厳しい・きつい新人研修は何のためにする?人材育成を成功させるための注意点

更新日:2025年12月19日(金)

厳しい・きつい新人研修は何のためにする?人材育成を成功させるための注意点

企業では、意図的に新人研修を厳しくすることがあります。どういったメリットがあって研修を厳しくするのでしょうか。また、現代において厳しい研修を実施することにリスクなどはないのでしょうか。

この記事では、あえて新人研修を厳しくする理由について解説します。また、厳しい研修にともなうリスクや実施するうえでの注意点についても紹介します。具体的には、以下のような内容です。

  • 厳しい新人研修は、主に早い段階で社会人としての自覚を持ってもらうために行われる
  • 厳しい研修には、ストレス耐性が付く、社員間の連帯感が生まれるなどのメリットがある
  • ただし脱落者や早期退職者が出たり会社の評判を下げたりするリスクもあり、時代にそぐわなくなりつつある
  • リスクを避けるため人格否定をしないなどメンタル面に配慮をしつつ、成長を促すことを主眼に行うことが大切

効果的な新人研修を実施したい管理職の方はぜひ参考にしてください。

目次
  1. なぜ厳しい新人研修(新入社員研修)が行われているのか?
    1. 厳しい研修の目的
    2. 厳しい研修の効果
  2. 新入社員研修がきついと感じてしまう6つの理由
    1. 会社や環境に慣れていないストレス
    2. 覚えるべき情報量が多い
    3. 研修の指導が厳しい
    4. 監視されていると感じ緊張状態から抜けられない
    5. 人間関係がうまくいかない
    6. 研修の意味を見出せない
  3. 厳しい・きつい新人研修(新入社員研修)を行うリスク
    1. 研修に付いていけない、理解度の低下、早期離職
    2. 会社の評判が下がる
  4. 新入研修(新入社員研修)を厳しい・きついと感じさせないポイント
    1. 研修の目的やゴールのイメージを説明する
    2. 余裕を持ったスケジュールやプログラムを組む
    3. グループワークを取り入れる
    4. 成功体験を積ませる
    5. メンター制度を活用する
    6. 外部講師によるビジネスマナー研修を取り入れる
  5. 厳しい・きつい新人研修(新入社員研修)をする際の注意点
    1. 参加者の人格を否定しない
    2. 厳しさだけを感じさせる研修内容にしない
    3. 研修参加者のメンタルを追いつめない
  6. 新入社員が「研修がきつい」と訴えてきた場合の対応
  7. 厳しい研修は計画的に実施しよう
  8. FAQ
    1. なぜ企業は新人研修を厳しくするのでしょうか?
    2. 厳しい新人研修にはどのようなリスクがありますか?
    3. 厳しい研修を効果的に実施するためのポイントは何ですか?

なぜ厳しい新人研修(新入社員研修)が行われているのか?

厳しい研修の目的

研修の目的は人材育成にあります。厳しく研修を行うのは、育成の効果を上げるためです。決して部下を精神的に追いつめることが目的ではありません。厳しい研修を経験させることで、ビジネスで実際に厳しい場面に直面しても折れないマインドセットや考え方を養います。

新人研修やマナー研修で厳しい研修が行われるのは、入社したばかりの新入社員に早い段階で社会人としての自覚を持ってもらうためです。厳しい研修を通して今後社会に出てからの厳しさに耐えられるようにします。

厳しい研修の効果

厳しい研修を耐え抜くことで、自信が付いて仕事に前向きになれるようになります。仕事では、さまざまなストレスに直面することが日常茶飯事です。あらかじめ厳しい研修をクリアしておくことでストレス耐性がつき、最後まで現場での仕事をやり遂げられるようになるでしょう。

また、社員同士の関係性にも好影響が期待できます。厳しい研修を乗り切った参加者同士で連帯感が生まれます。実際の業務でも、連帯感を持って取り組んでくれるでしょう。

新入社員研修がきついと感じてしまう6つの理由

新入社員研修は、社会人としての第一歩を踏み出す上で非常に重要ですが、一部の新入社員にとってはきついと感じられることがあります。その背景には、主に以下の6つの理由が考えられます。

会社や環境に慣れていないストレス

新しい会社や職場環境に飛び込むこと自体が、大きなストレスとなります。

学生時代とは異なる企業文化、独自のルールや専門用語、そして慣れない人間関係に囲まれることで、新入社員は常に緊張状態にあります。こうした環境の変化によるストレスを強く感じやすいです。

覚えるべき情報量が多い

研修では、会社の事業内容、組織図、就業規則、そして配属後の専門知識など、膨大な量の情報を短期間で習得することが求められます。

知識のインプットだけでなく、ビジネスマナーやスキルといったアウトプットも同時に求められるため、精神的な負担が大きくなります。

研修の指導が厳しい

新入社員を一人前のビジネスパーソンにするため、指導者が厳格な態度で接したり、高いレベルを求めたりすることがあります。例えば、マナー研修での細かい指導や、グループワークでの厳しいフィードバックなどが該当します。

指導側の意図は成長を促すためであっても、受け手側は「失敗が許されない」「自分だけができていない」と感じ、プレッシャーで研修がきついと感じてしまうことがあります。

監視されていると感じ緊張状態から抜けられない

集合研修やOJT(On-the-Job Training)では、常に上司や先輩、あるいは同期に行動や言動を見られているという意識が働きやすいです。

特に評価が下される立場にある新入社員は、些細なミスも気に病み、「常に誰かに見られている」という感覚から解放されず、極度の緊張状態が続き、心身ともに疲弊してしまいます。

人間関係がうまくいかない

研修は同期とのグループワークや共同作業が多くなります。ここで同期とうまく協調できない、孤立感を感じるといった人間関係の悩みが発生すると、研修そのものが苦痛になります。

また、指導担当者との相性やコミュニケーションの取り方も、研修に対する心理的負担を大きく左右する要因となります。

研修の意味を見出せない

研修内容が実務とかけ離れていると感じたり、「これは現場で本当に必要なのか?」という疑問が生じたりすると、「なんのためにこの研修を受けているのだろう」と研修の意義を見失ってしまいます。

意味や目的が見えないまま、ただ課題をこなすだけになると、モチベーションの低下を招き、「きつい」という感情に繋がります。

厳しい・きつい新人研修(新入社員研修)を行うリスク

研修に付いていけない、理解度の低下、早期離職

過度に厳しい研修を行うと、付いていけない参加者が出てくる可能性があります。研修の理解度が思うように上がらず、本来身につけるべき知識やスキルが定着しないという問題が生じる可能性も…。最悪の場合は、参加者が脱落してしまうかもしれません。厳しい研修を受けたことで仕事が嫌になることが主な理由です。

入社前には夢や目標を持っていたとしても、厳しい研修のせいで入社後の前向きなイメージを描けなくなり社会人生活への希望や自信を失うケースもあります。とくに入社直後に「落ちこぼれ」と評価されてしまうと、その会社で働き続けるモチベーションはきわめて低くなるでしょう。仕事への意欲が極端に低下すると、参加者が退職を決める場合もあります。

これは、新入社員の成長を阻害するだけでなく、企業側が研修に投じた時間とコストが無駄になる可能性もある大きな懸念点です。

会社の評判が下がる

厳しい研修を行うと、会社の評判を下げてしまう可能性もあります。

厳しい研修には上記のような目的と意義がありますが、厳しさを間違えるとパワーハラスメントなどのコンプライアンス違反につながってしまいます。厳しい研修を強要する会社へ、参加者が不信感を抱くかもしれません。「パワハラを受けた」と感じた参加者から訴訟を起こされるリスクも考えられます。

また、参加者がSNSに投稿した内容で、会社が炎上するリスクがあります。炎上がきっかけで社外に自社に関する良くない評判が広がってしまうかもしれません。参加者の書き方によっては、ブラック企業というイメージが広がってしまう可能性もあります。翌年以降の入社希望に影響するため、こうした事態はなるべく防がなければなりません。

新入研修(新入社員研修)を厳しい・きついと感じさせないポイント

ここからは、新人研修を厳しい・きついと感じさせないために工夫できることやポイントをご紹介します。

研修の目的やゴールのイメージを説明する

研修が始まる前に、なぜこの内容が必要なのか、何を達成するための研修なのかを明確に伝えることで、新入社員の納得感を高めることができます。
自身の成長やキャリアにどう繋がるのかを具体的に示すことで、受動的な姿勢から主体的に学ぶ意識へと変化を促すことができるでしょう。これにより、研修へのモチベーションを高め、困難に直面しても乗り越えようとする意欲を引き出すことに繋がります。

余裕を持ったスケジュールやプログラムを組む

初めての社会人生活で心身ともに慣れない状況にある新入社員にとって、ゆとりのない研修は大きな負担となります。
また、研修スケジュールに余裕がないと、復習の時間や内省の機会が奪われてしまい、知識が定着しづらくなります。
そのため、休憩や復習の時間を十分に確保することが大切です。リラックスできる時間があることで、ストレスの蓄積を防ぎ、精神的な余裕を持って研修に取り組むことが可能になります。
詰め込み式ではなく、適度な休憩や振り返りの時間を設けることで、参加者の理解度や満足度が大きく向上するでしょう。

グループワークを取り入れる

新入社員同士が協力して課題に取り組むグループワークは、孤立感の解消やチーム意識の醸成に効果的です。
チームで課題解決に取り組む過程で、互いの意見を尊重し、協力し合う姿勢が自然と身につきます。また、一人で抱え込みがちな悩みを共有し、助け合う関係性を築くことで、孤独感を軽減し、心理的な安心感も得られます。
これにより、研修が「きつい」という印象から「共に成長できる場」へと変化するでしょう。

成功体験を積ませる

成功体験の積み重ねが自信を育み、学習意欲を高めます。達成可能な目標を設定することで、新入社員は「できた」という喜びを繰り返し味わうことができます。この達成感は、次のステップへのモチベーションとなり、困難な課題にも積極的に挑戦する姿勢を促します。
成功体験は、自己肯定感を高め、成長を実感させることで、研修が「きつい」という感覚を乗り越え、「やればできる」というポジティブなマインドセットを築く手助けとなるでしょう。

メンター制度を活用する

経験豊富な先輩社員がメンターとして新入社員をサポートする制度は、悩みの早期発見や精神的な支えとして非常に有効です。
研修内容だけでなく、社会人としての心構えや人間関係の構築など、日々の些細な疑問や不安も気軽に相談できる環境があることで、新入社員は安心して研修に集中できます。メンターが親身になって関わることで、職場への信頼感が生まれ、エンゲージメント向上にもつながります。

外部講師によるビジネスマナー研修を取り入れる

まず、研修導入段階で 社外の外部講師を招いたビジネスマナー研修を取り入れるのは効果的です。新入社員にとって社内の先輩や上司から教わると「いつもの職場の延長線」のように感じやすく、「監視されている」「叱られている」といった緊張感を生みやすくなります。

対して、外部講師による研修は、学校のような“中立的な学びの場”として受け取られやすく心理的なハードルが下がる可能性が高いのです。

また、ビジネスマナーは、社会人としての基本—挨拶、敬語、名刺交換、報連相、礼儀、身だしなみなど—を統一的に身につける土台ともなるため、外部講師による体系的な研修によって、入社後すぐに「会社の顔」としての振る舞い方を学べるのは大きなメリットがあります。

外部研修を導入することで、社内の上下関係や指導の厳しさが原因で感じやすいプレッシャーが軽減され、新入社員が「学ぶ場」「スタートライン」として研修を捉えやすくなることが期待できます。

厳しい・きつい新人研修(新入社員研修)をする際の注意点

参加者の人格を否定しない

まず、教える側は参加者の人格を否定しないように気をつけることが必要です。

指導目的であったとしても、参加者の人格を否定することはNGです。指導は人格や能力・価値観に対してではなく、改善すべき行動や事実に対して行います。研修の参加者は個性を持った人間であることを理解しましょう。

人格を否定された参加者は悔しさからモチベーションを上げることもありますが、多くの場合、意欲を失い怒りや悲しみの感情を抱きます。業務や入社後の人間関係に対して、ポジティブなイメージを持てなくなってしまうかもしれません。

指導は、参加者の人格を尊重したうえで行いましょう。研修中に参加者の問題点を指摘するようなシーンでは、「そんなこともできないのか」「学生のときに何を学んできたんだ」といった発言は控えてください。大声を出すことも控えましょう。代わりに、問題点を具体的に指摘し、参加者が成長できるように導くのがおすすめです。

厳しさだけを感じさせる研修内容にしない

厳しい研修は上記のような効果がありますが、現在では時代に合わなくなってきていることも事実です。特に若い世代は、厳しい指導に慣れていません。参加者が理不尽だと感じると、脱落者が出る、企業の評判が落ちるなど、リスクのほうが目立ちます。

効果的な研修を実現するためには厳しいなかにも誠実さが必要です。仕事の厳しさは実務を通して学べるケースも多いため、研修では厳しさだけを感じさせないような工夫が必要です。

「研修を厳しくすること」が目的ではないことを理解しておきましょう。仕事の厳しさを教えつつも、参加者がしっかりと成長できるような研修を設計することが大切です。苦痛ばかりで成長できなければ洗脳や無駄な義務も同然で、くだらない、つまらないと思われても仕方ありません。適宜フィードバックをする、受講者の意見を汲み上げる、といった工夫を取り入れましょう。

研修参加者のメンタルを追いつめない

研修中は、常に参加者のメンタルに気を配りましょう。

参加者は、新しい環境への不安と緊張を抱いています。研修担当者は、その不安と緊張を和らげるようにメンタルをケアしてください。「負荷をかけることで、成長してもらいたい」という研修の意義を、参加者に理解させることも大切です。

離脱者が出ないように努める必要もあります。研修中は、参加者に寄り添った指導を心がけてください。参加者からの相談には、丁寧に応じるようにしましょう。

参加者の様子を観察し、理解度に遅れがある参加者に対しては積極的にフォローすることも大切です。一人ひとり理解度には差があります。そして疑問をすぐに質問できる参加者ばかりではありません。困っている参加者を置いていかないのは大事なことです。

また、厳しい研修を参加者が乗り切れるようにするためには、参加者同士が協力できる体制にすることも求められます。研修中に参加者同士が交流できる場をセッティングしてください。参加者が協力し合える関係を築けるようにすると、困っている参加者が研修の悩みを相談できます。「ペーパータワー」のような、協力し合うアイスブレイクを取り入れるのも効果的です。リフレッシュになるだけでなく、チームワークの学びやチームビルディングのきっかけにもなります。

参加者が一丸となって研修を乗り越えられる空気を醸成すれば、入社後も業務に協力して臨んでくれるかもしれません。具体的には、担当者が離席して参加者だけで話せる場所や時間を設ける、ランチの時間を参加者と一緒にとってもらう、といった取り組みが有効です。

新入社員が「研修がきつい」と訴えてきた場合の対応

もし新入社員から「研修がきつい」「つらい」と訴えがあったら、まずは研修内容やスケジュールの見直しの検討が必要です。研修が詰め込みすぎであれば、休憩時間を増やしたり、配属時期を少し遅らせるなどの配慮が考えられます。

並行して、同期同士や先輩との ディスカッション、意見共有の機会を設けることで、新入社員が感じている不安や疑問を表出しやすくするのも有効でしょう。

また、担当部署や事業部の上司との面談機会を用意し、研修内容と今後の業務とのつながりを説明することで、「この研修は将来自分が働くうえで意味がある」と納得感をもたせることも大切です。

さらにメンタル面のケアとして、指導担当者だけでなく、別の“相談窓口”になるメンター制度や、人事部門によるフォロー体制の整備も検討すべきです。これにより、人間関係の悩みに一人で抱え込むことを防ぎやすくなります。

厳しい研修は計画的に実施しよう

厳しい研修は新入社員にビジネス面で折れない心を持ってもらうために有効です。ただし、コンプライアンスや炎上リスクの点から、時代に合わなくなっています。リスクを排除するためには、狙いを明確にして計画的に実施することがポイントとなります。

参加者のメンタルを追いつめるような指導は厳禁です。また、スキルや知識面で参加者が成長できる設計にしましょう。そのことを参加者に共有し、研修の意義をしっかりと理解してもらうことも重要です。

社員教育研究所の新人研修(新入社員研修)の詳細はこちらをご覧ください。

FAQ

なぜ企業は新人研修を厳しくするのでしょうか?

企業が新人研修を厳しくする主な目的は、新入社員に早期に社会人としての自覚を促し、ビジネスにおけるストレス耐性や課題解決能力を養うためです。
厳しい環境を乗り越えることで自信をつけさせ、社員間の連帯感を醸成し、実務で直面する困難に負けないマインドセットを築くことを目指しています

厳しい新人研修にはどのようなリスクがありますか?

過度な厳しい研修は、研修の理解度が低下したり、参加者が脱落したりするリスクがあります。最悪の場合、早期離職につながることも。
また、会社の評判を下げ、採用活動に悪影響を及ぼす可能性もゼロではありません。

厳しい研修を効果的に実施するためのポイントは何ですか?

効果的な厳しい研修のためには、研修の目的を明確に伝え、参加者の納得感を高めることが重要です。また、余裕を持ったスケジュール設定やグループワークの導入で、精神的な負担を軽減することも大切。
さらに、成功体験を積ませて自信を育み、メンター制度で個別のサポートを行うことも、研修を「厳しい」「きつい」と感じさせないために有効です。



この記事の監修者

株式会社 社員教育研究所 編集部

株式会社社員教育研究所 編集部

1967年に設立した老舗の社員研修会社。自社で研修施設も保有し、新入社員から経営者まで50年以上教育を行ってきた実績がある。30万以上の修了生を輩出している管理者養成基礎コースは2021年3月に1000期を迎え、今もなお愛され続けている。この他にも様々なお客様からのご要望にお応えできるよう、オンライン研修やカスタマイズ研修、英会話、子供の教育など様々な形で研修を展開している。

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