Off-JT

「Off-JT」は「Off-the-job Training」の頭文字で、セミナー形式・座学での教育です。研修と言うとこの形を連想する人が多いかもしれません。
一度に大人数の教育を行うことが可能です。また理論や理念などを体系的に学べること、新人同士の交流ができることもメリットです。
業務と離れて行うため、時間・場所を確保することが必要となります。人事担当者など自社の人物が講師を行う場合のほか、外注して外部の講師に依頼する場合もあります。外注するときも、自社に講師を招く場合と公開されているセミナーに赴いて参加する場合があります。

方法|オンライン研修

インターネットを使ったオンライン研修も近年導入例が増加しています。時間を決めてオンラインで講義を配信する形式や、学習者が自分のタイミングでコンテンツを視聴するeラーニングなどの形に分けられます。コンテンツは自社で用意する場合・サービス提供者が用意している場合などさまざまなパターンがあります。
場所を合わせる必要がないのが大きなメリットです。eラーニングであれば時間すら合わせる必要がありません。そのため移動費や会場費などのコスト削減につながります。
ただし実技を学ぶのには一般に向きません。また配信する側・学習する側のいずれもインターネットの設備が必要となります。

新人教育の失敗例

新人教育の失敗例についてまとめます。ほとんどの失敗例に共通するのは以下の2点です。

・学習者を萎縮させてしまう・安心できない状態にしてしまう
・学習者に参加意識を持たせられない

これらは新人の意欲低下や不満につながり、早期退職の理由となる可能性があります。
よくある具体的な失敗例としては次の4つが挙げられます。

・威圧的・感情的に指導してしまう
・内容や用語の説明が不十分
・背景や目的・必要性を説明しない
・改善点や改善策を伝えない、言いすぎる

1つずつ見ていきましょう。

失敗例|威圧的・感情的に指導してしまう

まず多いのが、威圧的・感情的に指導してしまう例です。相手が失敗したとき・教えたことが通じていないとき・できないときなどに、叱責したりいらついた態度を取ったり、ため息をついたりする場合です。
教育する側の威圧的・感情的な態度は、学習者を萎縮させてしまいます。さらにはパワハラに受け取られたりしてトラブルに発展する可能性もあります。叱ることが必要な場面もありますが、威圧的・感情的な言い方はするべきではありません。

失敗例|内容や用語の説明が不十分

「説明が不十分、わかりにくいというのも多く起こる失敗例です。内容の説明を省略したりして不十分で理解できない場合や、説明に使うことばが専門用語などで新卒や別の業種から来た人にはわからない場合などがあります。
教える側にとっては常識・当たり前のことでも、今までその業務を行ったことがない人にとっては新しい未知のことです。それを認識していないせいで起こります。
学習する側としては理解できなくなってしまい、自分ごとと思えなくなる・参加意識が持てなくなるといったネガティブな結果を引き起こします。質問できない雰囲気だと萎縮してしまうこともあります。
その結果、成長によけいな時間がかかったりそもそも成長できなかったりするほか、理解しないまま業務に就いてしまう可能性もあります。

失敗例|背景や目的・必要性を説明しない

次に、作業のやり方などは説明しても、なぜそうするのか・それをすることによってどのような効果や結果が得られるのかを説明しない場合があります。
頭ごなしにやるように言われても、それをやる意義や目的がわからなければ戸惑ってしまいます。完全に理解することができず自分ごとと思えなくなる・参加意識が持てなくなるといったことの原因となります。質問できない雰囲気だと萎縮してしまうこともあるでしょう。
その結果全体像が理解できず自立して行動できなくなる可能性や、重要性が理解できず必要な作業でもやらなくなってしまう可能性もあります。

失敗例|改善点や改善策を伝えない、言いすぎる

作業の結果などに対して、改善すべき点を指摘しない、あるいは逆に改善点ばかりを指摘するのも好ましくありません。改善点を指摘しなければ何を改善したらいいのかわかりません。改善点ばかりを指摘されると自信をなくしてしまいます。
改善点を指摘しても、具体的にどうやってその問題を解決するかの改善策を伝えない場合もあります。自分で考えさせることも必要ですが、その時点での能力に合わせる必要もあります。新人は難しいことができなくても無理もありません。
改善点を適切に伝えないと、自分ごとと思えなくなる・参加意識が持てなくなるといったことが起こってしまいます。場合によっては萎縮してしまうこともあります。

新人教育のコツと基本姿勢

新人研修の効果を高める基本姿勢は、学習者が安心できる、自分ごとと思えるようにすることです。「自立して行動できる」ようにするのが最終的な目的です。そのことを忘れないようにして、あらゆる面で目的達成に向かうよう意識しましょう。
なおメンター制やOJTなどで社員が教育を担当する場合、既存社員の負担も軽減させる努力を行う必要があります。それが難しければ外注できるところは外注するべきでしょう。教育者に余裕がなければ、学習者にマイナスの影響が出てしまうからです。
具体的なコツとしては、次に挙げる内容があります。


・萎縮させない雰囲気・仕組みを作る
・わからないことを前提として説明する
・目的・理由も合わせて説明する
・自分に考えさせる機会を作る
・結果にはフィードバックを行う

1つずつ見ていきましょう。

コツ|萎縮させない雰囲気・仕組みを作る

新人教育で学習者を萎縮させないためには、相談や質問をしやすい雰囲気作り・関係作りが大切です。担当者は接する態度に注意しましょう。コーチングなど、教育担当者の教育も場合によっては必要です。
また個人の対応だけでなく、仕組み作りも必要です。たとえばメンター制を導入して、上司より話しやすい先輩社員が対応したりすることが挙げられます。また作業マニュアルを作成しておくと、新人が自分で確認できて質問を減らせます。一度で理解できなかった場合も安心して確認できます。
そのほか、失敗しても評価が下がらないような評価制度を取り入れることで挑戦できる環境を作ることも効果的です。ある程度は失敗することを織り込み済みにして、あえて挑戦させてみます。それにより萎縮させることなく成長を促すことができます。

コツ|わからないことを前提として説明する

初めは誰でもわからないということを理解し、それを前提に教育に当たりましょう。また一度説明しただけでは、すぐに理解・実行できるようになるとは限りません。教育に関わる社員はその点も理解しておく必要があります。
またすぐにはできないものと理解するだけでなく、言動で伝えなくては意味がありません。「すぐにできなくても仕方ない」「初めはわからないかもしれない」と言葉にして伝えましょう。
ビジネス用語・専門用語は意味を解説してから使います。業務内容も初めての人がわかるように説明します。「このぐらいはわかるだろう」などと勝手な判断で省略してはいけません。
マニュアルがあると抜けのない説明が可能で、教育する側も楽になります。人によって言うことが違うという状況もなくすことができます。そのほか、質問がないか随時確認しましょう。

コツ|目的・理由も合わせて説明する

その業務の持つ意味や目的などを、業務のやり方とセットで説明することも効果的です。背景を伝えることで全体像を把握することができ、理解も深まりますし忘れにくくなります。また、その業務を行うことに対するモチベーションにもつながります。

コツ|自分に考えさせる機会を作る

適切に与える・施すことももちろん大切ですが、自分に考えさせることも必要です。研修する側がすべて与える・教えるという姿勢でいると、学習者が受け身になり自立しない可能性があります。
自分に考えさせて、自分で発見したり理解・納得できるような機会を作ります。答えを与えるのではなく、ようすを見ながらヒントを与えるイメージで行いましょう。ただしヒントを与えて終わりでは人は育ちにくいものです。確認や答え合わせが必要です。
自分で考えることにより、理解が深まり知識を自分のものとすることができます。それにより自立が近づきます。
ただし考えさせることと実行させることとは区別しなくてはなりません。取引先への対応や実際の製造の作業など、勝手な判断が許されない場面もあります。あえて失敗を経験させるよう実行させてもいい内容と、考えるだけにとどめて勝手に進めさせないようにする内容とを区別しましょう。

コツ|結果にはフィードバックを行う

新人に対しては、良かった点と改善点とを区別してつど両方をフィードバックしましょう。経験が浅いときは客観的な自己評価・判断ができません。両者を伝えることで、判断の軸ができあがっていき自分で考える精度が高まります。
ポイントは、改善点の指摘で終わらないようにすることです。良かった点を伝えることは自信やモチベーションにつながります。改善点も批判というよりは課題・次の目標としてポジティブな伝え方をするように心がけましょう。
こちらも制度化・自動化することが望ましいと言えます。評価シートに両者の欄を作るなどして、担当者個人に依存しないような仕組みを作りましょう。
有益なフィードバックは信頼関係の構築にも役立ちます。コミュニケーションのチャンスにもなります。

効果的な新人教育を行おう

効果的な新人教育は短期間での戦力化につながり、結果的に自社の生産性向上や業績向上をもたらします。
効果的な新人教育を行うためには、PDCAを通じて意識的にノウハウを蓄積することが大切です。あるいは専門のサービスを利用してプロに任せるという手段もあります。自社で行う場合も、担当者にコーチングなど教育方法の研修をしておくと効果が高まります。とくに一般の社員が教育に関わる場合は個人の力量に左右されがちです。属人的になることを避けるための仕組み作りがカギとなります。
当社では、ビジネスマナーなど新人向け研修のほか、リーダーシップ研修やコミュニケーション研修など教育者側に役立つ研修もご用意しています。ご興味がおありならぜひご連絡ください。ページ上部に連絡先があります。お気軽にご相談ください。



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